旅客機のエンターテイメント・システム(IFE)は、キャビンによる差がほとんどありません。ビジネスやファーストでも提供されるプログラムは同じで、画面は大きくても解像度は変わらなかったりと、冴えません。
音声出力だけは差を付けられます。エコノミーのイヤホンに対して、上級クラスではヘッドホンが貸し出されることが多いようです。最近ではノイズキャンセリング・ヘッドホンが装備されていることがあります。これはなかなかのデバイスで、飛行に伴う騒音をかなりカットしてくれます。低レベルのホワイトノイズに変換するというのがより実感に近いかもしれません。
急激に立ち上がる音は消されないので、人との会話は普通のヘッドホン装着時と変わりません。乗り物の旅にぴったりのガジェットです。
ところがエコノミークラスでも、この技術の恩恵に預かることができます。ノイズキャンセリング・ヘッドホンは市販されています。しかも様々なアダプタが付属していて、飛行機のジャックにも対応しています。したがってエコノミー搭乗時でも、市販品を機内に持ち込めば、音環境だけは上級クラスと同じになります。
優れものはソニー製品。とあるビジネスクラスでBoseのノイズキャンセリング・ヘッドホンが用意されていたのですが、音の解像度がかなり劣ります。解像度の高さは、意外と映画で効果絶大です。ソニー製品は台詞のニュアンスを忠実に伝えます。映画の印象が大きく違ってくることもあります。
私が利用するのはMDR-1Rですが、便利なケースが付属しており、機内持ち込みが手間になりません。特に新しいIFEを搭載している機材だと効果が大きいので、どんな機材なのは常にチェックしています。