PECHEDENFERのブログ

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BA エグゼクティブ・クラブ用のクレジットカード

BAのエグゼクティブ・クラブについて述べている日本語のページはあまりありません。で、関連クレジットカードについても整理してみました。

 

エグゼクティブ・クラブの提携クレジットカードは、英国、米国、インド、香港などで発行されていますが、日本国内向けには存在しないようです。

 

AFFlying BlueLHMiles & Moreには、日本国内に100円=1マイルのクレジットカードがあるので、BAの一人負けでしょうか?それほど単純ではありません。実はこれらのFFPより効率が良いカードがあります。

 

第1の選択肢はアメリカンエクスプレスのスカイ・トラベラーとスカイ・トラベラー・プレミアです。100円の利用で付く1ポイントは、エグゼクティブ・クラブの1アビオスに変換できます。カードポイントはBA以外に、AY, AZ, CI, CX, CZ, DL, EK, EY, SK, SQ, TG, VSに1ポイント=1マイルで移行できますが、AFとLHは対象外です。(NHもOK。年額の手数料が必要。移行上限あり。)

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このカード最大の特徴は、BA, AY, AZ, CI, CX, DL, EK, EY, SK, SQ, VS (上記リストより、CZとTGを除く各社) に加え、AF, BR, GA, JL, KE, KL, LH, LX, NH, OS, OZ, PR, QF, TN, 7Gの航空券を円建てで直接購入した場合、購入価格100円あたり3ポイント(スカイ・トラベラー)または5ポイント(スカイ・トラベラー・プレミア)が得られることです。1ポイントはBA以外の各FFPでも1マイルになります。

 

海外で100円の利用が、1.5ポイントになる国内向けのLH提携カードもありますが、スカイ・トラベラーでの航空券購入ほどの破壊力はありません。

 

スカイ・トラベラーの年会費は10,800円。プレミアは37,800円です。2者の比較では、円建て航空券の購入が年間120万円を越えると後者有利でしょうか。バイマイルで年間数万マイル購入する人なら、この分岐点は大きく下がる可能性があります。

(追記:後日試算してみました。)

 

なお航空券購入によりポイントが3倍、5倍になる上限は、200万円です。

 

第2の選択肢は、スターウッド・プリファード・ゲスト・アメリカン・エクスプレス・カードです。これは100円の利用が1SPGポイントになります。これはホテルチェーンの顧客プログラムのポイントですが、多くの航空会社FFP(2014年5月の時点で33社)のマイルに変換できます。そしてその変換の多くが1:1の比率でなされます。

 

1:1で変換できるFFP間で比較すると、特典に必要なマイルが少ないほど有利ですが、AFもLHもたいてい多くのマイルが必要なので、BA有利です。

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うれしいことに20,000ポイントを航空会社のFFPへ一括変換すると、5,000ポイント追加されます。つまり20,000ポイントは、BAのエグゼクティブクラブの25,000アビオスに化けます。100円のクレジットカード利用は1.25アビオスということです。

 

年会費は33,480円と少しお高いのですが、継続した場合、SPGチェーンのカテゴリー1~6のホテルに1泊無料で宿泊できます。一年に数回、ホテル相場の高い都市に行く方なら、1泊2万5千円以下は困難という事態に直面することもあるでしょう。この時この特典を使えば、会費の大部分を取り戻せます。

 

なおSPGホテルの利用に際しては、ゴールド会員として扱われます。SPGホテル利用時には、1ドル当たり3ポイントもらえ、クレジットカードの利用によるポイントに加算されます。また滞在あたり250ポイントもらうことも可能です。

 

アビオスが目的でも興味深いカードですが、SPGチェーンを年5~10滞在ぐらい利用し、ロンドン、パリ、ニューヨーク、シンガポールなどへよく行く人には、メリットが多いクレジットカードに思えます。

 

私の場合、手違いもあってスカイ・トラベラーとSPGと2種揃えてしまいました。少し使ってみてから、どちらかに絞ることになると思います。前者のポイントが3倍になる条件のうち、日本円建ての部分がやはりネックになっています。このカードのおかげで、意外と海外発券が多いことに気がつきました。

 

総括すると、日本にBAの提携カードはないのですが、アメックスの2つのカードはAFやLHの提携カードよりも有利という観測です。ただし年会費は少し高めです。

 

最後に、これらのアメックス・カードのポイントはいろいろなFFPに落とせるので、BAの顧客としてのメンタル・マネージメントで役に立つかもしれません。

 

 忠実な顧客でなくては航空会社も大切にしないので、マジメな人はBA以外を利用することに心理的な抵抗を覚えるでしょう。FFPは仏語でprogramme de fidélité (= fidelity)と言うぐらいです。でも他の航空会社のサービスも受けてみたいという気持ちは押さえられません。こうした時、アメックスのポイントを「浮気相手」のFFPに落として、特典航空券でこっそり搭乗するなら、心は痛まないし、BAにもバレません。自社の上級会員でもない無料搭乗者に「浮気相手」が本気になることはありません。こんな方法でSQのスィートに搭乗するのも「手」だと思います。

 もちろん冗談ですが、これに近い気持ちで普段使わない航空会社のサービスをつまみ食いしている多頻度旅行者は、多いのではないかと思います。いろいろつまみ食いして、「やっぱりBAが一番」となれば「雨降って地固まる」です。