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世界一のビジネスクラス:カタール航空(その4)

スカイトラックスの過去5年間のランキングを見ると、QRビジネスクラスは2010年 1 位、2011年 2 位、2012年 2 位、2013年 1 位、2014年 1 位です。圧倒的な人気です。世界最強のビジネスクラスです。

 

そんなQRビジネスクラスで、残念な点を無理矢理探してみます

 

そういえば機内食の質は、?です。まずまずの素材を使っていますが、企画段階で方向がおかしいと思える品があります。たとえば、焼きうどんに鮭(のソテー)を合わせて、和食とした一皿がありましたが、その典型です。

 うどんは太麺の冷凍品を解凍加熱したモノですが、固さにムラがあるところがダメでしょう。麺は生産の上流から下流まで、麺の消費地の出身者でないと取扱いが難しいので、QRのような国際混成チームには向いていない気がします。また鮭は油分を失わないように全体をゆっくり加熱調理したモノでしょうか。大きな切り身の中が一様にふんわりとしてなめらかです。この食感を狙ったことは理解できましたが、泥臭さが身に凝集しています。方向を誤った調理法のような気がしました。またソースは、うどんと鮭とで共通、醤油・鰹節ベースでとろみがついています。魚に別の魚のソースを合わせる時点で、道を踏み外しています。料理界に新風を吹き込むような、新しい効果を狙っているのでしょうか。ソースの味わいが単純すぎて、そういうレベルの代物には見えませんでした。

 日本人には、焼きうどんではないし、和食でもないのですが、そんなことは些細なことになるぐらい、興味深い料理でした。

 外国の寿司はいつもそうですが、見ただけで食べる気をなくす代物でした。

手慣れた人が握ったり巻いたりしたものでないことは、外見からわかります。外国のスーパーで売っている寿司と同じです。おにぎりもそうですが、外側はある程度きつく、内側は少しゆるくなっていないと、口の中ではらりと崩れる食感が得られません。それが、全体が一様に詰まっていて、若干ゆるいようです。日本では素人でも握れますが、よく考えると力を加えるタイミングと力の大きさが適切でないと、こうはならないので意外と高度な技です。日本人の当たり前の手作業が、世界的に見ると異常に高いレベルにあるのかもしれません。もっとも機内食の調理では手袋をはめ、マスクをせざる得ないので、素手の調理より圧倒的に難しいでしょうが。

 ナチュラル・チーズは外側がベトリ、中が固いという状態でも出てきます。チーズの保存や取扱が悪いのはしかたありません。フランスではないのですから。

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CXにも?の飯はありますが、?の次元が違います。4人の料理監修者が全て英語圏の人気シェフという点も、関係しているかも知れません。レストランは体験を楽しむ場ですから、人気シェフというのは優れたエンターテイナーです。優れた機内食の企画とは、直接関係がない気がします。写真付きの監修料理人の紹介はイメージ戦略以上ではありませんが、効果に乏しい気がします。スカイトラックスは英語であり、一般に英語母語話者は食に関して細かいことを言わないので、QRに有利でしょうか。

 もっともワイン好きなら、あの多様なワインにこの機内食の「アテ」は「これ以上何を望む?」という時間を提供します。また食事に関して、包括的にうまいかまずいかしか述べない客には、無視してよい話です。満足感を与える(=「うまい」と言わせる)ことと、伝統(因襲ともいう)に忠実なこととは、別の問題だからです。

 

クルーの説明は、通り一辺倒で早口なことが多いようです。サービスのシステムを知らない初搭乗者は、期待と異なるサービスを受ける可能性があります。これは機内食やワインに選択肢が多いことの副作用なのかも知れませんが、エレガントではありません。この点を改善すれば、他社との差はさらに大きくなるでしょう。

 

私個人は、少し抜けた所がないと面白くありません。CXにも共通しますが、客に喜んでもらおうと一生懸命なクルーの姿勢が、客を惹きつける最大の武器です。サービスが完璧だと、この一生懸命な姿勢は見えなくなります。

 

航空会社ランキングでカタール航空は、2010年 3 位、2011年 1 位、2012年 1 位、2013年 1 位、2014年 2 位です。過去5年平均では明らかに世界一です。航空会社のサービスを何社も総合的に比較できる個人は、そうとう稀でしょうから、これは人気以外の何物でもありません。

 

同じ地域にある競争相手のエティハドが、スカイトラックスを気に入らないのも理解できます。