PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

バスに近い国際線:東京のアジア便

一般の人が高頻度に飛行機を使うためには、運賃がそこそこ安く、本数がそこそこあり、到着地がそこそこ便利な場所であることが条件になります。また運行もそこそこ正確なことが必要です。つまり路線バスのような存在でなければなりません。

 

JALANAの国内線は、運賃以外ではその役目を果たしています。

 

LCCはバスが競争相手などと言われますが、これは運賃だけの話。空港が不便だとか、本数が少ないとか、遅延・運休がひどいとかいう話は、単なる噂でしょうか。都市間の中長距離バスと比較できるLCCはどれだけあるでしょうか。

 

国際線においては、一航空会社による一路線の多頻度運航は、それほど多くありません。8月現在、東京との間に毎日5本以上運航させている例には、CIによる台北便、CAによる北京便、KEによるソウル便、CXによる香港便、SQによるシンガポール便が挙げられます。

 

(1) CIの台北便(松山、桃園)

値段も安く、チケットも取りやすいのでその点は問題ありません。毎日、羽田-松山が2便、成田-桃園が3便です。往復とも朝発2便と午後~夕方発3便と運航している時間帯がやや偏っています。昼頃にもう1便増えればバスと比較されるようになると思います。そのためには利用者が増える必要があります。

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東京-台北の所要時間は4時間ほどなので、週末旅行にはちょうど良い距離です。さらに桃園からは、アジアを中心にまずまずの数の就航都市があります。現地滞在1日で割引チケットがあると、個人的にはもっと利用します。

 

(2) KEのソウル便(金浦、仁川)

格安ツアーで相変わらずよく使われていると思いますが、毎日羽田4便、成田4便と本数は一番です。

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羽田と仁川を結ぶ便も毎朝1便あります。

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行きは朝3便、昼3便、夕方2便、帰りは朝3便、夕方4便、夜1便という感じで、まずは頻度も十分です。ICNからはかなりの数の都市に就航便があるので、利便性も悪くありません。かなりバスっぽく使えそうです。最近、日本から韓国への渡航者が顕著に減っているそうですが、路線を維持できるでしょうか。

 

(3) CAの北京便

東京と北京の人口を考えると、本数は多いとは言えません。

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むしろまばらな気がします。この航空会社の利用での問題点は、遅れが常態化していることです。これらの便をGoogleで調べるとよく赤くなっています。空港の問題が大きく、しばらくは解決しないでしょうから、時間に余裕を持って行動しないといけない所が難点です。

 

(4) CXの香港便

自称アジアの世界都市の香港まで、毎日7便(羽田2便と成田5便)運航されます。1,800 マイル以上あり、他の似た立場にある航空会社と比較すると、この便数は顕著に大きいと言えます。タイ航空(TG)、シンガポール航空(SQ)は1日5便です。しかもTGは1本運休しています。いつの間にか、CXは頭一つ抜き出てしまいました。

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直行便は、朝出発、午後到着便が3つ、夕方出発、夜到着便が3つです。羽田を深夜2時頃出発して香港に6時頃着く便があれば、言うことありません。

 一方香港からの帰りは、次の様になっています。

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深夜発、早朝着便が1つ、朝発、午後着便が3つと午後発、夜着便が2つです。こちらは文句ありません。

 

行き帰りとも昼頃にもう1便あるとさらに利便性が上がりますが、贅沢というものでしょう。

 

また、その気があれば香港から世界各地50か所以上に乗り継げます。(JALの国際便就航都市数36より多い。)KEのICN便は毎日5本で、そこから先の国際旅客便の就航都市は日本を除いて80ほどあります。CXは待ち時間の調整で少し有利になりますが、渡航先の数ではKEに劣ります。

 

CXでは、料金の柔軟さや購入のしやすさも目立っています。総合的には非常に使いやすい航空会社です。CXもバス並みの利用が可能です。

 

(4) SQのシンガポール便

毎日成田から2便、羽田から3便です。行き帰りに共通するパターンがあり、朝出発が2便、夜到着が1便、夜行便が2便です。

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東京-シンガポール間は3,300マイル、7時間と遠いのですが、夜行便の2便はそれを逆手にとった形です。まずまず使い勝手が良い時間帯で、シンガポールは行きやすい都市になっています。NRT-SINに午後2時頃の、SIN-NRTに午前11時頃の便があれば、バスっぽかったのですが、そこまでは要求できません。また我がままを言えば、SQ6381の成田8時着は遅すぎで、朝一番の到着になれば完璧です。またSQ11の午前3時着も少し遅いと楽になります。

 シンガポールからは、(日本を除いて)60都市ほどに就航便があるため、乗継ぎも便利です。空港の評判も高く、強力な航空会社です。

 難点は航空券が高いことでしょうか。IFEの充実は目を見張るほどだし、各キャビンのシートも評価が高く、機内サービスも大変良く言われています。料金には多少目をつぶらないといけないでしょう。

 

こうしてみると、長距離バスのような発想で使えそうな国際線は、KE, CXぐらいでしょうか。SQは時刻と所要時間の関係から、便を入れるのが難しい時間帯が大きいので、現状でも利便性は十分だと思います。

 

いずれにしても、東京はかなり便利な都市ですね。