パリOrly空港、Hall 1の20番ゲートです。キヨスク(Borne Libre-Service)が中央に並び、両脇がチェックインカウンターです。奥がセキュリティチェック。鉢植えとゲートで囲まれたスペースが、人の列でいっぱいになることがあるわけです。あまり想像したくありません。ゲートはすべて自動改札になっています。一番右の赤いゲートはSky Priority用です。
ここはAir Franceのフランス国内線専用で、セキュリティの先は、20A~20Lの搭乗ゲート用待合室です。中央の広告用の大画面の両脇に、La Navette(シャトル)とこれ見よがしに掲示されています。Air Franceはパリー国内各都市間の路線のパターン化を進めています。
とはいうものの5~60分程度の遅延はいつものこと。今回も下記表示にも関わらず、アナウンスがあり、20:15の搭乗開始となりました。
客が良かったようで搭乗はすぐ完了、定時の5分前にはゲートを離れることができました。搭乗率は60%台でしょう。客層は搭乗の印象を左右する大きな要因です。
さて機材はA321。A320の兄弟の中では、一番長身です。
国内線や短距離欧州線用の薄型シートです。このシートはよくできていて、疲れません。リクライニング機能を含め、無駄なものが一切ないのにけち臭さを感じません。ただ開発されてからそれほど経っていないのに、クッションがへたり気味でした。
途中で日没になりそうな便は、やはり西側の窓側席がお薦めですね。Bordeauxは南南西の方向にあるので、A席ではなく、F席が夕焼け席です。今回はたまたま日没時に当たったので、窓からの光景を時間を追って撮ってみました。時系列に並べます。
ひねくれ者のフランス人にも、夜は訪れます。
しかし、そこはフランス。西から太陽が昇ります。時は20:45から20:50。C'était l'heure, où le jour chasse le crépuscule.と残したのはHugoですね。さすがの文豪も、それが文字通り起こるとは思わなかったでしょう。
このphraseは簡潔で力強く、平易と、なかなか男性的。単語の意味と時制だけで奥行きのある世界が広がります。大した飛行能力のない19世紀でしたら。
「沈まぬ太陽」のJALに対して、「西から昇る太陽」のAir France。映画のタイトルにもよさそうです。
少し昇ってきますが、雲海に隠れ全体像は見せません。残念ながら、再び沈んでいきます。
離陸後の上昇が「超常現象」の原因だと言ってしまっては、身もふたもありません。
「機内食」が配られます。夕刻だからか、スナック類を2つ置いていきます。世評に反して、気配り上手なAir France。
外を見ると、さすがにとっぷりと日が暮れています。エアバスもHugoも地球の自転には抗えません。
Bordeauxの到着はHall B。預入荷物のターンテーブルには、この地方ならではの広告塔が、鎮座しています。
Château Pougetが睨みを利かせます。このボトルの形は、ガラス瓶が手吹きの時代(1940年代までは結構見かけます。)のものです。現代のBordeaux型でないのは、懐古趣味だと考えた方がよさそうです。
背後の金色ラベルはChâteau d'Issan。空港が表玄関なのはいずこも同じ。Bordeauxでは知らない人がいないような「貴族」ワインが大きく広告を出します。