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エーゲ航空 マイルズ&ボーナス改革後のゴールド会員資格の維持

新制度下でゴールド会員を維持、取得することは、どういうことになるのか、少し考えてみました。と言うより、考えざる得ませんでした。いわゆる修行の提案ではなく、いろいろな旅のスタイルの中で、どの程度の遠回りが必要なのか、どういう影響がでるのかという立場で考察しています。

 

Miles & Bonusの長所はマイル積算率が良いことですが、これには変更はないと言っています。したがって今まで通り、格安エコノミーでもかなり効きます。これは吉報です。

 取得も維持も、エーゲ航空(A3)を利用すると必要マイル数は半分になりますが、A3は欧州の地域航空会社です。偶然にも東アジアや東南アジアの主要都市から欧州の主要都市への距離は6,000 miles前後で、ゴールド維持の条件は12,000 milesでした。したがって欧州に飛び、そこからA3を使えば、ゴールド維持は一発です。例えば

 

「東京からLH, SK, LX, OSなどで中欧の都市(たとえばFRA, VIE, CDGなど)へ飛んで、そこからアテネ経由でギリシャの都市(たとえばテッサロニキ)へ行く。」

 

という旅では、往復で12,000 miles、エーゲ航空4搭乗に達します。費用は低い時で14~15万円ぐらいでしょう。会員資格維持のために、oneworldやSky Teamの利用をStar Allianceの会社に変更し、週末はイタリアに向く足をギリシャに変えるぐらいで済みます。

 

こう考えると、もともと

・年に2回以上欧州に行き、毎回2都市以上滞在する

・域内の移動も航空機を使う

人の場合、ゴールド会員の維持は特になんということはないでしょう。

 欧州渡航が年間1回の方では、実施するには束縛感が付きまといますが、それでも全く無理はありません。

 

アジア域内で必要マイルを消化するとなるとどうでしょう。東京ーシンガポール、東京ータイがそれぞれ3300、2800 milesです。A3を利用しないと基準が24,000 milesになるため、4往復必要です。この場合、費用は30~40 万円になります。あまり安くありませんし、時間も必要です。太平洋横断の場合では、2往復半。費用は少し低く目になりますが、状況は大して変わりません。

 

会員の置かれた状況によって、維持が楽かどうか大きく変わるプログラムになってしまいました。上記の2条件を満たす人には、相変わらず他のどの航空会社よりもスターアライアンス・ゴールド会員資格の維持が楽なはずです。

 

それでは、新規ゴールド会員になる場合はどうかと言うと、まずシルバー会員にならなくてはなりません。その条件は、ゴールド会員の維持とほぼ同じです。シルバーになった後、1年以内に24,000 miles+エーゲ航空4搭乗をこなさないといけません。ゴールド会員資格の取得は、資格1年延長の3倍の搭乗を2年間で行うことになります。

 

ゼロからスタートする人は、トルコ航空も基準が低いので候補に挙がります。ここのElite会員の資格取得と維持に関しても、場合分けが必要ですが、おおざっぱに言って新規で40,000 miles/年、維持で25,000 miles/年が必要です。後者は2年間に37,500 milesでもOKです。スターアライアンス各社の搭乗で良かったはずです。

 

特にヨーロッパへの渡航が多いわけでないなら、地勢的に似ており、自社路線網が充実しているトルコ航空の選択が有利でしょう。日本便を持っている点は非常に重要です。ただしマイルの加算率はA3と異なるので、事に移る前に、具体的なケースを検証する必要があります。

 

A3ゴールドは到達に40万円強、維持に毎年15万円弱かかります。毎年それなりに搭乗しない人間には、わざわざ上級資格を得る必要性は乏しいように思われます。ANAにはSFCという制度があり、飛行機に乗らない人にはこの制度の方が長期的には安上がりです。ただしマイルの積算率はA3よりたいてい低いので、どんな人にも得かというとそんなことはありません。またスターアライアンス・ゴールド会員資格と言うことに絞れば、年に4回欧州に行き、年20発は域内で移動するような人には、SFCはクレジットカード代を払うだけ、ばかばかしく思えるでしょう。

 

こうして考えてみると、Miles & Bonusを選択する理由のある人は限られ、A3人気も鎮静に向かいそうです。ただ現在ゴールド会員の方は、安目の欧州旅行1度で更新できるので、一度ぐらい試してみるのが良いようにも思えます。何か発見があるかもしれませんし、再びゼロから取得するには、ハードルはかなり高くなります。

 

エーゲ航空は、自社便にとにかく乗ってもらいたいようです。シルバー会員、ゴールド会員のシートアップグレードの回数はそれぞれ年間2回、年間4回です。会員資格維持を助けるための搭乗回数に一致します。加えてシルバー会員は年4回までラウンジも利用できます。上級会員の資格維持をバックアップしようという意図がありありと見えます。自社便にわずかな回数乗れば、維持は著しく簡単ですが、乗らないとお隣のトルコ航空より大変なのでなおさらそう見えます。

 低いハードルで国際的に有名になり、FFP会員を集めたのは良いのですが、案の定、自社には乗ってくれないので困っているという見方もできます。しかし私は、エーゲ航空が2010年6月にStar Allianceに加盟した時点で仕組まれたFFP戦略であったと見ます。小さな地域航空会社が発展するために、異常に低いハードルで多くの特典に手が届くようにし、世界中から会員を集めたところで、自社便に搭乗するように仕向けるという戦略。非常に狡猾ですが、後から思うと仕掛けがちらほら見つかります。