PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

マレーシア航空 アップグレード・オファー

サービスで定評があったのに、不幸な事件(事故?)が重なり、客足が遠ざかっているMalaysia 航空。もともと民間会社とは言えず、効率の悪さが問題になっていた時期だったため、タイミングが悪かったとしか言いようがありません。この特色のある航空会社、行き詰っては世の中がつまらなくなります。

 とにかく搭乗者が増えなくては始まりません。私も微力ながら役に立とうと、予約を複数入れました。ここのサロンケバヤはSQほど抵抗ないし...。

 Ukraineの事件について思うのは、事件当時、British Airwaysがその上空の飛行をすでに避けていたことです。一方、Iraq上空は米国空軍の作戦開始まで通常通り飛んでいました。これはインテリジェンスの働きによるものではないかと思います。高度10 kmの飛行に脅威を及ぼす対空兵器が前者にはあり、後者にはない(あるいはあっても誤射の可能性が無い)という情報が政府内、航空会社で共有され、リスクを正しく評価していたと推測します。イラク上空の飛行を中止したのは、米軍の作戦遂行の邪魔にならないためでしょう。本当に想像の域を出ないのですが、もし真実だったら、こういう情報や評価は他国の航空会社にも共有されるべきではないかと思います。大型旅客機の墜落は、人的被害もさることながら、世界的な航空旅客の減少を招きます。他社の墜落の回避もイギリスの利益にかないます。もっともMalaysia Airlinesが危険性を知らされており、リスクを過小評価していた可能性も高いのですが、詳しくはわかりません。

 

前置きはここまでにして、本題。来年1月にはエコノミークラスの予約を持っているのですが、アップグレードのお誘いが来ました。

 

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Cathay Pacificや、SriLankan Airlinesで行われているサービスに似たものなのでしょうか?Malaysia航空にこういうサービスがあるとは、知りませんでした。面白そうなので、GET UPGRADEDEをクリックしてみると、ビジネスクラスへのアップグレードのオファーでした。こちらから値段を提示する形になっています。上限値と最低値は与えられており、NRT-KUL間では、1万6千円ぐらいが最低、4万9千円が最大でした。物は試しに、NRT-KUL間、KUL-NRT間にだけ、適当な額をビットしてみます。KUL-BKK間は短いのでエコノミーで固定します。

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合計で6万円以上出したら、最初から4フライト全てをビジネスクラスで予約できています!ばかばかしいので、この点は要注意です。が、冷静に考えると、4便全て最少額を提示しても、予約の支払金額とその時のビジネスの最安値との差額の60%にはなります。したがって、非常に得かというと、そんなことはありません。

 アップグレードがかなわない場合は支払いは生じません。ビットの確認メールが届きます。

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オークションとは一言も言っていないので、どう決定するのかさっぱりわかりません。また72時間前までに結果の通知がないことは明らかですが、いつまでに知らされるかは不明です。原理的にはチェックインで結果の開示ということもありえます。オプションタウンよりもサプライズになります。航空会社にとっては最も都合が良いやり方ですが、乗客の負担が大きくなるわけではありません。

 ビジネスに空きがある限り、提示額の順にアップグレードさせるだろうと、私は予想しています。第一の理由は、最少の提示額でも、エコノミーとビジネスの機内消耗品の経費差は楽にカバーできるはずで、少しでも売り上げを上げる方が合理的だからです。第二の理由は、この航空会社の現状では、ビジネスクラスプレステージ性を持たせるマーケティングは不適切で、むしろ金払いの良い客を対象に、良質なサービスを経験させる方が得策だからです。日本でもビジネスクラスプレステージ性は、すっかり消失してしまいました。

 将来、評価が戻ってきた時のためにファーストクラスを残しておけば、イメージ形成、ブランド形成には十分でしょう。

 

元々この予約では、隣席ブロックのバルクヘッド席を指定しています。追加料金は大きくなかったので、FFP上級会員向けのサービスだと思われます。

 このアップグレードは、当たっても、外れても、7時間のフライトを楽しめそうです。傍目からは航空会社の良いカモに見えるでしょうが、なかなか面白く、その結果、会社が収益を増やしても歓迎できます。旅行は楽しくないと。

 

(10月28日追記)詳細が発表されました。例によってマレーシア航空は英文なので要点をまとめました。