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バス代わりの飛行機

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エールフランスの新ビジネスクラスシート

un cocon en plein ciel(空中の繭)と名付けられたAir France(AF)の新しいビジネスクラスシートです。6月にNY便でデビュー、遅々として導入が進んでいないという話を聞いていたのですが、来週火曜日から羽田に来ます。今週末(土~月)の展示会とは、見事なタイミングです。

 

Le Grand Palaisのexpositionは混み過ぎ、ろくに見られなかったので、復活戦です。結論から言うと、このシートは抜群に良くできていると感じました。物理的にはコンパクトなはずですが、それが「お籠りが心地よい空間」に化けています。デザインの妙でしょうか。またすべての機能に手が届きやすくできています。un cocon の名はダテではありません。仏語にはcocoonerと言う動詞もあります。社会現象を語るのに良く使われたのですが、「カウチポテト」と同様、最近は見かけなくなりました。

 

開口部は大きいのですが、普通の視野からは、中の様子はわかりにくく作られています。シート側からは、ほどよい開放感を感じます。

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シートポジション調整ボタン+読書灯ボタン、テーブル、マガジンラック、IFEコントローラー、ノイズキャンセリングヘッドホンが収納されている小物入れ、読書灯と、ビデオスクリーン以外のすべての機能は、この視野の中に納まっています。

 

一方、天井から眺めない限り、全体像はつかめません。AFが発表した時点でのCGがあるので張り付けておきます。

Best & Beyond : La Première : Air France - Corporate

(日本では御簾のあちらにおわす新ファーストクラス殿も紹介されています。)

 

フルフラットになります。全長196 cmのベッドと言うことですので、たいていの人間が難なく収まります。座席幅は72 cmあります。足入れのスペースも、かなり大きなものでした。全体的に余裕があるので、寝返りが打てそうです。

 

シート・ポジションを変えるボタンは非常にシンプル。高級オーディオの操作ボタンのようです。3つしかありません。手前の1つは読書灯スイッチです。

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体格の個人差を無視した人間工学的に疲れにくい姿勢と、各人が「楽ちん」と考える姿勢では、どちらが正しいか微妙な所でしょう。しかし、シートの各部分を個別に調整する乗客は少ないでしょうから、この程度のボタンで十分なはずです。シートの動きは、恐ろしく滑らかでした。高級感すら感じます。

 どのようなシートポジションにしても、このボタンは操作しやすい位置に来るでしょう。これも長所の一つです。

 

このシートのポジションボタンの下のスペースにテーブルが収まっています。

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写真前方下部に引き手があり、それを引かない限り収納スペースからは出て来ない仕組みになっています。二つ折りの状態から広げると、従来の25%増しの大型テーブルです。このテーブルの動きも滑らかそのもので、高級感を醸し出します。

 

小物入れというか、キャビネットの一部にヘッドホンが収納されています。扉の内側には「使える」鏡があります。

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黒いバンドは小物をかけたり、押さえたりするためのものです。

 

IFEのコントローラーは液晶で、進化した印象を受けます。しかしさらに興味を引いたのが読書灯でした。

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シリカゲルを詰めたような窓はLEDで、くぼみを押すとこの円形部分が傾きます。壁面内で回転させ、照明方向を変えます。従来の「シートから生えている」タイプは、確かに美しくなく、邪魔にもなります。埋め込み型にすることにより、空間効率(いかに狭い空間に機能をおしこめるかとか、人をおしこめるかとか)も高めています。これはすばらしいと思いました。

 

ビデオスクリーンは16インチ。左上銀色のボタンは、押すと飛び出る小物用フックで、左下はスクリーンのリリースボタンです。スクリーンは左側を軸に右側が手前に動きます。

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 IFEも少し充実したと、どこかのWebサイトで読んだ記憶があるのですが、今回は試せませんでした。説明をしてくれた方は、「日本語でお楽しみいただけます」を強調していました。欧州組は、日本語環境で著しく不利なことを良くわかっています。

 

高価な素材を使っているわけではないのですが、高級感を感じました。各部の動きが滑らかなことや、プラスチックの仕上げ、全体のデザインのおかげでしょうか。

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シートのAFのマークは、この会社の新しいデザインの要になるようです。大きさや位置に関して、新発売のスーツケースと受ける印象が共通しています。

 

寝具とアメニティは、見ること叶いませんでした。

 

先週のGaruda Indonesia航空の時にも感じたのですが、ビジネスクラスのシートは従来型より、シンプルになっています。反面デザインとか、椅子やベッドとしての性能は高くなっているように感じます。今後は多機能化からの「振子の戻し」が潮流となりそうです。eierlegende WollmilchsauはLufthansaで終焉を迎える?

 

おみやげは潔いと言うか、おそらく経費ゼロ。

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ある意味ボールペンより価値が高いので、これはこれで良いのではないでしょうか。

 

アンケートに必要事項(=「個人情報」の婉曲表現)を記入して、従業員に渡すと東京ーパリのビジネスクラス往復チケットが当たります。Air France-KLM、Flying Blueはすでに5つのアドレスを使って広告メールを送ってきています。なぜ指揮系統がこんなに複雑なのか良くわかりませんが、これ以上増えるのも鬱陶しいので、私はアンケート部分だけで遠慮しました。もちろん肯定的な意見しかありません!

 

もらったパンフレットによるとAF・JLのコードシェア便は、新千歳、小松、名古屋、伊丹、岡山、広島、松山、福岡、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、那覇と羽田の間に飛んでいます。ということは、これらの都市から羽田経由でパリへ飛べるということです。日本の空はスカイチーム不在ですが、AFについてはBritish AirwaysLufthansaと変わらないハブ・アンド・スポークを手にしています。羽田国際化の恩恵を最も受けた航空会社の一つでしょう。販路を広げる準備は整っています。AFの日本支社の頑張りにも期待したいところです。

 

なお展示は、明日月曜日21時まで新丸の内ビルの1階(写真の湾曲した角の右側すぐの場所)で行われています。

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こんなガラス張りの店の中にシートが一つだけ展示されています。

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