PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

フライングブルーの仕組み(その3):特典マイル

(1)特典マイルの概要

 

無料航空券に交換できるマイルをアワードマイル(Miles-prime)と呼びます。これは会員資格の基準となるレベルマイル(Miles-statuts)と以下の点で異なります。

・レベルマイルに会員レベルで異なる係数をかけて算出

SkyTeam以外の提携航空会社の利用でも積算可能で、計算はSkyTeamの場合と同じ

20ヶ月間に一度のレベルマイル積算で、マイルの期限が無限に延長可能

・20ヶ月間、レベルマイルの積算がない場合は全マイルが失効

・航空会社以外の提携会社の利用でもマイルが加算

・マイルは購入可能

・プロモアワードは月替りで、特典航空券のマイル数の割引区間を設定

 

会員レベルで異なる係数は、

Ivory:1.00, Silver: 1.50, Gold: 1.75, Platinum: 2.00

です。Flying Blueでは、マイルボーナス 0%、50%、75%、100%と言っています。

 

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(2)特典マイルのお得度

 

そのマイレージプログラムが得かどうかは、

フライト加算マイル

特典必要マイル

特典の取りやすさ

の3点から判断されます。最後の点は、公表されませんし、おそらく頻繁に調整されています。最初の2点は他のFFPと比較できます。

 割引運賃であるキャビンに何回乗れば、同じキャビンの無料航空券が得られるかは、一つの判断基準になります。10~12回搭乗して、1回無料になるなら普通だと思います。

 

ためしにAFを使って東京からパリ経由ローマへ旅行する場合を考えます。定期的に旅行するとします。レベルマイルは以下の表のようになるでしょう。

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ところで、1暦年に所定マイルを貯めると会員レベルが上がりますから、これも考慮しなくてはなりません。それぞれの会員レベルになるための1年間の搭乗回数は、

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となります。回数規準で会員レベルに到達することはとりあえず無視します。

 このような場合に、何回搭乗すれば同じキャビンクラスの往復無料航空券が得られるか計算してみました。会員レベルで異なります。

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ビジネスクラスを使う場合は、かなり無料航空券が近いことがわかります。会員レベルがGoldだと、何と6往復半で無料航空券です。ファーストクラスも悪くありません。Platinum会員だと7往復半です。

 ところがエコノミーは悲惨な結果です。Ivory会員だと、24回往復してようやく1回無料航空券が得られます。「う~ん」と唸るレベルです。もしGold会員になっていれば13往復半ですから、許容範囲です。しかしこの搭乗パターンで考える限り、搭乗マイルでGoldに達するためには月一回のローマ通いです。マイルより先に搭乗回数でGoldになります。

 エコノミークラス利用でマイルをため、無料航空券を得るためには、搭乗回数で上級会員になる必要があります。

 

ファースト利用者のマイル積算はすさまじく、年に2回この旅程をこなしていると、1年でエコノミー往復無料券2枚にわずかに届かない(あと232 miles)程度のマイルになります。行先がBudapestなら晴れてエコノミー往復無料券2枚分(160,248 miles)です。ビジネスの無料航空券1枚は2往復半で得られます。とにかく金持ち優遇なのでした。

 

ためしにANAの場合HND-FRAで計算してみると、

エコ割50、エコ割ユース、エコ割スペシャル:30%加算で一往復3,556 miles

日本ー欧州の往復には、レギュラーシーズンで55,000 miles必要ですから、15往復半で1回無料航空券が得られます。ビジネスの場合は、

ビジ割スペシャル:70%加算で一往復8,298 miles(概算)

日本ー欧州の往復には、レギュラーシーズンで85,000 miles必要ですから、10往復半で1回無料航空券が得られます。

 SFCだと35%のマイルボーナスがあるので、エコノミー利用者で11往復半必要、ビジネス利用者で8往復必要となります。年末年始や夏休み期間だとハイシーズンになるので、必要マイルは10,000 milesづつアップするので、エコノミーで2~3往復、ビジネスで1往復増えます。また来年4月から、ビジネスへの無料航空券は少し厳しくなります。

 ANAとの比較すると、エコノミー利用ではANAが圧勝、ビジネス利用では同等です。しかしANAの場合マイルの有効期限が3年で、その間に15往復しなければならないと言うと、あまり現実的ではなかったりします。

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Flying Blueではビジネスやファーストの無料航空券の予約は非常にとりやすいようですが、多数の顧客が滅多にマイレージの恩恵を受けられないのですから、当然です。

 

結論としては、ビジネス(やファースト)にガンガン乗る人は、普通の感覚かそれ以上にマイルがたまります。予約は取りやすいので、非常に有利なFFPです。一方大部分の人はコツコツ貯めて、使いたい時に使うというのがFlying Blueとの正しい付き合い方のようです。もちろん、私は恩恵を滅多に受けられない層に属しています。

 

(3)Flying Blueは年に2回ぐらいマイル販売にボーナスが付き、これは最大50%になります。上級会員はマイル購入の上限が無く、ボーナス上限は50,000 milesのことが多いようです。100,000 miles購入すると150,000 milesになりますが、これは2,000 EURなので、マイル単価は1.66 セントです。安いのです。ファーストクラスの無料航空券を得るためには100万円ぐらいマイルを購入することになり、数十万円節約できます。ビジ ネスクラス以下では航空券を買った方が安くなります。

 

(4)月替りのプロモアワードでの特典航空券のマイルの50%引き、25%引きは見逃さないようにすることも肝要です。欧州内を除くと、CDGかAMSと世界各都市間の便に関する割引のようですが、エコノミー、プレミアムエコノミー、ビジネスがまんべんなくあります。半分ならFlying Blueは、むしろ気前が良いFFPになります。

 日本の都市を対象とした11月のキャンペーンは、KIX-AMS, KIX-CDGのビジネスが50% off(片道50,000、往復100,000 miles)だけです。搭乗期間は1月から3月です。昨年、一昨年もKIXは同様のキャンペーン対象になっていました。Promoのページは毎月チェックする価値があります。毎月中国からは何れかの都市で、CDGまでのビジネス50% offが設定されているようです。

 

(5)特典マイルの有利な使い方

 

プロモアワードで無料航空券。これに尽きます。

 

・通常の無料航空券(クラシックアワード)では、

 

   インド洋(セイシェル、レユニオン)、南アフリカマダガスカル

 

などが欧州と同じ、つまりエコノミー80,000、ビジネス200,000マイルで、

 

   CDG, AMS経由の南米

 

は、エコノミー100,000、ビジネス250,000マイルなので、幾分ましな使い方です。

 

・無料航空券は片道発券が可能。必要マイル数は往復航空券の半分。ファーストクラスは、体験したいだけという人がほとんどでしょうから、これは利用価値大。

 

裏ワザです。羽田ーパリ便の新しいビジネスクラスも、JMCから予約できます。10月に導入された機材はAF293とAF274として運行されていますが、共にJALコードシェアしています。試しに2月で調べてみたら、普段通り空席があります。

JALの割当てが最大4席もあること

*多くのJALの顧客には、JALの運航が重要であること

*SS7は例外的なレベルにあり、人気が高いこと

から、JMCでAFのビジネスクラスが取りやすいのは、今に始まったことではありません。もちろんFlying Blueからの予約では、取れない日が例外的なぐらい取りやすいのですが、一方でJMCからは必要マイルが往復85,000(半分以下!)です。JMCのマイルの期限は3年なので、使い道に困った時はAFの新ビジネスクラスをどうぞ。

 

・アワードマイルを使った特典は、その他にも多く用意されています。アップグレード特典はそれなりに多くのマイルを必要とします。普通は無料航空券で使うでしょうから、マイルを商品に変える方法などは省略します。