2016年版として以下の全ての内容を更新、まとめ直しました。
2016年版スターアライアンス・ゴールド達成、維持しやすいFFP(その1) - バス代わりの飛行機
2016年版スターアライアンス・ゴールド達成、維持しやすいFFP(その2) - バス代わりの飛行機
2016年版スターアライアンス・ゴールド達成、維持しやすいFFP(その3) - バス代わりの飛行機
結論からすると、エーゲ航空、トルコ航空、エジプト航空では、あまり差がありません。個々の会員がどういう航空会社を使い、どういう旅行をするかの方が*Gの獲得、維持には大きく影響します。(2015年11月)
以下の記事を読む方は
スターアライアンス・ゴールドの黒馬(他社利用時のマイル) - バス代わりの飛行機
も参照ください。
Star Alliance(SA)の加盟航空会社の上級会員は、連合内他社でも上級会員として迎えられます。共通の会員レベルとして、GoldとSilverの2段階があります。
このうちSilver会員の特典は
・優先空席待ち予約
・空港での空席待ちの優先
です。非常時の備えという感じで、平時には目に見える優待ではありません。一方Gold会員はこれに加え
・空港での優先チェックイン
・空港ラウンジへのアクセス
・優先搭乗
・手荷物許容量の追加
・手荷物取扱いの優先
と至れり尽くせりです。SAは世界最大の航空連合。SA Gold会員になると、世界中で厚遇を受けられます。そこでもてはやされたのが、段違いに簡単にSA Gold会員になれるエーゲ航空のMiles & Bonusでした。しかし、来週11月24日より新プログラムに移行、状況は一気に困難になります。これは
エーゲ航空 マイルズ&ボーナスの制度変更 - バス代わりの飛行機
で記事にしたので、今日は隣の芝生を見てみます。
つまりSA Gold達成と維持が簡単な他のFFPです。そもそもあるのでしょうか。エーゲ航空の新プログラム、Miles+Bonusと比べるとどちらが良いのでしょうか。
1年間で50,000 milesの資格マイルを積算し、会員資格期間が1年+αになるというのがSAの平均レベルで、Miles & Moreのように100,000 miles獲得が必要なところもあります。アシアナ航空のAsiana Club、トルコ航空のMiles & Smilesは「易しい」という噂があるので、エーゲ航空と比較してみました。
アシアナ航空 (OZ):Asiana Club
会員レベルは下から、Silver、Gold、Diamond、Diamond Plus、Platinum。Diamond以上がSA Goldです。
Diamond会員への到達・維持条件は、2年間にSAのフライトで40,000 milesまたはOZで50フライトとなっています。会員有効期間は2年です。
会員年度初頭、極めて短い期間に40,000 miles飛んだら、約4年間のSA Goldの資格が得られます。
トルコ航空(TK):Miles & Smiles
会員レベルは下からClassic、Classic Plus、Elite、Elite Plus。Elite以上がSA Goldです。
Elite会員への到達条件は、1年間にSAのフライトで40,000 miles積算です。会員有効期間は2年です。更新にはElite資格期間の最初の1年で30,000 milesか、2年で45,000 milesのフライトが必要です。ただしトルコの外に住む会員の場合、このマイル数はそれぞれ25,000、37,500となります。
エーゲ航空(A3):Miles+Bonus
復習になります。会員レベルは、下からBlue、Silver、Goldで、GoldがSA Goldです。Gold会員になるためには、Silver会員が1年間に
・SAのフライトで48,000 miles積算するか、
・A3とOlympic航空(OA)の4搭乗を含むSAのフライトで24,000 miles積算する
必要があります。会員有効期間は1年です。資格更新には1年間の内に
・SAのフライトで24,000 miles積算するか、
・A3とOAの4搭乗を含むSAのフライトで12,000 miles積算する
必要があります。
SA SilverであるSilver会員になるためには、1年間に
・SAのフライトで24,000 miles積算するか、
・A3とOAの2搭乗を含むSAのフライトで12,000 miles積算する
必要があります。Silver会員資格も有効期限1年です。したがってゼロから始めるとSA Gold到達は大まかに言って、
・2年間で36,000~72,000 miles(A3やOAのフライト6~0回を含む)
となります。
OZでは20,000 miles/年のフライトを2年続ければ良いので、最もSA Gold会員が近いFFPだと言えます。ただし更新はTKの17,500 milesには敵わないし、A3またはOAの4搭乗が前提ですが、A3では12,000 milesとさらに簡単です。
もっともマイルの積算率は航空会社によって異なるので、それを考慮しないと意味がありません。いかに簡単にSA Gold会員になるかがテーマですから、エコノミーの安い予約クラスが大切です。
そこで日本で安い航空券が手に入るトルコ航空(TK), アシアナ(OZ), タイ航空(TG), SAS(SK), ユナイテッド(UA), エバー航空(BR)と、安くありませんが良く使われるANA(NH)の予約クラスと各会社の積算率を一覧にしてみました。
A3, TK, OZの比較に加えて、平均的FFPの基準としてNHも並べてあります。
まずはトルコ航空に搭乗する場合。
自社とはいえ、TKの積算率が最も高くなりました。格安だけでなくほとんどの予約クラスでもっともマイルが積算されます。次点はA3です。同じ~数割減と言ったところです。次はアシアナを見てみます。
OZも格安運賃では、自社のマイル加算率が最も高くなります。TKの積算率が続きます。A3はOZの数割減というマイル積算になります。さらに東南アジアから人気者のタイ航空です。
低い料金から正規料金まで、エコノミーではA3, TK, OZが全く同じ積算率です。残念ながら国際線のV/Wクラスは、どこでも対象外です。
最近LCC化が著しく、比較的安く欧州へ飛べるスカンジナビア航空では、
A3が圧倒的に有利、OZの2倍、TKの4倍マイルがたまります。このことは日本在住者にとって2つの意味で重要です。
・A3搭乗を行うためには欧州へ飛ばないといけない
・日本ー欧州の距離は大きいため、マイルを一気に稼げる
A3のSA Goldは、到達も維持も、SKとの組合せが基本になりそうです。
最近元気のないユナイテッドではどうなっているかと言うと、
TKとOZでは格安エコノミーが100%加算なのに、A3ではその半分です。A3は予約クラスQとかV以上では、有利になるのですが、SA Goldを安く得ることに関しては圧倒的に不利です。A3はエバー航空についても、TKやOZの後塵を拝しています。
(追記) その後Unitedは格安エコノミーの加算率を改定、TK, OZでの加算率が低くなりました。A3と比べた時に目立った違いがなくなりました。
皆んな文句は言っても、結局乗っているANAの場合は
T, L, Kと言った安いクラスでは、A3, TKが並びます。OZは少し落ちます。少し高くなるとA3有利で、TKやOZの数割増しと言うところです。NHは自社便にも関わらず、最安値以外では負けています。
航空会社別にみると、安い予約クラスでは
A3有利:TG, SK, NH (到達条件:2年間に36,000~72,000 miles)
(維持条件:毎年12,000~24,000 miles)
TK有利:TK, TG, UA, BR (到達条件:1年間に40,000 miles)
(維持条件:2年間で37,500 miles)
OZ有利:OZ, TG, UA (到達条件:2年間で40,000 miles)
(維持条件:2年間で40,000 miles)
でした。
新たにSA Gold会員になることを考えます。数字の上では36,000 miles(2年間)とエーゲ航空が最も容易になりえますが、その場合Silver会員に経てGold会員になるという2段階の手順を踏むこと、各段階でギリシャを経由することと、制限が多くなります。一方、OZは40,000 miles(2年間)必要ですが、搭乗はSAのどの会社でも良いので、こちらが簡単だと思います。維持に関しては、SKで渡欧してA3を利用すれば一発OKですので、エーゲ航空が簡単でしょう。OZやTKの必要マイルは、一発の旅で稼ぐのは苦しいと思います。
まとめると、SA Goldの達成は、
易← OZ > A3(SK+A3・OA)> TK >> A3 ~ 普通のFFP →難
アシアナの自社エコノミーは積算率が高いので自社便で、安く、少ない時間でSA Goldに到達できそうです。一方SA Goldの維持は、
易← A3(SK+A3・OA)> TK > OZ > A3 >> 普通のFFP →難
となるでしょう。私のように旧条件でA3 ゴールドを取得した日本人は大勢いると思います。しかし今後は
・新規取得ならアシアナ
・長年に渡る維持も考えるとトルコ航空
・毎年ギリシャに行くことが可能で、現在すでにゴールド会員ならエーゲ航空
が有利だと言えます。エーゲ航空の神通力はだいぶ弱まりました。
詳しく調べるとエーゲ航空有利という結論になると信じていたので、自分でも意外でした。もしSK利用時の積算率が悪くなったら、手も付けられません。
FFPを選ぶなら、マイルの寿命(OZは7年、TKは3年、A3は無期限)とか、提携会社の多さ(たぶんTK > OZ > A3)、提携会社の使い勝手(日本在住ならOZ >> TK > A3)などの条件も考慮しなくてはなりません。さらに上掲の表を見ればわかりますが、A3はSA各社の上級キャビンでのマイル積算率が高く、他社を圧倒します。マイルの無期限と高積算率は有利なFFPの基本。Miles+BonusはFFPとして魅力的です。
一方、ユナイテッドやエバー航空の格安エコノミーを良く利用する人の場合、A3のメリットは全然ありません。自分がどの航空会社、どの予約クラスを頻繁に利用するかによってMiles+Bonusの価値は大きく変わります。
さて長くなりすぎたので、方策編は別記事にします。