PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

AY074:NRT-HEL エコノミー

成田空港のFinnairのチェックイン。色気が無いとみるか清楚と見るか微妙ですが、このあっさり感・すっきり感は一から十までこの航空会社について回ります。

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HELから先の乗継ぎ便の分も発券されます。独自の台紙は好印象だとしても、あるべき情報が手書きになっているのが奇妙です。

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ラウンジの案内も搭乗券に印刷されています。

 

12:00出発と健康的な時間帯のAY074便。約10時間で着き、日本時間で22:00頃、現地時間で15:00頃ですので、時差の調整がしやすい便です。欧州行き夜便の利用では、生活のリズムを移動に合わせなくてはならないのですが、そういう無理がないのが、Finnairのヘルシンキ便の良い所です。

 

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A330の内部は2-4-2の配置です。キャビンがガラガラだったので、離陸後ベルト着用サインが消えたら、前に移動します。そのまま寝入ってしまいました。

 しかしクルーにすぐ起こされます。勝手に移ったゾーンは、コンフォートシートでした。「追加料金が発生するけれどいい?ピッチも大きくできているでしょ。60€だけどどうする?」と言われ、そこで2つの対応がとっさに思い浮かびました。一つは、「いやー寝ぼけて間違えましたわ。」とボケて元の席に戻る方法。もう一つは、「すみません。席はもう使ってしまったから料金は払います。」と責任感を過剰に演出する方法です。でも考えてみたら、席の周囲にはほとんど人がいないので、60€は高くありません。楽ちんを買うことにしました。

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ヘッドレストも特別仕様です。

 

飲み物にChampagneが選べるとか、アイマスク、靴下、耳栓のアメニティがあるとか、ノイズキャンセリングヘッドフォンを貸し出すとか、いろいろついてきて60€。ちなみにリクエストすれば、歯磨きセット、髭剃りキット、糸と針、保湿ローション、デオドラント、ヴァニティキットももらえます。

 積極的に利用を考えて良い気がします。KLMやDeltaのコンフォートシートは、同じような距離で比較すると、この1.5~3倍の料金になり、スペース以外のオマケはほとんどついて来ないのではないかと思います。

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クルーとのやり取りの時、後ろを振り返って驚いたのですが、私の元の席より後方はほとんど満席でした。席に着いてからは前方を向いているので、ガラガラに見えただけでした。

 今日レガシーキャリアは、同じキャビンクラスでも、席の位置によって快適性を細分化して運用することがほとんどです。本AY074便の場合、

(1) ビジネス前方キャビン 乗客?名 見ていないのでわかりません。

(2) ビジネス後方キャビン 乗客?名 同上

(3) エコノミー前方キャビン コンフォート(21-25列) 乗客7名/40席

(4) エコノミー前方キャビン(26-28列) 乗客50%以下

(5) エコノミー前方キャビン(29-31列) 満席

(6) エコノミー後方キャビン(32‐ 列) たぶん満席

でした。エコノミー普通席は、前方3列に空席を集中していたのでした。つまり最初に私が座っていた(4)のエリアは、優先される搭乗客向けの場所だったのです。この便にはツアー団体が最低3つ入っていましたが、3人の添乗員は全て(4)のエリアに着席していました。優先される人のカテゴリーが見えてきますね。

 

Alitaliaと同じえぐい運用です。Finnairはツアーでしのいでいるのでしょうか。料金は比較的安いので、個人で予約を入れるときは、エコノミーコンフォートが絶対得と言う気がしました。後で調べて分かったのですが、機内だからといって割引があったわけではありません。

 

なおノイズキャンセリングヘッドフォンは、借りませんでした。貸出品はどう見ても私が持ち込んだものより性能が劣っていたためです。ちなみに映画は3本見られました。昼便のよいところです。最近、機内でもないと新作映画を見ることがないので、貴重な時間です。

 

機内食は少ないという評判ですが、このぐらいで足るを知るのが良いと思います。

 Jacques Chirac曰く、フィンランドの次に料理がまずい国がイギリス。彼の舌を信じれば、機内食も恐怖の体験になるはずですが、AY074便では特に問題ありませんでした。なお、食後にチョコレート、飛行途中でアイスクリームが配られます。さらに到着前に焼いていない焼うどんがでます。

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足りない人は、飲み物、食べ物をユーロ建てで買うこともできます。LCCのようなメニューカードがシートポケットに入っています。が、よほど大食いでない限り注文することはないでしょう。地表に到着してからでも食事はできます。

 

面白いのは、正午に出発、太陽を追う方角へ飛び、午後3時に到着するのに、飛んでいる大部分の時間が夜であることです。これは極夜のせいです。

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外を見ると、夜ではないけれど暗いという極夜特有の感じです。

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ウラル山脈を越える付近で、再び明るくなってきます。

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ロシアを過ぎて降下する直前には、完全に太陽が戻ってきます。

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しかし地表近くは、厚い雲で覆われているので、高度を下げると暗く凍てつく大地が広がります。

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冬の北欧。

 

Helsinkiは近い!というのが感想です。5,000 milesしかないとか、東京ーパリ便では最後の食事を出すのがHelsinki上空だとか、客観的な事実もありますが、すぐに着くことが実感できます。Finnairのクルーはとてもフレンドリー。フィン人も日本人も差がありません。

 

今回は同日乗継ぎをしましたが、欧州旅行をFinnairを使い、1、2泊してHelsinki観光を組合せるのは悪くない気がします。Finnairは低料金の割に、個人客が大切に扱われます。機内の小物が全てMarimekkoデザインで統一されていることも、居心地をよくします。

 

Helsinki空港に、oneworldが欧州ー日本間を毎日10便運航しているという広告がありました。料金の一部共通化や、予約システムの共通化が背景にありますが、この3社のサービスにはそれぞれ特徴があり、選択の楽しみが広がります。

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空港内の回転寿司屋の前に置くと効果的な広告かなとも思いましたが、こういうことを宣伝できるのは、Finnairの余裕を示します。