ついにBritish AirwaysもFFPに手を入れましたが、流れ着く所に流れ着いたというところです。せっかく年末にその有利さを強調したのに、1月足らずで変更になったのは皮肉というべきか、なんとも空しい限りです。
現在、BAの搭乗と特典についてのみ告知されています。改悪のポイントは、
・格安エコノミーのavios加算率が100%から25%へ
・格安プレミアムエコノミーのavios加算率が125%から100%へ
・ビジネス、ファースト特典航空券に必要なaviosは値上げ
といったところです。oneworld他社に関しては触れていませんが、すでにほとんどの航空会社で格安エコノミー利用では25%しか加算されません。上級キャビン利用の場合はBAより低い加算率です。したがって、加算率はほとんど変わらないと予想しています。AAだけはBAと同様、格安エコノミーでも100%の加算率でしたが、これは25%になるでしょう。AAdvantageもちょうど制度変更することですし。
また冷静に考えると、影響が大きく出る会員は、日本にはそれほど多くないと思います。
日本在住のExecutive Clubの会員は、次のような搭乗パターンになっているのではないでしょうか。
(1) 上級会員狙いで、東南アジアや中東の航空会社(CX, MH, QRなど)のビジネスクラスをよく使う
(2) 上級会員狙いで、JAL国内線クラスJやファーストによく乗る
(3) 欧州へ時々行くが、常にBAのエコノミークラスを利用する
(4) 欧州へ時々行くが、常にBAの上級キャビンを利用する
(1) と (2) ではBAの4搭乗がありますが、エコノミー利用だと、この部分のaviosだけ激減します。しかし他の大部分が変わらないなら、年間のaviosの収支にはほとんど影響を与えません。
(3) の会員には大きな影響が出ます。貯まるaviosは8分の1(Silver会員)から4分の1(その他の会員)になってしまいます。こういう客がBAのファンだと思いますが、ビジネスは非情です。
(4) はおそらく出張でしょうが、この場合は格安チケットでも減りはありません。
BA(とたぶんAA)の利用に関してですが、Silver会員のボーナスaviosが100%から50%になります。これは格安エコノミー利用の話(100%)です。ビジネス(66%)やファースト(50%)でも、すべて半分になるのでしょうか。不明な部分です。
JAL利用でも少しボーナスが出たように記憶していますが、その他の航空会社では出ていなかったと思います。
こうしてみると影響が大きいのは、年に数回欧州に行き、いつもBAのエコノミーを使う会員です。特にSilver会員だと、その影響は倍になります。そのほかのカテゴリーではあまり影響はないように思われます。
少し試算してみました。HND-LHRの格安エコノミーで得られるAviosは、4月28日以降の予約で
Blue会員 6,222 → 1,556
Bronze会員 7,778 → 1,945 3,112
Silver会員 12,444 → 2,334 4,668
Gold会員 12,444 → 3,111 7,780
となります。一方でエコノミー特典航空券に必要なAviosはOff-peak日には19,500 aviosに下がります。その結果、無料航空券1枚得るのに必要な同区間同クラスの搭乗回数は、
Blue会員 4.8 回 → 12.5 回
Bronze会員 3.9 回 → 10.0 回 6.3 回
Silver会員 2.4 回 → 8.4 回 4.2 回
Gold会員 2.4 回 → 6.3 回 2.5 回
となります。Peak日では現状と同じ30,000 aviosが必要です。
(5月29日訂正:計算を間違えていました。改定後に貯まりにくいのは事実ですが、Gold会員には影響が小さいようです。)
確かに搭乗マイルという点では、他の大手よりややましな程度になります。少し前にこの計算を系統的にしました。
欧州便でマイル積算が有利なFFP(3大航空連合から) I - バス代わりの飛行機
新Executive ClubーBA利用の組合せを入れてみると、日欧間のエコノミーでの往復ではSK利用でマイルをMiles+Bonusにつけるのが一番有利になります。その次がBA利用エグゼクティブクラブ加算とJL利用JMB加算になります。
今と比べると不利になる場合でも、他社のFFPと比べるとそうでもありません。
相変わらず日本在住者には、上級会員になりやすいFFPです。またAvios の有効期限を気にする必要が無いことと、提携先の多いことは重要です。ホテルの宿泊ポイントをAviosに変換できますが、提携パートナーの数は多い部類に入ります。アメックスのSky Travelerカードでx3ポイントの対象であり、ポイントを使うことも可能です。Aviosの管理部門を独立性を高くするという話は、このような高い流動性の裏づけがあってのことでしょう。
制度が複雑になったので、裏技的な手段はおいおい見つかるでしょう。さしあたって4月27日までに予約した分は現状のルールが適用されます。そこでさっさと予約を考えた方が良いのは、
・格安エコノミーの有償航空券
・Club Worldの特典航空券
・Firstの特典航空券
・格安プレミアムエコノミーの有償航空券
・Silver会員の有償航空券
です。おおむね重要な順に並べました。LHR経由の南米、南ア、モーリシャスへはごっそり稼げますね。BAでは355日先のフライトまで予約できますが、格安エコノミーは345日先までのようなので、来年の4月6日までが旅行期間になるでしょう。