PECHEDENFERのブログ

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中華航空の航空券価格とFFPマイル(その3)

確かに中華航空(CI)は、マイルの積算という点で魅力的です。お隣台湾の会社ですし、そのFFPのDynasty FlyerはIHG, MO, Hyatt, JALホテルなどとも提携しています。会員になる条件は揃っています。しかし短所もあります。個人的にはマイルの有効期限が搭乗後36ヶ月というのは、つらいところです。そこで功利的になり、SkyTeam内の他のFFPにマイルを積算する術を考えてみます。

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(3) 中華航空搭乗を提携会社のFFPに生かす方法

SkyMilesに提携航空会社の搭乗マイルを加算しても、大したことにはなりません。以前の記事で比較しました。

デルタ航空スカイマイル:改革の完成(?) - バス代わりの飛行機

実は提携会社の中で比較すると、CIはかなり良いレベルにあるのですが、それでもDLの自社便の方が有利です。

 そこでAir France-KLMのFFP、Flying Blueです。

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CIの搭乗をFlying Blueに加算する場合、

F      150 %

J      130 %

C      125 %

D, W, U    115 %

E, Y, B, M      100 %

K, V, T             80 %

R, Q, H, N          50 %

と予約クラスに応じたマイルになります。この加算率はDynasty Flyerに加算する場合と完全に一致します。ちなみにSkyMilesに加算すると、FとEでは同じ、その他の予約クラスでは下がります。

China Airlines | Delta Airline Partners | Delta Air Lines

 Flying Blueでは、上級会員のマイルボーナスが大きく、

Silver会員で50 %

Gold会員で75 %

Platinum会員で100 %

になります。Dynasty FlyerではParagon会員(Flying BlueではPlatinumに相当)にのみ20 %のボーナスでしたので、Flying Blueの加算は破格です。大雑把に言ってCIの航空券1 USDあたり、

Silver会員で16 miles, Gold会員で19 miles, Platinum会員で22 miles

加算されます。一方、DL搭乗をSkyMilesに加算すると1 USDあたり

Silver会員で7 miles, Gold会員で8 miles, Platinum会員で9 miles

なので、圧倒的な違いです。

 

次に使う方です。

 Flying Blueでは特典航空券が遠い印象がありましたが、現在ではそうとも言えません。例えば東京-パリの往復に必要なマイルは、

economyで80,000 miles

businessで200,000 miles

で、Dynasty Flyerの -20 % ~ +50 %というところです。パリ-NYの往復に必要な最低マイルは、

economyで50,000 miles

businessで125,000 miles

SkyMilesではそれぞれ110,000 milesと210,000 milesですので、SkyMilesよりFlying Blueの方が遥かに少ないのでした。

 

マイルの加算と利用を合わせると、CI搭乗+Flying Blue利用は、DL搭乗+SkyMiles利用の4倍ぐらい有利だと結論できます。(航空券購入金額基準、対応会員レベル間での比較)SkyMilesが金額ベースに変えたおかげで、こういう比較が容易になりました。

 

毎年Platinum会員を続ける優等生だと、3年で特典マイルは最低420,000 miles貯まります。400,000 milesでTokyo-Parisビジネスクラス往復2枚になります。意外に大判振る舞いなのでした。

 

上級会員向けのマイルボーナスは、FFP側が出していると思います。Flying Blueとしては極東での出来事は把握していても、大勢に影響が無いので放置というところでしょうか。

FFPの考え方として、ハブ空港がある都市の会員へのサービスは抑え、離れた就航地の会員へのサービスを手厚くすると全体の利益は上がるというものがあります。本当にそうなるかどうかわかりませんが、多少の無理が無いとFFPも使ってもらえないだろうし、航空会社も利用されないことになります。DLーSkyMilesが日本で上級会員資格が付帯するクレジットカードを発行しているのが良い例です。AFやBAも東アジア向けに商品を開発するほどではないものの、FFP制度の甘い点を意識的に放置しているように見えます。

 

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Flying BlueにCI搭乗のマイルを加算することは、有利なことがわかりましたが、だからといって、いつでも「SkyTeamの搭乗はCIで、マイルはFlying Blue。」というわけではありません。

SkyTeamFFP間の敷居が高く、(特にBusiness Class以上の)無料航空券は他社FFPではなかなか取れず、

・どこでも大切なのは自社会員

と、数値になりにくい部分で大きな差があります。仏蘭へ良く出かけるわけではなく、Air FranceやKLMのタダ券にこだわる必要が無い場合、Flying Blueの数字の上でのアドバンテージは消えます。DLも利用しないし、AF-KLも利用しない場合、Flying BlueはSkyMilesより有利だというだけですね。

 

日本在住だと、他に大韓航空のSKYPASSも候補に挙がるかもしれませんが、台湾と韓国は仲が良いとは言えないので、CI搭乗をマイルにする目的でSKYPASS会員になるのは気が引けます。Miles+Bonusにマイルを貯めるのは、もっぱらTKの搭乗というようなものです。