PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

スターアライアンス・ゴールドの黒馬

Star Alliance Gold会員になり、続けるための要件が緩いマイレージプログラム(FFP)について、11月に記事にしました。対象はMiles+Bonus, Miles and Smiles, Asiana Clubでした。

2015年版スターアライアンス・ゴールド達成、維持しやすいFFP - バス代わりの飛行機

会員になっているAegean Airlines(A3)のMiles+Bonusの制度変更を機に、他にもっと楽なFFPは無いかと探したことをまとめたものです。

 

しかし見落としがありました。Egyptair(MS)のFFP、Egyptair Plusです。

f:id:PECHEDENFER:20150427165255j:plain

 

(1) このプログラムの会員レベルは次の通り。

・Blue

・Silver(Star Alliance Silver)

・Golden(Star Alliance Gold)

・Platinum(Star Alliance Gold)

 

Blueは入会直後のレベルで説明不要でしょう。Silver会員になるためには、

30,000 miles以上のフライト

の搭乗です。MSまたはStar Alliance各社のフライトで有効、期間は不問です。維持は

2年以内に15,000 miles以上または16セクターのフライト

の搭乗です。大韓航空のMorning Calmと同じく、到達には通算マイル、更新には所定期間内の搭乗実績です。

 

Golden会員になるためには、

Silver会員が2年以内に30,000 miles以上のフライト

に搭乗します。更新には

2年以内に30,000 miles以上または32セクターのフライト

が必要です。SilverもGoldenも共に到達日から起算した2年間が問われます。

 

この条件、強烈に緩いのではないでしょうか。15,000 miles/年ですから。Miles+BonusのGold会員更新に関する「1年以内+A3の4搭乗+12,000 milesのフライト」には、わずかに及びません。しかしこのMiles+Bonusの条件は、定期的にギリシャに行かない限り該当しません。また毎年12,000 milesと2年に30,000 milesでは、後者の方が楽と言う人も多いはずです。 Egyptair Plusは、Miles+Bonus, Miles and Smiles, Asiana Clubより簡単にStar Alliance Goldが獲得、維持できると言ってよいと思います。

 集中的に搭乗するなら、到達条件でAsiana Clubが少し楽です。

 

ちなみにEgyptair PlusのPlatinum会員は生涯資格で、1,000,000 milesの搭乗が必要です。

 

(2) Egyptairの搭乗時のマイル積算率は、以下の通り。

f:id:PECHEDENFER:20150427174049j:plain

気前が良いFFPと言ってよいでしょう。

 

ところが大きな問題があります。Star Alliance加盟各社の積算率は、Egyptairのサイトではわかりません。この部分をはっきりさせないと最終的な結論は出せません。

コメントを頂き、この部分は削除します。調べてみました。(4月28日)

 

(3) どの程度マイルが加算されるか試しに調べてみました。

 MSは、近所では北京(PEK)、バンコク(BKK)、ジャカルタ(CGK)に就航しています。料金を調べてみたら、25%~50%加算される料金(Bestoffer)と100%加算の料金(Gooddeal)の差が大きくありません。以下は全てGooddealの価格です。季節変動は小さいようでした。

 

BKK-CDG往復:15万円 13,050 miles

CGK-CDG往復:15万円 15,114 miles

PEK-CDG往復:15万円 13,374 miles

JFK-BKK往復:27万円 20,286 miles

JFK-CGK往復:25万円 22,350 miles

 

すべてカイロ(CAI)経由です。毎年Jakarta-Parisを一回往復するだけで、Golden会員の維持ができます。

 

ここから先は仮定になりますが、もしTGのQ/Hクラスで100%加算されるなら、

HND/NRT-BKK往復:6~6.5万円ぐらい 5,778 miles

ですので、年間3回のバンコク旅行で更新です。Miles+Bonus会員だと毎年4往復ではGold会員を維持できないので、この点かなり楽になります。

 またANAの国内線が加算されるなら、毎年国内線8往復で更新可能です。Egyptairに照会するか、搭乗してみないとわかりませんが、これら2つのケースは無茶な仮定ではなく、大いにありうる話です。

 

(4) FFPとしての「性能」は、Miles+Bonusと同等というところです。長所は、

・マイルは年間20,000 milesまで購入可能で、最大限購入すると575 USD

・上級会員ボーナスマイル(Silver 20 %, Golden 30 %, Platinum 40%

・特典航空券は片道発券可能

一方、短所は

・マイルの有効期限が獲得後36月(Miles & Smilesと同じ)

でしょうか。

 保有機材数66。就航都市78は、北米、極東、インドネシア南アフリカに拡がっています。この点に関しては、A3を遥かに凌ぎます。しかしTKやOZに比べると見劣りします。かつて成田と関空にも就航していましたが、2013年に撤退しました。

 

(5) 特典航空券に変える場合、必要マイルは普通~良いというレベルです。ブロック制で、日本は中央アジア・極東(China, Taiwan, Guam, Hong Kong, Indonesia, Japan, Korea, Singapore)に入ります。このブロック内では

economy class 30,000 miles

business class 45,000 miles

first class 60,000 miles

が往復に必要なマイルです。インドネシア旅行には一番有利なFFPでしょう。シンガポール往復も悪くありません。

EGYPTAIR Plus

 

(6) 情報不足です。ウェブサイトでの情報発信も足りません。Flyertalkでもあまり話題にならないFFPですが、情報発信が足りない点は、会員から指摘されていました。会員アカウント中で示される情報量も乏しいとのことです。

 Statusmatcherも2件の記録があるだけでした。2014年12月の1件(LH M&M FF → Egyptair Silver)は受諾、2013年8月のmatch可能性問合せの1件は、negativeです。

 

Star Alliance各社の搭乗時のマイル積算率の一覧は、Egyptairに頼めばもらえるでしょうか。Egyptair Plusのページからわかります。(下記コメントのご指摘通りです。)

 

一方で、会員カードの郵送について、妙に詳しいのが不思議です。MSの現地支社がある国に居住する場合はそこから届き、ない国に居住する場合は、現地の提携会社から届くとか、申し込みから4週間以内に届くとかあります。この辺はエジプト人の感覚なのでしょうか。