バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

スカイマークにデルタの後ろ盾ができたら

今日の時点では、スカイマークの再建に大手航空会社の力添えが必要であることが共通認識になっていますが、その大手会社はまだ決まっていません。ANAデルタ航空のどちらかになりそうです。

 

デルタの後ろ盾は成長路線が描けるので、密かにステークホルダーの支持を得ているのではないかと想像します。もしデルタと提携した場合どういうことが起こるか、予想+願望を含んだ予想+単なる願望を以下に書いてみます。

 

(1) 予約システムや運航のシステムのリニューアル

デルタの卓越した予約システムや運航システムが移植されます。日本の支社長も明言していますが、これにより利益が単純に何割も向上するでしょう。これには1年もかからないはずです。消費者は必要とする範囲で余計に金を落とす一方、機材の運用の効率を上げるだけなので、他の会社との競合や空港の減収などにはあまり関係がありません。

 

(2) 成田就航

羽田便でのダイヤの調整は容易にできるでしょう。しかし羽田にはデルタはSEAとLAX便しか持たないので、中期的には国内各地から成田へ就航するのではないでしょうか。全てのデルタ国際便への接続が考慮されるようになると、スカイマークの集客にも貢献するでしょう。

 この時、成田第一ターミナル北ウイングを利用できれば、スカイチーム各社への接続が非常に便利になります。地方からの利用では羽田より成田になるでしょう。デルタのみならず、スカイチーム全体(AF, AZ, CZ, GA, KE, KL, SU, VNなど)が恩恵を受けます。JALANAは日本語と日本の会社という壁に守られ、それほど客が離れることはないでしょう。成田でスカイチーム各社と接続すると、地方空港へ就航しているKE, OZ便は満遍なく少しずつ旅客が減るかもしれません。

 成田便を開設したら、国内線だけの集客も考えなくてはなりませんが、これに関しては従来のスカイマークの立ち位置を保つはずです。つまりJAL, ANALCCの中間の料金、サービスも中間というあれです。

 

(3) 短距離国際路線への進出

デルタは成田からの以遠権を持っていますが、収益が上がらない路線は切っています。スカイマークが再開という話は大いにありえます。デルタの運航より低価格にすることも可能です。これは国際線に進出する足がかりとしては非常に良いように見えます。

 中長期的に見たら、日本人の旅客は増える要因がありません。海外からの旅客に頼るしか成長はありえないでしょう。国内のゼロサムゲームではなく、どの会社も外に出るしかありません。デルタの太平洋路線と接続できることは売りにできるでしょう。結果、海外のLCCの新規参入が難しくなるかもしれません。

 

(4) 地方空港の妙なチャンス

デルタ便がハブアンドスポークのハブを経る場合、同じ便名にもかかわらずハブで機材交換します。するとスカイマークの運航で、デルタの太平洋横断便が地方空港から飛ぶこともありうるわけです。成田で機材交換です。

 国際線誘致のため、海外の航空会社に詣でる知事があちこちにいますが、簡単に成田ワンストップの太平洋横断便が就航する可能性があります。JFK便も夢ではありません。実質的にどうなの?ということはさておき、地元からニューヨーク便が出ているのは何となく誇らしいし、実際それはかなり重要です。新しい旅行需要も喚起されるのではないでしょうか。

 

(5) マイレージプログラムの開始

FFPの話は、少し先になるでしょう。スカイマークが独自のFFPを持ったとしてもSkyMilesとの提携は深化するはずです。SkyMilesをそのまま使うことも考えられます。スカイチームに未加盟会社が加盟会社のFFPを利用する例として、AircalinのFlying Blueがあります。SkyMilesではマイル積算が料金制ですから、調整は比較的簡単だと思います。顧客獲得には絶対役立ちます。ニッポン500マイル・キャンペーンは終了する一方、デルタアメックスゴールドの加入者が爆発的に増えるかもしれません。

 SkyMiles会員のほとんど(70,000,000人/92,000,000人)がアジアにいる事実も忘れてはなりません。

 

(6) スカイチームへの加盟

さらに先のことでしょうが、デルタの日本支社長は、スカイマークスカイチームへ加盟することまで言及しています。現時点では、保有機材数も就航都市数もスカイチーム加盟会社の最低レベルを下回っています。提供できるサービスも全く基準に達していません。このため少し会社の規模を大きくする必要はあるでしょうし、デルタからノウハウを得る必要があります。

f:id:PECHEDENFER:20150727204618j:plain

 

総じて考えると、スカイマークがデルタと提携すると、新たな需要を喚起する効果が大きいのではないかと思います。ANAとの提携だと、たとえこの会社が誠実に対応してスカイマークを再生させたとしても、新たな成長が見えるでしょうか。ANAも共同運航便の席の販売として羽田発着枠を利用できることは、うれしいでしょう。しかし短期的な効果しかありません。可能性は低そうですが、事がANAに「理想的に」運び、スカイマークが消滅、発着枠が全てANAの手に入っても、国内人口の減少から明るい展望は開けません。JALに対してのアドバンテージをとるだけでは、意識が低すぎます。

 スカイマークJALANAの2強に対する第三極としての役割を担っています。ANAと提携すると存在意義が怪しくなります。ANAステートメント「蓋然性に乏しい」はデルタよりはるかに自分たちに当てはまります。また提携の「売り」が国との交渉能力では、独立した存在として尊重する意思が乏しいようにすら見えます。

 利用者にとっては、競争によって価格が下がるので、ANAJALから独立している方が都合よいのは間違いありません。

 

デルタは最近、太平洋路線の羽田発着枠を過大に要求したため、国に警戒されているのかもしれません。この失策が今になって足を引っ張っている可能性があります。国内線枠の国際線への転用不可は当たり前です。それでもデルタにとって得るものが大きい提携、win-winの関係です。一番良いのは数年でスカイマークの各種数字を以前の数倍にし、日本に恩を売り、誰もが米系の中でデルタは特別な存在と認めるようになることです。そうしたら羽田の枠は、黙っていても傾斜配分されるに違いありません。デルタの目標は、この辺に落ち着くのではないでしょうか。