PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

DBのQ&Aフォーラム:Meine Frage - Deine Antwort

DBはドイツ鉄道(Die Deutsche Bahn AG)。

 

DBは空港に駅を持っていることが多く、東京からの直行便のある

Frankfurt/Main, München, Düsseldorf

には大都市近郊列車のS-bahnが駅を持っています。他の大都市の空港、

Berlin-Schönefeld, Hamburg, Köln-Bonn, Stuttgart, Dresden, Leipzig-Halle

にもS-bahnの駅が併設されます。

Hanover

の国際空港ではS-bahnの引込線と駅を建設中です。例外は、

Bremen, Nürnberg

で都市交通機関Tram(Straßenbahn, 路面電車)とU-bahn(地下鉄)の駅を持ちます。

 さらにDortmundとEssenを加えると、ドイツの人口50万人以上の都市は全て網羅されます。DortmundとEssenはそれぞれ小さい空港を持ちますが、Düsseldorf空港までそれぞれ30 km, 60 kmしか離れていません。Köln-Bonn空港へも75 km, 90 kmと言う距離です。

 

国の成り立ちから空港整備の状況には驚きませんが、連絡交通機関への執着には目を見張ります。

 

こういう事情からドイツを旅行すると、DBの世話になることが多いはずです。空港アクセス線もS-bahnだったらDBのサイトで購入できます。このサイトは優れもので、さらにDB以外の空港アクセス、空港アクセス線から接続するDB列車ダイヤも調べられます。

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例えば、S-bahnの駅がないニュルンベルグ(Nürnberg)空港から、近くの都市エアランゲン(Erlangen)までの移動方法を調べます。地名、日付・出発時間(または到着時間)を入力すると、以下のスケジュール表示画面になります。

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時刻順に3つ経路が示されます。一番上がBUS、つまり空港連絡バスです。空港からエアランゲン中央駅まで運航しています。U, REというのは、U-bahn + 地域急行列車の組合せ。共に36分で到着します。3番目はU+S。これはU-bahn + S-bahnの組合せです。REとSはDBの列車ですが、DBの経営や運航とは関係ない空港バスやU-bahnの乗車券は購入できません。DBの駅で接続するREとSだけでは、購入できません。価格欄は非表示になっています。割引があるかもしれません。

 左側のオレンジの不等号のようなボタンを押すと、さらに詳しい運航スケジュールが表示されます。DBのサイトでは、ホテルやレンタカーも予約可能、つまり旅行代理店業務も行っています。バスや地下鉄の乗車券も販売可能なはずですが、システムが追いついていないのでしょう。

 

ところがベルリン・テーゲル空港からエアランゲンまでのスケジュールを調べると、バスで市内に一度出る経路が示され、その乗車券は買えないのにもかかわらず、ベルリン中央駅からエアランゲンまでのDB乗車券は購入できてしまいます。

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鉄道運賃がデカいので、この客を見逃す手はないということですね。黙っていたらAir BerlinでTXL-NUEを飛んでしまい、NUEからバスでエアランゲンに行ってしまうかもしれませんものね。上は運航スケジュールを開いた画面ですが、TXLという空港連絡バスで中央駅前の広場まで行き、中央駅からICE1517に乗車します。

 

オプションで条件が指定できたり、経路ごとにカスタマライズされた乗換え情報も得られたりと、旅行代理店がつくってくれる予約と同じぐらいきめ細かいのですが、使い勝手は良好です。英語版もありますが、ほとんど同じ操作が可能だと思います。

冒頭ページのDeutschlandをクリックすると切り替えられます。残念ながら、日本語ページはありません。

 

初回購入時に個人情報やパスワードを登録します。購入するとpdfファイルがつくられます。登録した電子メールアドレスにも送られてきます。これは乗車券になるので、当日の車内改札では購入時に利用したクレジットカードと共に提示しないといけません。

 乗車当日、駅で購入すると事前購入のだいたい倍の値段になります。「緊急時以外は、事前購入」が普通になっています。

 もちろんDBが窓口業務を減らし、人件費の負担を軽くするためですが、これは旅行者にとっても大変重要です。大都市中央駅のような例外を除き、窓口の利用時間が短いとか、窓口が無い駅に出くわすからです。ドイツを鉄道で移動する時は、(外国人向けの)無料パスか事前購入を原則と考えた方が良いようです。その割には外国語への対応がヨーロッパに偏っていることは問題です。

 

オンライン購入サイトを一度でも使うと、プロモーションのメールが時々届くのは、現代社会のお約束。DBもちょくちょく宣伝を送ってきますが、一昨日のメールは少し変わっていました。「Service Community-"Meine Frage, Deine Antwort"を開始した。」という案内です。

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わからないことがあったら、質問すると誰か答えてくれるし、他の人の質問に答えることができるという仕組みです。誰でも参加できます。

 こう書くと、無責任で投げやりのシステムに見えるのですが、ドイツにはおせっかいな連中が多いのでたぶん良く機能すると思います。

 

「早速、質問と答えを探す」をクリックすると、こんなページにリンクします。

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上部の左側の入力欄は、キーワード用です。キーワードを入力するとそれに関係する質問と回答が表示されます。右側の入力欄は質問用です。ログインすれば書き込むことが出来ます。初回利用時にはAvatarとハンドルネームが登録できます。右上の人影アイコンをクリックしてもログインできます。

 省略しますが、この表示の下には12名の管理人が顔写真入りで紹介されています。その他、よくある議論とか、新しい質問がずらずら並びます。

 

キーワードに外国人(Ausländer)と入れてみると、以下のような画面になりました。

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「外国へ(ins Ausland)」と「外国から(aus dem Ausland)」に関する質問しか見つかりませんでした。最初は「時々DBを使って外国に行くのだけれど、BahnCard 25とBahnCard 50は組み合わせることができるの?」という質問ですが、DBのBahnCardのシステムを知らないと、質問の意味が理解できないと思います。

 

このシステム、DBの職員が答えるのではなく、利用者が答えるのが特徴。それどころか、登録するだけで書き込めますから、DBを全く利用しない人間でも質問、回答が可能です。妙なシステムです。

 

航空業界では、会社が選んだ顧客から直接意見を吸い上げるシステムをつくっています。形式的には全く異なるのですが、DBのMeine Frage - Deine Antwortも実は似た機能を持っているかもしれません。