PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

エールフランスに関する3題

(1) ライバル

フランス国鉄SNCFは、販売期間を1週間などと限ってセールを行います。しばしばあるので、内容には目を通すものの気にとめることは多くありません。しかし、このメールには驚きました。

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vente flashは、フラッシュ販売とでもいうのでしょうか。

販売期間:11月26日(木)の8:00-12:00(たった4時間)

対象列車:欧州と国内のTGV

対象運航日:その週末の金曜日~日曜日

メールが届いたのが、水曜日15:25(フランス時間)。LCC顔負けのセールです。残念ながら、メールを開けたのが木曜日12:20ぐらい。販売は終わっていました。

 

フランスのTGV網はドイツのICE網に比べ、かなり強力です。300 km/h前後の高速走行できる区間が非常に長いのです。航空会社からすると、多くの路線で目の上のたんこぶになっているかもしれません。実際のところ国内主要都市間輸送では、多分LCCより客を取っているでしょう。料金はセールを利用すればLCCよりも安くなるレベルです。空港-都市間連絡を加算すると、LCCは時間・料金で苦しいのです。

 TGVは1981年開業。すでに34年の歴史がありますが、旅客の死亡事故はまだなかったはずです。(日本の新幹線は1件ありました。)定時性は新幹線には劣るものの、非常に高いレベルです。中距離の都市間輸送では、航空輸送より優れているといえるでしょう。

 

Air FranceーHOP!は勝負になりません。こういうキャンペーンを打つのも無理でしょう。国内線では、サービスをあるレベルに保ち、限られた客を対象とするしか生きる道はないようです。

 

LCCSNCFがダイナミックに攻勢に出ているのに対し、リストラ以外に打つ手はないものでしょうか。

 

(2) Flying Blueの上級会員マイルボーナス

これは新しいことではなく、私が勘違いをしていただけです。もしかしてどこかで計算法が変ったかもしれません。利用者には知らぬ間に制度や公共料金が変わる国の航空会社ですから。

 

Flying Blueでは、搭乗により積算されるマイルにボーナスが付きます。

Ivory会員:+0%

Silver会員:+50 %

Gold会員:+75 %

Platinum会員:+100 %

このボーナス部分は特典マイル(Miles-Prime)であり、上級会員を更新するための資格マイル(Miles-Statut)にはなりません。ここまでがFlying Blueで説明されることですが、このボーナスの計算で複雑なことをやっています。自動計算機を使ってみて気が付きました。実は半年以上前に知ったのですが、機を見ているうちに時間が経ってしまいました。

 どの会社でも会員が手にするマイルは、予約クラスによって異なる係数をかけて計算します。格安エコノミーVでは25%とか、エコノミー正規料金Yでは100%とかいう、あれです。Flying Blueでは予約クラスによるマイル積算率が

・100%以下の時は、積算されるマイルを基準にボーナスマイルを計算

・100%を超える時は、実飛行マイルを基準にボーナスマイルを計算

となっていたのでした。

 実飛行距離基準で計算すると上級会員を優遇しすぎ、獲得マイル基準で計算すると高いキャビンクラスの利用客を優遇しすぎ。どちらも低くなる領域をつなぎ合わせて、発行するマイルを抑制しているのでした。けち臭い話でした。

 

AFを利用してパリ経由で東京-ロンドンの往復をしたとします。Silver会員がエコノミークラス(予約クラスV)で利用した場合、

6,194x2x 25%+ 750x 2x 25%

にボーナスの

6,194x2x 25%x 50%+ 750x 2x 25%x 50%

が加わります。一方、Gold会員がファーストクラスを利用した場合、

6,194x2x 300%+ 750x 2x 250%

にボーナスの

6,194x2x 75%+ 750x 2x 75%

が加わります。CDG-LHR間はビジネスクラスが最上キャビンで、250%の積算率です。

 

BAのExecutive Clubでも上級会員ボーナスがありますが、常に飛行実距離に対して計算されます。「上級会員を優遇しすぎ」のシステムなのです。実際、エコノミークラスの安い切符(マイル積算率25%)を買った時のGold会員が得られるAviosは、Blue会員の5倍にもなります。惜しむべきは、BA, AA, JLの利用だけがボーナスの対象という点です。

 一方AFでは、SkyTeam各社や他の提携会社の利用でも上級会員ボーナスが付くので、その点はFlying Blueの圧勝です。

 

頻繁にBA, AA, JLの格安エコノミーで長距離を飛ぶ人を除いて、Flying Blueの上級会員の方がマイル積算で得をしていると感じています。

 

(3) 12月の無料航空券のプロモーション

フライングブルーの無料航空券特典は、そこそこマイルを要求されます。以前は「非常に多くの」と形容するのがぴったりでしたが、他社も必要マイルが多くなったので目立たなくなりました。しかし、フライングブルーは月替わりでプロモーションを行っています。今月の日本発着便では、下記2件が良さそうです。

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この無料航空券に対するプロモーション、年末になると大阪発着で出ることが多いようです。ヨーロッパ往復、プレミアムエコノミーで80,000 miles、ビジネスクラスで150,000 milesなら、それほど悪くないでしょう。

 AFとKLMの便が主体で、他のスカイチームの便の無料航空券にはプロモーションはありません。12月のビジネスクラスのプロモーションは、欧州-中南米便で多く見つかりました。そういう利用も良いと思います。