キャセイパシフィック、今年初のエコノミークラス。この航空会社はビジネスクラスばかり使っているので、お客様です。わたくし。実はエコノミー顔負けの安い料金ばかり探しているので見せかけの顧客ですが、購入価格の記録はそもそも残されない、あるいは現場に近いレベルでは共有されないようです。
しかも今回は購入すらしていません。無料航空券、つまり最低ランクの客です。もっともビジネスやファーストの無料航空券よりは、エコノミーでマイルなり、Aviosなりを使ったくれた方が、航空会社はうれしいのではないでしょうか。エコノミーなら機会損失になりにくいので。
羽田には出発の2時間半前に到着。クリスマス~年末スペシャルを期待して、JALのファーストクラスラウンジへ。チェックインで案内されたとおりにキャセイラウンジに行くほど、わたくし人間は出来ておりません。
スペシャル、ありました。昨年は成田の大晦日にお目にかかった、Grand SiècleがLaurent-Perrierのシャンパン桶(seau à champagne)に入っています。
もちろん品質は安定しています。クリスマススペシャル=縁起物ですから、1杯で十分です。
靴磨きも初利用。既製品のクセに、注文製作のような装着感の靴を履いて行きました。サービスの方にはマニアとしか言いようのない奥深い話を提供いただきました。靴メーカーから、特徴やエピソードをすらすらと語り、なかなか味のある方でした。「仕事場」の雰囲気も独特、映画の撮影セットのようです。英国調を意識していると思います。イングランド製の靴で正解でした。この靴磨きサービスはなかなか良いので、次回も是非利用したいと思いました。
この職人サービスを受けるなら、やや珍しい靴(例えばオーダーメードの靴=一つ一つ違いますから)を履いていくのがベストだと思います。磨く方も変化があった方が退屈しないし、JALにとってもFirst Classと名の付く場所には特別感のある客が来た方が良いし、客もいろいろな話が聞けて特別な時間が過ごせます。皆、ハッピーになれます。
窓際の長テーブルは奥行きも十分あります。
朝からChampagne、朝シャンは言葉としてすっかり定着しました。業界用語かもしれません。今年、めでたく日経イギリス版になったFTのお供として。
その他のボトルは、
朝から魚のように飲む(drink like a fish)わけにもいきませんから、このchampagneもグラス1杯だけにします。
そういえば、JALのファーストクラスラウンジにはフランス語のメディアもあることを思い出し、そちらでも情報収集。
トップは明らかに分析記事か解説記事。「ニュースは無いのか、フランス」と言いたくなるのはさておき、お供が自然とコーヒーになっています。調和の問題?習慣の問題?
Les EchosはFTより数倍速く読めますが、これは言語能力の問題ではなく、FTの書き方に問題があるような気がします...これって、もしかして「俺が悪いんじゃなくて、世の中が悪いんだ」的な発言?
他にもCourrier Internationalなどがありますが、そんなものを読んでいるほど時間はありまえせん。ゲートへ向かいます。
一応、First、Business、Economyと3つに分かれて列を作るよう誘導しています。かなり混んでいます。B744だから人が多いのは仕方ありません。乗り込むと、リクライニングがスライド式のシート。
季節の飾りつけもあります。大型のリースでした。
羽田ー香港便だろうが何だろうが、サービスは流れ作業。まずはドリンクとおつまみ。
一方、これに先立ち、通路を挟んで右斜め前の乗客はペットボトルの水をもらっていました。ダイヤモンド会員様のようです。使い慣れている感じの方でした。
初めて見る新装機内誌。そういえば前回CXに乗ったは、7月でした。
機内販売誌も少し変わったでしょうか。
タイ人のISMが挨拶に来ます。「何かお持ちします」と、やたらと特別サービスの提案をするので、それなら「赤ワインを」とお願いしたところ、しばらくしてお手ずから運んで来てくれました。
色と香りから、明らかにBordeaux。Merlotが多そうで場所はあまり典型的ではなさそうと当たりを付けますが、そんなことより、明らかにビジネスクラスのワインとグラスです。こんなサービスを行うとは知りませんでした。マルコポーロクラブの改悪が発表された後、客離れを防ぐため上級会員向けサービスを充実させたのでしょうか。ありうる話です。私は他社会員なので、この改悪は直接関係ありません。おいしいところだけ頂いて、申し訳ありません。
個別の顧客情報は、無料航空券で乗っても現場に伝えられているようです。彼女の発言に含みがありました。私の利用が年に10フライト程度であることを考えると驚きです。この顧客管理の細やかさは、世界一でしょう。顧客の方でも、キャセイでは悪いことはできません。
機内食はしっかりしています。温野菜の大きな塊は高ポイント。色彩感も良く考えられています。
残り2時間は何事も無く順調に飛行を続けます。キャセイの羽田ー香港便は、桜島上空を通過するのが基本。「突然の噴火」は「突然の揺れ」と違い、シートベルトでは対応できないのですが、確率が低いので無視。桜島はヴェズーヴィオ火山と同様、常時監視の対象となっているので、心配には及びません。
香港に近づいてからが長く感じました。実際1回旋回していましたが、7、8分の遅れになるだけ。キャビンの雰囲気に影響されたようです。
15番ゲートに到着。香港が目的地の乗客は、出口が近くて幸運でした。私は乗継へ向かいます。
HKIAも7月以来の訪問。今日はやや空いています。