(4) Singapore Airlines
公用語が4つある都市国家シンガポール。ナショナルフラッグキャリアのホームページは、あっさり2言語構成。
英語と中国語しか選択できません。以前、日本人観光客向けに日本語表記が街に増える一方、タミル語がほとんどないということが問題になりましたが、SQからして無視していることがわかります。マレー語もなし。お国の事情なのでしょうが、冷たい感じがします。
ところでこのページのURLは、http://www.singaporeair.com/en_UK/sg/homeです。集中管理型のウェブサイトです。ここで/en_UK/が言語コード、/sg/が国コードとなります。アメリカのページでも/en_UK/は変わりません。/en_US/は見つかりません。
各国のページの言語環境は
オーストリア:独、英
ブラジル:葡、英
フランス:仏、英
香港、台湾:繁、英
日本:日、英
中国:簡、英
ロシア:露、英
韓国:朝、英
スペイン:西、英
スイス:独、仏、英
となっています。その他の国は全て英語のみ。まとめると
英、西、独、日、仏、中、朝、葡
の8言語。種類はVNより多く、UAと並びます。少ないのでした。この航空会社は五大陸全てに就航しており、6大言語を網羅しているのは予想どおりですが、地域の言語に対する配慮が全く感じられません。例えばインドの就航都市が多いのは、インド人の利用が多いことを意味しますが、インドの公用語のうちSQがウェブサイトで使っているのは英語だけです。このことを経費節減として考えると、興味深いものがあります。
(5) Garuda Indonesia(GA、本拠地の公用語はインドネシア語)
日本でウェブサイトにアクセスすると、表示は日本語。GAは142機を保有、就航都市は76もある堂々たる航空会社なのですが、多くは国内線。国際線の就航都市は、20ぐらいです。多くの島からなる国なので、国内の航空輸送が重要なのでした。日本と事情が似ています。国を変えると言っても12カ国しか出てきません。
実はこれが就航国の全てではなく、UAE、Philippines、台湾にも就航しています。この3国は未就航地の国と同じ扱いになっています。
サイトは集中管理型。例えば日本語サイトのURLは、
https://www.garuda-indonesia.com/jp/ja/index.page
となります。
言語の方は、印尼、泰、日、中、朝、蘭、阿が選べます。どの国を選んでも英語のページはあります。本拠地インドネシアのページは、「言葉」と「英語」の二択。
一方、マレーシアは英語だけでした。
まとめると、
英、日、中、印尼、朝、泰、蘭、阿
の8言語。世界言語のうち、独、仏、西がありません。GAのサイトは、顧客として数が多い国の言語を使っている堅実な構成でした。
(6) Philippine Airlines(PR、本拠地の公用語はフィリピノ語、英語)
タガログ語を標準化した言葉がフィリピノ語あるいはフィリピン語とされますが、差異も歴史もよく知りません。PRのウェブサイトは取り上げる必要もないほど簡単でした。
どの国を選んでも英語だけ。公用語について、少しでも理解しようとして損をしました。そういうところがフィリピンらしくて、良いのですが...。
どの国を選んでもURLは変わりません。予約のプログラムにおけるデフォールトの出発地を変えるだけのようです。これはシンプル。
日本語と韓国語のサイトは別にあります。それ以外の国にはサイトはないようです。
まとめると、PRはやや複雑な言語環境にある中規模な航空会社(106機、34都市)のはずですが、ウェブサイトの使用言語は
英、日、朝
の3言語。カンボジア・アンコール航空(6機、9都市)でも5言語(英、クメール、日、中、越)に対応しているのに、いくらなんでも潔過ぎます。
(7) 番外編LCC
PRがあまりにあっさりし過ぎていて、尻すぼみになってしまうのもまとまりがないので、LCCも調べてみました。
Scootでは、英、日、中(简、繁)、朝、泰
AirAsiaXでは、英、日、中(简)、泰は確認できました。
Cebu Pacificでは、英、日、中(简、繁)、朝
共通して、多くの客の使う言語に限定しているようです。世界ネットワークは関係ないので、予想通りの結果です。それでも最低4言語はあり、PRより多いのでした。