PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

TG661:HND-BKK ファースト(食前)

羽田のターミナルはそれほど大きくないので、外れのゲートでもそれほど時間は要りません。ターミナルの拡張部分では、ゲート前によく出来た案内板があります。

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人が溢れているわけではありません。

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列が少しずつ形成されつつあります。アナウンスがあると加速します。ファーストクラスから優先搭乗ですが、ここで列を作る必要はないでしょう。

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誤ってここで待とうとしていた年配のビジネスクラス客が、ビジネス+ゴールド会員の列を指示され、「この列のずうーと後ろです」と案内されていました。「羽田ですから、スターアライアンスゴールドの数を舐めてもらっては困ります。」と言いたい訳ではないでしょうが、何だか問題なしとは言えませんね。上級会員の数が多すぎです。

 搭乗開始は23:50。搭乗券のFの字のおかげで、「普通に」搭乗することができました。中では男性と女性が並んで出迎えてくれます。気品にあふれる一方で温かみがある挨拶。どちらも年配ですが、十分なキャリアがないと不可能なお迎え。この辺ではタイ航空のサービスは完璧です。

 

B747の1階最前部がファーストクラス。窓側3席、中央3席、全部で9席。シートはこんな具合。

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B747は古い機材であること、一般にタイ人は修理が苦手なことから、ぼろキャビンを想像していたのですが、それほどでもありません。写真左手上部、読書灯の下のパネルが外れているぐらいです。

 隣はいわゆる艦長席。SeatGuruの情報と違います。

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Welcome drinkは「シャンペイン」Dom Pérignon 2004.

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この年、Moët et Chandonは成功していると思います。Dom Pérignonも味わいが一定しています。辛気臭いというのがぴったりですが、他のシャンパンハウスとの格式の違いを意識させます。

2003は、何でこんな年のDom Pérignonをつくるかと話題になりましたが、華やかな品でした。それはそれで良かったのですが、この落ち着いた中に秘めた力を感じさせるオーソドックスなスタイルの方が、普通は好まれるでしょう。

 

タイは、シャンパーニュの文化から遠いところにあります。名前と評判で選んだのでしょう。タイ料理に特別合うと言うわけではないと思います。歴史、文化、王室、宗教と背負っているものが多いタイ。やはりDom Pérignonがふさわしいでしょうか。

 

正面には個人用モニターと個人用花活け。Royal Orchid Serviceの名に恥じません。現在、蘭の生花がビジネスクラスとファーストクラスだけで提供されるのは、残念です。

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木目調パネルは他社ファーストと同じ。家具としてはもっともチープな仕上げですが、軽くするためには仕方ありません。

 

ちなみに客は総勢3名。全員日本人男性でした。わたくし以外は、ファーストクラスに相応しい身なりと振る舞いが板に付いています。つまり、「金回りは良さそうだが、何を生業としているのかさっぱりわからない謎の人物」です。私の見る限り、ファーストクラスには働かなくてもよさそうな人が多いのですが、「ファーストクラス=最も有能なビジネスマン」という等式は好んで使われます。こういう虚像を語る人は、それが自分に都合が良いからでしょう。

 

さて0:20発定刻のこの便、0:10には搭乗が終わり、0:15には動き始めます。この時間は羽田も空いているので、18分後には離陸しています。離陸後10分でシートベルト着用のサインが消えるという順調なフライトでした。ただし、離陸の衝撃でキャビン最前部の収納ロッカーの扉が開いてしまいました。

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機内にいるうちからタイ!です。運航にかかわる部分では事細やかに決められているので、先進国で就航許可が下りる会社なら問題ありません。が、内装では仕方がありません。BAのキャビンでも、overhead lockerが離着陸の衝撃で開くことは時々あります。ダメなところでも文化が出るのが、航空旅行の面白いところです。

 

メニューブックがタイシルク。余裕で他社を引き離す仕上げ。

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中はいたってシンプルなデザイン。

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Dom Pérignon以外のワインは、

Gewurtztraminer Steingrubler Grand Cru 2012 (Wunsch et Mann)

Chablis Grand Cru 2013 (Pierre et Bessard)

Château Cantemerle 2011

Domaine Chanson, "Beaune-Bastion 1er Cru" 2012

でした。Chablisのこのラベルが許されるとは知りませんでしたが、聞いたことのない作り手です。案の定、法定呼称はAppellation Bourgogne Protégée。Beaune-Bastion 1er Cruは作り手ラベル。昨年5月にHeathrowに行った時、BAのGalleries First Class Loungeにもありました。

 Cantemerleを最近飲んでないなと思いつつも、Wunsch et Mannという強烈な名前のTraminerにしました。杏、桃系のはっきりした香りとやや甘口は予想通り。Alsace Grand Cruらしく力強いながらも繊細なワイン。このリストの中で、アジア料理にあわせるならこれでしょう。

 

私にしては珍しく、食物の方も記録していました。夜中の出発なので、1回目のお食事は夜食。選択肢はなく、自動的にタイ料理になります。

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どんな女性(あるいは男性)と付き合っても、タイ人以外は夜食にタイ料理は作らないと思います。そういう意味でエキゾティックな食事です。タイ料理なんて絶対イヤという人には、にゅうめんがあるようです。明治の東京ではないので、夜食に蕎麦湯なんて絶対ありません。あったら尊敬します。

 

続きは次に。ファーストクラスは、各社とも個性が強いのでどうしても長くなります。