マレーシア航空の機内誌はgoing placesという名前ですが、2016年の2月号から表紙が大きく変わりました。キャセイパシフィックも機内誌のデザインを大きく変えましたが、これはブランド再構築の一環という位置づけ。マレーシア航空の場合、経営が刷新され、サービスの見直しを徹底的に行っているのでしょう。
going placesは、航空会社のサイトでも読むことができます。
Going Places February 2016 - Going Places by Malaysia Airlines
閲覧可能な過去半年分の機内誌の表紙が並んでいます。
1月号までは印象的な写真を使った表紙ですが、2月号では都市全景のイラストになっており、その路線は3月号で踏襲されています。今後も同じ傾向が続くと思います。その2月号は本拠地になるKuala Lumpur。そして続く3月号は東京です。私の手元にあるコピーを並べて撮影してみました。
もちろんこれらの都市はその号の特集にもなっており、Kuala Lumpurの次が東京とは、東京の住民にとって誇らしいような、恥ずかしいような気がします。そしてこのイラストは、東京のイメージのようです。ハチ公がある一方、サンリオのイラストもあります。おそらく著作権がらみの手続きはしていないでしょうが、それはさておき、脚色が過ぎているようで、そうでもない題材の選び方です。
もっと着目すべきことは、ベースとなる色。Kuala Lumpurが緑なのに対して、東京はピンク。マレーシアでは、ジャングルに囲まれているとか、樹木の生育が早いなどという自己意識がありそうですが、東京はサクラなのでしょうか。
季節の先取りというほど単純ではないようです。どうも東南アジアでは、東京あるいは日本はピンク色で紹介されることが多いようです。例えばバンコクで見たJR東日本の広告。
この新幹線には確かにピンクのラインが入っていますが、画面下半分をピンクにする理由はありません。この色ももともとサクラから来たものでしょう。こうしてピンクを使っているうちに、いずれサクラとの関連から独立し、東京あるいは日本を象徴する色として定着する予感がします。
マレーシア航空も日本の偏ったイメージ形成に一役買ってくれそうです。色だけなので別に問題ありませんが、少し気にしておいた方が良さそうです。なんとなく色の起源を気にしたマレー人一行が日本旅行ついでに、著名なスポットで花見をしているなんて、想像しただけで楽しくなります。彼らは酒を飲まないので、よく見かけるたちの悪い客にはなりにくいはずですし。