さて台北(桃園)-東京(羽田)の最後のセグメントは、ANAが力を入れている路線。というのも、機材が最新鋭B787-9。ANAのサイトで下調べをしてしまいました。特設サイトがあります。
・ANA Sky Live TVサービス(無料)
・e-books サービス(無料)
・ANA Map System(無料)
が全キャビン共通の新システムということで、かなり新鮮味があります。しかしTVは見ないし、e-booksは普段読む雑誌があるのかどうかかなり疑わしいし、個人的には関係なさそうな予感がします。
キャビンの様子。
これはIFEの実践編も可能かと、一気にボルテージが上がりましたが、21:25発7:10着の夜のフライト。一応一通りいじってみることが出来たので、IFE体験は独立した記事にしてしまいました。
映画館代わりの飛行機(その14):ANA B787-9 - バス代わりの飛行機
それはともかく、SINから来てCGKで乗継。同じターミナルどころか、同じピアなのに乗り継げません。乗継カウンターも乗継通路も設置されているのですが、どちらも人がいないので機能していません。一度入国して、預入荷物を受け取ってから税関を通り、再度チェックインという作業を強いられます。
これが首都の空港。旅客数世界15位は、SIN, JFK, BKKよりも上位。世界にはなかなか信じられない現実があります。でも人の方は親切で、愛想もよく、基本的にはこの国から好印象を受けます。空港税をIDR現金で新たに払って、搭乗券を手にします。
昨年すでにあった、優先出国審査→ラウンジの通路。ファーストクラス、ビジネスクラスならここを通ります。ラウンジはまずまずの食べ物と、十分な数の椅子があります。
乗継客は腹がいっぱいですし、食べたり休んだりする必要がなければ、少々退屈。窓が無い空間で、外が全く見えませんから。日本人が大勢いましたが、たぶんANAでCGKから直接東京へ向かう客でしょう。夕食時でもあり、皆さん結構食べていました。機内では本当に軽食しかないので、それが正解です。
コーヒー一杯で退出。第二ターミナルのDピアがすぐ近くです。窓がある別のラウンジの入口も近くです。
少し買い物をして、ゲートへ向かいます。この方とも再会。2年前はもっとラウンジに近いところで廊下に突っ立っており、朝日を浴びていましたが、今日は植物に囲まれています。
私の場合、Jakartaの出発はCathay Pacificの香港行というのが決まったパターン。今からANAで東京に向かうと思うと、とてもシュールな気分です。
さっさと待合室に行くと、搭乗券のチェックで不思議な顔をされました。「ラウンジはお寄りになりましたか?」とのことですが、要はビジネスクラスの客としては早く来すぎたようです。
こんなキャビンですね。
ビジネスクラスは前後2つのキャビンに分かれていますが、前方はそこそこ混んでいて、後方はかなり空いていました。窓側に座った客は全て通路側がサイドテーブルに出来ました。中央列は1人だけでした。スタッガードタイプのシート配置でも、このぐらい空いていたら、場所による不公平は生じません。
シートの操作は単純。各部個別調整の時代は完全に過去のものになりました。
シート調整ボタンの下にテーブルが収納されています。ロックを外して回転させて収納部から出します。このテーブル、元の方に少し戻してやれば、シートから立ち上がることもでき、上を完全に片付けることなく通路に出られます。新しいだけあって各部、がっちりしていました。
雑誌ラックにはヘッドホン掛けがあります。上の金具が水平に回転し、写真の位置ではマグネットで固定されます。
サイドテーブルの前が通路になっています。その前の壁にコート掛けがあります。
何もかも非常に使いやすい配置です。また細かなものを落として困るような隙間が意識的に排除してあります。このことも大変素晴らしく感じました。
なぜかウエルカムドリンクがプラコップ。
スパークリングワインと言っていましたが、確かにchampagneではありません。イタリア産のようです。
ちなみにワインは
Champagne Henriot Brut Souverain
Saint-Véran, Closerie des Alisier 2013, Domaine Carrette
Alsace Gentil "Hugel"
14 Hans, Cabernet Sauvignon (Columbia Valley, Washington)
Minérvois, Domaine L'Ostal Cazes Estibals 2012
です。
21:20定刻で、ドアクローズが21:18、プッシュバックが21:30でした。定刻の出発とは言え、日本はもう23:30。寝る時間ですね。シートベルトのサインが消えると共にトイレに向かいます。
「大型」流しでした。使い捨ての歯ブラシやマウスウォッシュなども供されています。
寝る前の機内食は出ません。頼めばサンドイッチや麺類などの軽食は出してもらえます。とりあえずナッツとチーズをもらいました。
ワインはSaint-Véran。1口目は好印象。2杯目は飲み疲れるタイプのワイン。BAと同様、機内での味覚の変化を意識したセレクションのようです。ANAのワインは、よく考えられているようです。ただしチーズにはいい点が見つかりません。日本の航空会社であることを忘れていました。
2本目の映画にかかる頃、こんなところを飛んでいました。
さっさと寝るため、シートをフラットにします。ベッドとしての特徴は、
・マットレスがあります。
・マットレスを使っても凸凹は解消されませんが、他の航空機のシートよりましです。
・足の収納部は横方向、上下方向に狭く、奥行きが深いので、起き上がる時はやや面倒です。
・足を収納したままの寝返りは無理です。
・枕と布団は平均的です。
1時間したら目が覚めます。日本時間3:30。何故目が覚めたかというと、キャビンが明るくなっていたからでした。おしぼりの後は機内食ですね。時間が時間ですから、あまり期待する人はいないと思います。
量は普通です。素材や味付けに関して、特に気が付いたことはありません。これにコーヒーをつけました。
朝食には30分もかかりません。二度寝も可能ですが、IFEで映画を見ていました。
7:10に到着することになっていますが、恒常的に早く着くようです。
羽田到着は5:47でした。ゲートに着いた時刻です。羽田到着後、TIATシャワールームの利用が可能です。なかなか使い勝手の良いフライトかもしれません。
やはり遠いのでした、台北(桃園)-東京(羽田)。素直にピーチの狭いシートで我慢するのが正解です。それどころか、桃園-松山または成田-羽田のバス移動と組合わせて、松山-羽田または桃園-成田を使った方が早いのは間違いありません。
それでもSingapore Airlines、ANAと、Star Allianceの2大優等生のサービスを続けて体験でき、新鮮でした。意外だったのは、永遠の二番主義だろうと思っていたANAのサービスにも個性が感じられたことです。日本でのANA人気は、JALのアンチテーゼとしての存在ではなく、純粋に中身が評価された結果だと分かりました。