読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

エティハド・パートナーズ(1)

時代の潮流に乗る中東3会社。広く路線を張り巡らせ、ナショナルフラッグキャリアを源流に持つ旧勢力のエリートたちとの間に摩擦を起こしていることは、よく知られる通り。ビジネスとしてはLCCの方が先鋭、脅威のはずですが、エリートたちも経済原理の前には騒ぐこともできず、外国の会社の方が抵抗しやすいという背景もありそうです。

 エミレーツ(EK)が1985年, カタール航空QR)が1994年, エティハド(EY)が2003年にそれぞれ運航を開始。何十年も運航していると、社会状況の変化によるリストラ経費が常時経営を圧迫するわけですが、中東3会社にはそれがありません。したがって大変有利に競争できます。不利な要素は各国の規制ですが、これは縮小される一方です。

 雑駁に言って、アラビア半島には石油目的以外での渡航は稀だったので、これら3社の場合、中継が成長のカギです。すると欧州とオセアニア、インド、東南アジア間の旅客あるいは、インド、東南アジアとアフリカ間の旅客が、ターゲットになるでしょう。

3社で一番古いEKの本拠地DubaiはEKで人の往来を確保、さらに人の流れを国内に導くため観光地としての開発を進めました。単なる中継地が国家として発展した例にSingaporeがありますが、Dubaiはこの歴史的な成功例を意識して国家運営を行っている気がします。地域開発か、政治学の題材のような話です。

 

最も新しいEYですが、Abu Dhabiが拠点。原油は十分ある国ですが、国家を支える柱は複数あった方が良いので遅ればせながらEYを創始したのでしょう。そこでまさかの石油価格暴落。待ったなし感が強いのではないかと思います。

 

いくら金持ちの国でも、放漫経営するわけにはいきません。また他社と違う戦略が必要です。EYの場合、ハリウッドの大物女優の起用などという派手な部分もありますが、それより重要なのは路線を補完する提携です。すでに主要な航空会社は3大連合に加盟しているため、簡単ではないはずでした。そこでEYは地勢や財務の上で問題を抱える会社に多額の出資を行い、自社路線網に接続して機能させるという方法をとります。これは困窮している会社にとって、非常にうれしいはず。こうして集まった会社は、Etihad Airways Partnersの名の下に再構成され、単なる提携会社とは異なる扱いになっています。

f:id:PECHEDENFER:20160612154942j:plain

 

このEtihad Airways Partnersは、航空連合加盟会社でも脱退せずに参加できます。これは考えてみれば当たり前ですが、参加会社にとっては、かなりおいしい話ではないでしょうか。現在以下の7社が参加しており、EYを合わせて計8社の小連合。(  )内は、本拠地、加盟連合、マイレージプログラムです。

・Alitalia(南欧、SkyTeam、MilleMiglia)

・airberlin(中欧、oneworld、topbonus)

・NIKI(中欧、oneworld、topbonus)

・Etihad Regional(中欧、-、Etihad Guest

Air Serbia(東欧、-、Etihad Guest

・Jet Airways(インド、-、JetPrivilege)

Air Seychelles(南インド洋、Alliance vanille、Etihad Guest

 

これを見ると北欧がやや弱いものの、欧州では十分な路線網を得ています。またJet Airwaysは、インド各地から中東、アフリカへの労働者を輸送する上で重要な貢献をしているはずです。

 

旅行者にはAbu Dhabiの国家戦略などどうでもよく、EYの経営戦略すら関係ありません。問題になるのは常にサービスと価格。このEtihad Airways Partnersの何が良いかということを調べてみました。Etihadのウェブサイトに謳われていることは以下の通り。

・利便

一予約、一航空券で複数会社が利用でき、広がった路線網のどこへでも人と荷を運ぶ。

・特典

マイレージ会員として、全ての航空会社でマイルを獲得し、利用することができる。

・選択

提携会社が提供する350を超える目的地へ旅行できる。

・快適

8時間を超えるビジネスクラスのフライトでは、完全にフラットになるベッド。

・一貫

どの航空会社に搭乗しても、快適さと客の持て成しでは高い水準が期待できる。

 

利用者の目からすると、通常の提携と変わりません。むしろ提供サービスにEYのお墨付きを与える規準のようなものに見えます。客との関係では、規準を満たす優れた会社だとプロモーションを行うだけなのでしょうか。