PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

フライングプルー マイル加算率の変更

いつもの通り、予告も通知もなし。Air France利用時のマイル加算率は、5月 1日に変更されました。客にとっての改良です。今時珍しいことです。

 

まず国際線で大きな変化がありました。

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今まで一律300%だったファーストの加算率に差がつけられるようになりました。450%が新たに設けられた加算率。これは極端です。予約クラスPなんてチケットを購入する人は一握りのはずですが、こんな高いキャビンボーナスは他にあるのでしょうか。

 東京からパリ経由でNYを往復すると、資格マイルが87,129 milesになり、一発でプラチナ会員になれます。毎年一往復すると、毎年プラチナ会員になり得られる特典マイルは106,491 mies/年。大胆というか何というか、これはこれでマイレージプログラムを破壊する方向です。傾斜を極端にする変化ですから、料金制の導入は遠ざかりました。

 

ヨーロッパ線も変わっています。

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Miniという料金は、予約時座席指定不可、払戻不可、変更不可、荷物預入有料、マイル加算なしというサービスを最小限に切り詰めた航空券でした。それがマイル加算に変わりました。Flying Blueの上級会員になるための搭乗回数にも数えられるので、頻繁に乗る人には朗報です。

 ヨーロッパの出張オヤジたちのAF利用は増えるでしょう。欧州路線を年間30区間飛べば、ゴールド会員でSkyTeam Elite Plus。無料ラウンジアクセスができる会員レベルです。LHの100,000 milesの搭乗、BAの600 tier pts(格安運賃の欧州便の搭乗だと120区間)よりはるかに簡単です。オヤジたちのエールフランス!っと。日本でのイメージが....。

 

インド洋、カリブ方面と国内線は以下の通り。

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国内線のBasicは欧州線のMiniと同様の料金体系で、マイル加算はゼロでした。それも25%に改良されました。

 

Air France子会社のHOP!の便でも、同様に欧州線のMini、国内線のBasicでそれぞれ20%、25%加算されるようになりました。これは 6月 1日からです。

 

ちなみにTransaviaは、昨年 5月19日より体系を整えています。

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いずれの料金でも250か500 miles加算されます。ただし最低の料金Basicだと片道当たり5 EUR徴収されます。この会社はLCCですが、搭乗により資格マイル、特典マイルともFlying Blueに加算されます。

 

なお、KLMの搭乗に関しては変更ありません。

 

年末の報道によると、Flying Blueの改革は進行中のはずです。

フライングブルーの改悪(?)予告編 - バス代わりの飛行機

ニュースと今回の加算率を合わせて考えると、

・とにかくマイルをつけて、LCCへの顧客の流出を止める。

・シルバー会員の会員特典を最低レベル(SkyTeam Eliteの共通レベル)にする。

ということは見えてきました。HOP!やTransaviaでの格安運賃でもマイルが加算されることが、Air Europaには都合が悪かったのでしょうか。高収益な体質でないと、マイルをつけることが負担になるのはわかります。それで無料航空券の発行が集中するなら、独自のFFPを持つのは致し方ありません。

 

搭乗回数で上級会員になりやすくして、一方でSilver会員へのサービスを減らすのはかなり賢いやり方なのではないかと思います。SkyTeam他社、例えばアリタリアやデルタとの会員獲得競争もありますから。SkyTeam Elite会員へのサービスは、oneworld RubyやStar Alliance Silverに比べると手厚いのですが、Flying Blueでは、Silver会員にいくつものサービスをさらに加えていました。今回の改革でマイル加算の機会がだいぶ増えるので、Silver会員の数は増大するはずです。それではやっていけないので、多くの会員特典を廃止して、SkyTeam他社並みにするようです。

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改革は2016年第一上半期に開始、2018年第一上半期に完了するそうですが、初期の方向は見えてきました。まだまだ評価するには早いのですが、良い方向へ向かうことを願います。