PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

スカイチームから距離をとるアリタリア

Alitaliaの機内誌、Ulisseに記載されている路線網案内が変わってきています。自社運航網、コードシェア便就航地、路線などを地図で示しているあれです。

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そもそも航空会社の紹介が、

Etihad Airways Partners

SkyTeam

その他提携各社

の順です。SkyTeamよりEtihadとの付き合いが上に来ています。逆転してしまいました。

 

欧州の路線図。

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赤三角は自社運航の都市。赤線がFCO線、緑線がMXP線です。次のカテゴリーが黒三角で、これはEtihad Airways Partnersの就航地。そして緑三角が「他のパートナー」就航地です。SkyTeamの名前は消えました。

 

世界路線も同様。

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赤三角:自社就航地

金三角:Etihad Airways Partnersの就航地

緑三角:「他のパートナー」就航地

です。Virgin Australiaの就航地も入っていますが、金三角です。さらにEtihad Airways Partnersの就航地には、紫線で路線が示されています。Abu DhabiとSydneyがハブになっています。いうまでも無く、前者はEtihad Airwaysの、後者はVirgin Australiaの拠点です。これらの路線だけ特別扱いになっているのでした。さらにEtihadの就航地と他の提携会社の就航地が重なる場合、常に金三角が上になっています。Etihadの存在感を示す地図です。

 ところでVirgin AustraliaはいつEtihad Airways Partnersになったのでしょうか。

 

北米だけは例外。共同事業をやっている関係でしょう。

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黒三角がAF, KL, DLとのジョイントベンチャーパートナーによる就航地と書いてあります。

 

結局Alitaliaの路線網には、SkyTeam加盟会社との提携という分類みは現れません。そういう考え方は無くなったのでした。

 

Alitaliaは、第一にEtihad Airways Partnersの一員であり、SkyTeamにも加盟している会社になりました。少なくとも本人の自意識ではそうです。EYと組む前、AlitaliaはAFと密にやっていたのですが、援助があまり受けられない割には、口ばかり出されたようでした。しかし今日の路線案内は、過去の恨みをはらしているというような子供っぽい話ではないと思います。

 突き詰めて言うと、ヨーロッパの空はまだまだ供給過剰で、フルサービスキャリアーが多すぎるのです。SkyTeamだけでもAF(仏), KLM(蘭), AZ(伊), SU(露), UX(西), OK(チェコ), RO(ルーマニア)と7社も加盟しており、1,2社消えても、欧州内の路線網はほとんど変らないでしょう。各社にしてみたら、SkyTeamに加盟しているという理由で、旅客を呼び込めるうちは良いのですが、Alitaliaの場合はそうでなくなったのでしょう。この7社を比べると、積極的にAlitaliaを使う理由が見つけにくい路線が多いように思われます。

 Etihad Airways PartnersではEtihadの路線とつなぎます。欧州内での競合が少なく、Alitaliaは実質的に新しい旅客が増えたのだと思います。会社の収益がそのまま機内誌路線網の案内に出たのだと思います。

 一方で、AlitaliaがSkyTeamから離脱することも考えにくいことです。SkyTeamであるから長距離便に搭乗する私のような客もいます。SkyTeamの側では当然、脱退は歓迎できません。しかしそれはビジネスと言うより、他の連合との勢力争いかもしれません。

 

Etihadからの資本注入を受けて、一通りの新しい投資ができたAlitalia。投資以上に元気になったように思えます。気持ちの良い職場でこそ、良い仕事をするのがラテン。何だか今、いい感じなのですね。客としては気持ちよく旅ができれば良いので、私的にはAlitaliaは今一押しです。