昨日、香水類の機内免税品販売価格を少し比較してみたのですが、他もいろいろ見ると、まだまだ安い航空会社があることが分かりました。要するに「勉強不足」。
免税品はスーパーの特売と違って、比較して「こっちが安いから」という理由で搭乗するわけではありません。免税品の値段の差で航空会社を選ぶ人も少ないでしょう。この点で価格競争は働きにくいのですが、一方でカタログをウェブに公開、搭乗前注文ができることが普通になっています。品切れ防止のため始められたのでしょうが、多社間の価格比較を容易にし、優劣がはっきりするようになったのは、皮肉なことです。
意外な線をあたってみると、意外な結果が。ロシアのAeroflotです。
もちろん英語のページがあります。冷戦時代ではありませんから。そこには概要が出ていますが、我々の関心は客室乗務員ではなく、カタログ。
SKY SHOPをクリックすると、以下のロシア語のページが現れます。
困ったと、元のページからSKY SHOP CATALOGをクリックすると、やはりロシア語のページが。
どうも違うページらしいのですが、何がどう違うのかよくわかりません。よくよく見ると、SkyShopのロゴのすぐ左側で言語の切り替えができるようになっています。今時英語のページがないと、販路が限られるので当然です。冷戦時代ではありませんから。
香水類のページ。
間違えました。これはロシア語。英語のページは
至って普通の感じです。レーニン主義のスローガンなんか出て来るはずありません。冷戦時代ではありませんから。
驚いたことに種類が非常に多く、単品の販売だけで75アイテムもあります。香水大国フランス、イタリアのAir FranceとAlitaliaがせいぜい30アイテムなので、驚異の品ぞろえです。品不足でガラガラの商店に何時間も列をなした世代なら、隔世の感を抱くことでしょう。
それから価格が安いのでした。昨日と同様、共通している商品で各社1 mLあたりの価格を計算、比較してみました。
容量が異なると、単位量の価格がかなり変わります。したがって容量が同じ商品だけ比較しました。表から明らかなように、
・Aeroflotでは、他社と比較可能な商品はいつも最安。
比較したのはCX, SQ, EK, AF, AZ, SUの6社ですが、香水大国のフランス、イタリアに対して完全勝利というのは、なかなか印象的です。
表を作ってから気が付いたのですが、もとのウェブサイトにもどると、
・事前注文では5%引きが受けられる
とはっきり書いてありました。これらは5%引きした後の価格のようです。5%オフが無ければ、AF、AZとの差は縮まるし、VersaceのEros pour femmeは逆転します。
それでも安いことには変わりません。安いからこそ、売れ、それで販売している商品の種類が多いのかもしれません。もしAeroflotに搭乗することになったら、香水類は要チェックです。
Karl Marxも今の世の中だったら、フラグランスぐらい使ったかも、意外とVersaceあたりが好みかもと、Aeroflotの価格を感慨深く見ていたのですが、我らがAir Franceにも秘密兵器がありました。
Air Franceの機内免税品の事前注文のサイト
http://laboutique.airfrance.fr/
はもちろんカタログとしても機能します。
このトップページには、2種類のクーポンがついています。
クーポンは地上で印刷、持参して搭乗。このサイトは事前注文だけ行い、機内清算という形のようです。商品の受取-清算時に乗務員にクーポンを渡すと、
・50ユーロを越える注文に対して10ユーロ割引
・100ユーロを越える注文に対して20ユーロ割引
50ユーロから200ユーロまでの注文なら、うまく使えば20%オフ、悪くても10%オフです。事前注文とクーポン利用を前提とすると、Air Franceの機内免税品の方がAeroflotより安くなります。場合によってはかなり得でしょう。
大抵の香水類の価格は、50 EURを越え、100 EUR未満です。一品買って10 EUR引きというパターンがほとんどかもしれませんが、相当安くなります。
このクーポンはtransaction毎に使えるとあります。文字通りに解釈すれば、別々に注文した場合、それぞれの注文で利用できます。搭乗あたりの重複利用を禁止しているようでもありません。どちらにしても免税品を一人当たり200ユーロ以上買う人は少数派でしょうから、あまり気にすることはないと思います。
航空会社によっては、機内販売前に割引クーポンを時々配って、販売促進を図ります。15%OFFなどと見ると、性格的についつい財布の紐を緩めてしまう人もいるでしょう。しかし賢い消費者なら、常時割引のAeroflotやAir Franceと冷静に比較した方が良いことがわかります。 買い物は計画的にし、搭乗前にカタログチェックです。舞台はグローバルになりますが、日常生活でのスーパーの価格調査と何も変わりません。