最近、元気が良いAlitalia。客の方も「Alitaliaで旅行できて、うれしい」と喜びを演出した方が良かろうと、一番に乗り込みました。
通路で頭上物入れを相手に奮闘している客室乗務員。背中から"Buongiorno"と声をかけます。搭乗が始まっているのだから、「出迎えぐらい出たらよいのに」と思わないわけではありませんが、やはり日本人クルーでした。「任務に熱心」がどこに現れるかですね。
B777-200の最前方キャビン。少し前まで、Magnifica Classと呼ばれていたビジネスクラス。シート配列はそのままにシート本体のみマイナーチェンジ。
黒とオレンジのコントラストが鮮烈なPoltrona Frauのシートです。ヘッドレストの革カバーにはAlitaliaのAの字が、その下、肩高の座席の背にはPoltrona Frauのロゴがそれぞれ型押しされています。
中央の2席は一列ごとに
・通路側にシート、中央にサイドテーブルやコントローラー、棚など
・中央に並んだシート、通路側にサイドテーブルやコントローラー、棚など
という配置になります。後者のシートは、見知らぬ他人が隣では少々問題。ただし、シート間は一枚壁で隔てることができます。この点、BAのClub Worldよりだいぶマシです。窓側も一列ごとに
・窓側がテーブルなど、通路側がシート
・窓側がシート、通路側がテーブルなど
という配置。一人旅ならシートが窓側、テーブルが廊下側という席がプライバシーの上で優れています。カクテルテーブルとして使うことが多いことを考えると、グラスは右手に来るので一人旅向けの最上シートは1A, 3A, 5A, 9Aとなります。
赤い円柱状クッションもAlitaliaのAの連続模様。テーブルにはマガジンラックが、肘置きの下の物入れには、ペットボトル入り水が見えます。変な位置からLEDの自在照明が生えています。肘置きの上はシートコントローラーとIFEのリモコン。
並んでいるのは良い設計だと思います。シートの調整は簡便型。ただしシート全体を前後に動かすボタンがありました。このことから想像できますが、このシートは前後にずいぶん余裕がある設計です。
IFEの画面は標準的なサイズ。テーブルは前の席の人の背にあたります。テーブル板を跳ね上げ、固定するタイプ。水平にしても前方にズラことができるので、テーブルセッティングをそのままに廊下に出ることは無理なくできます。
オットマン兼ベッドの足置きの上に枕、布団、スリッパがおいてあります。オットマンの下は物置きとしては小さく、靴ぐらいしか置くことはできません。しかし足元は十分広く、そもそも足を置く空間は廊下側に開放しています。寝返りが可能でした。
ちょっとしたことですが、搭乗時毛布などはオットマンの上にあり、シートの上にはクッションしか置いてありません。見栄えがします。こういうこだわりが個性であり、文化の蓄積が感じられる部分です。
前の客のサイドテーブルよりやや幅が広い足置き。前の客がグラスを倒すと、重力の効果で「雨漏り」が起き、足が濡れます。
IFEはひとつ前の世代のものです。A330の方が新しいシステムを使っています。このシステムは画像も荒く、今一つ。なお通常タイプのヘッドフォンが貸し出されます。
テーブル下方には安全上のしおりを差し込んだラックと電源コンセントがあります。
安全のしおりだけ、他の機内冊子と別にしたのはとてもよいアイディアです。
Poltrona Frauのシート。包み込むような感覚もありますが、固めで疲れにくいシートでした。高級家具メーカーとして有名ですが、輸送機器ではRecaroと並んでよく使われます。軽く作れるのでしょうね。もちろんRecaroよりゴージャスで、肌ざわりのよい革を使っています。シート自体は一ランク上を狙っているようで、それは成功しています。
ビジネスクラスのフラットになるシートは、着席時を重視すると、でこぼこが多すぎて、快適なベッドにはなりません。このシートに関しては、ベッドにしても凸凹が少なく、物理的にフラットに近くなりました。そのためよく寝られます。
ビジネスクラスメニュは以下の通りで、飲み物、ワイン、食べ物がそれぞれ別になっています。
アリタリアのロゴの連続模様は、エンボスが入りです。ワインと食物は3か月単位で変わるようです。これは夏期メニュー。
雑誌は、機内誌Ulisse以外に別冊ファッション誌も。
Alitailaのラウンジにおいてあるものと同一です。なお免税品カタログGriffairにも、別冊があり、ビジネスクラス専用のようでした。
このCollection版には、高価な商品が掲載されてます。時計とかコスメ系が多いようです。JALの森伊蔵のように、プレミアム商品をビジネスクラスのキャビンで販売という意図はないと思います。
雑誌類はなかなか華やかで、私のような一般人が感じるイタリアです。
ポーチも配られますが、バッグという方が適切なサイズ。
デザインが良く、このまま汎用袋にも使えそうです。