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バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

航空会社は相手にせず

フランス、ドイツなどの労働削減先進国では、バカンスシーズンに民族の大移動が起きます。航空会社も、鉄道会社も、バス会社もかき入れ時に違いありません。数多くのキャンペーンを打ったり、広告を出すのは当然。メール広告が頻繁に届くシーズンです。今年も例年通りですが、7月26日に届いたメールは、風変りでした。

 

比較広告?

”Le Match de l'été : TRAIN vs VOITURE...qui l'emportera?”

"夏の勝負:列車対自動車...誰が制する?"

と題したメール。フランス国鉄SNCFから届きました。

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むしろ列車か自動車か?

今年の夏、選択は易しくないと?我々の専門家が、貴女のために列車と自動車を比較します。答がみつかるように...。

自動車の移動と列車の移動を比べようという話です。SNCFが自動車を応援するはずがないのですが、イラストが面白いので、ついつい引き込まれます。

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渋滞と料金所(共に複数):列車優位

渋滞(単数)のため、会う約束を反故にします?論外ですよね。私たちの提供するアプリでは、クリック一つで到着時間は好きなようにでき、計画も変更できます。

まず当然な情報を示して、自動車の移動は如何にも健康に悪そうに描いてしまいます。なかなかやります。

 

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忘れえぬ出会い(複数):列車優位

親密な知己を得るためには、ポケットチーフの中に5人折り重なるがごとく6時間の旅をするに限ります。それはさておき、列車の中でも知り合うことは可能です。少し儚いのですが...。車両にあるバーでの運命的な出会いとか、携帯で貴女と同じゲームをやっている隣の客とか...。

列車で出会うという話は、それほど突飛ではありません。いずれにしても、人間関係は車よりお気軽。親睦より出会いです。

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限界を試す:列車優位

休憩を取りたがらない専横な運転手なら、貴女の忍耐力を試し、鍛えるのに理想的な機会となります。一方列車なら、少しでもしたくなったら、弾け散ることができます...。他のすべての列車内サービスについても語る必要はありません。

この種の運転手は、日本では非難の的になりそうですが、フランスではありがちなのでしょうか。ハンドルを握ると性格が変わる人が大勢いるのは、日仏で共通していますが...。

 

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意義深い時間、無意味な時間?:列車優位

選ぶのは貴女。列車では全てが許されます。仕事する、吐き気なく読書する、他人の音楽を聴くことなく、自分の音楽を楽しむ。それは良いのでした。

大柄で暑苦しい男性に両方から挟まれ、窮屈になっているというイラストは車の中ですか?女性は、音楽と仕事の両方と欲張っています。lire sans avoir envie de vomir(吐き気を催すことなく読む)も、なかなか着眼点がよろしいようで...。時間があると本を読む人は非常に多いのでした。

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望むだけの荷物:列車優位

一度出した荷物を全て押し込めるため、テトリスをする必要はもうありません。くつろいで座ってOK。場所はあります。

税金の関係から、大型車はまるで人気がないフランス。個人所有の車は、普通ハッチバック車。一方でバカンスは連続数週間。必然的な結果として、荷物のマネージメントに一苦労。収納にもアイディアが尊ばれる所以です。

 ところで携帯手荷物が制限ないかと言うと、そうではないでしょう。この広告を片手に、多量の貨物の持込みを主張する人が出てきたらどうするのでしょうね。

 

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さて、決めましたか?

白熱した戦いとなりそうでした。:でも列車に5ポイント!

我々の専門家は貴女を納得させたでしょうか。Voyages sncf.comでは、バカンスへの出発の準備と心穏やかな旅のため、列車のサービスと列車ならではの長所を総合的に調べることができます。貴女の日程で一番良い料金で旅発つため、最安値カレンダーをご覧あれ。

とまあ、結論はわかりきっていました。イラストもべた過ぎて笑えます。最後に "JE PARS EN TRAIN"(わたしゃ、列車で出発)とリンクを張るのもお約束。

 

で、完全無視

航空旅行は全く問題にされていません。SNCFとしては、語るに及ばないのでした。実は夏の間、列車 vs 航空機のバージョンが届くかと楽しみにしていたのですが、遂にそれはなりませんでした。

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SNCFで移動するような距離は、バカンスで大勢が移動する距離であり、それはフランス国内全域(France métropolitaine)に国境から近い場所を加えた領域になります。かなり広い領域ですが、航空機移動なんて出る幕ではないということなのでしょう。

 

フライングブルーでは、フランス国内在住者と国外在住者で上級会員資格基準が違います。以前は、国内在住者だと国内線の搭乗回数が算入されなかったのです。いつの間にかこの制限がなくなっています。列車との競合が無くなった、つまり全く相手にならなくなったというエールフランスの敗退を意味します。

 

このSNCFのメールには、航空旅行派として歯がゆさを感じました。