PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

機内食における究極の選択(その3)

量や時間に制限があるか、カロリー過多になるか、食料廃棄が多いか

エコノミークラスでも問題になる三律相反。最近は、搭乗前に空港ラウンジでたらふく喰っている方も多いようです。地上ラウンジビュッフェより、機内食の方が重量基準でもカロリー基準でも高くつくはずですから、この状況は航空会社にとって好都合。とは言え、地球規模のepidemyと言われる肥満を助長するのに手を貸すのも...。しかも、余ると廃棄せざる得ないのが機内食。どれだけ食料が余るか読めなくなるのは問題。それでは量と時間に制限をかけると、不満や怨嗟の起こる確率が高くなります。

 

しかし、分量と提供時間にはっきり制限を設ける会社が出てきました。例えば、FinnairとSAS。共に北欧の会社です。機内食の低減による経費削減が目的ではなく、人件費削減(=労働量の削減、組合対策)と社会からの圧力による無駄の削減が原因に思えます。したがって量だけでは無く、客側の時間の自由度と一緒に考える必要があります。根は深いのでした。SASではトータルの量は問題ありませんが、食料を手に入れるのに購入しか方法が無い時間帯があります。また無料提供のアルコール類は量が決まっています。共に購入すると、LCC並みに価格が高めです。Finnairも同様に購入するしかありませんが、量はさらに少なめです。

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 飲み食いに関しては、搭乗前、搭乗後に調整なんかいくらでもできます。それで無駄の無いようにすればよいのです。Finnairや SASのエコノミーを定期的に利用するような客だと、事情を良く知っているので問題になることは無いでしょう。何より、こうした不自由を補って有り余る魅力がFinnairや SASにはあります。初めての客は、サービスのパターンを事前に調べるかどうかで大きな差になります。

 こういう会社は、予約客に徹底した情報開示を行うと良いと思います。搭乗後に不満に思う客が激減するだろうし、ケチだという印象を与えることも無くなるでしょう。せっかくの笑顔のサービスなのに、不満を残されては勿体ありません。

 

ラテン系の会社では、基本的に食べ物があふれていて、こういうことは起きにくいように感じます。サービスが終わった後に、セルフサービスのカウンターが営業を始める場合も多いと思います。無駄も多いはずなので、エコ派を自認する人は耐えられないかもしれません。またここでもカロリー摂取過多を助長します。

 

食べ物に関することだけに、感覚だけで、「この会社はダメ」などと全否定になりやすいと思います。他人の意見を聞く時はその点に気をつける必要がありそうです。

 

事前手配するか、現場で雰囲気を見て決めるか

糖尿病食、ベジタリアン、宗教食の場合は事前注文を行うのは当然ですが、ここではグルメセレクション的な機内食の事前注文。「うちはこんな料理も用意できますよ、凄いでしょう」みたいな宣伝感覚も付きまといます。エコノミークラスだと有料だったりします。

 

例えば、美食の国フランスの国威を一身に背負っている(と勘違いしている)エールフランスでは、長距離エコノミークラスの機内食に"Menu A la Carte"というグルメ用の特別食が用意されています。この命名はoxymore(自己撞着、形容矛盾)ですが、今では5種類まで成長し、がんばっています。12~28€の追加料金が取られますが、その価値はあります。

Menus À la Carte

または

アラカルトミール :トラディション・メニュー、オーガニック・メニュー、イタリアン・メニュー - エールフランス航空

に必要な情報があります。PechedenferもAFの長距離エコノミーを使う時は、いつも利用しています。

 

AFはスタンダードな機内食でも、質量共に良好ですが、Menu A la Carteは特別感があります。金を余計に払ったためか、他のサービスも優先してくれたりします。

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ファーストクラスやビジネスクラスでは、本来機内には用意していない食事を、無料で頼むことができる場合もあります。こういうオプションは、存在することがサービスの一部。オプション維持のコストはあらゆる客が等しく負担しているので、利用した方が得なのです。シンガポール航空やマレーシア航空で知られていますが、MHのそれはChef-on-Callと呼ばれます。

Fly With Us - In-Flight Meal - Chef-on-Call | Malaysia Airlines

Pechedenferは今年MHを数回利用し、同じ機内食にも飽きてきたので、Chef-on-Callを3回利用しました。ウェブの案内と異なる食材を使っていたり、スタンダードな機内食にも同じメニューがあったり、それがどう見てもスタンダード版の方が見栄えがよかったりと、カオスな体験が相次ぎました。短期間にMHのビジネスクラスを何回か利用する機会があるなら、スタンダード機内食とChef-on-Call、両方試すと忘れえない体験になると思います。変な褒め方ですが、カオスぶりにとにかく心動かされます。

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スタンダードな機内食を選ぶ場合、すでに配膳が終わっている人を見ながら、最後の決断をすることができるので、比較的安心です。一方で事前注文は、開けてびっくりと言うことが少なくありません。間違いなくギャンブルです。追加費用が見合っていないと思う可能性もあります。

 

しかし確実に言えることは、航空会社にとって事前注文サービスを利用する客は、上顧客だということとです。サービス維持のために貢献しています。客扱いは良くなるので、その意味では利用できるなら積極的に利用した方が良いと思います。