Aeroflotの搭乗記の途中ですが、体育の日スペシャル。阿蘇山が噴火したそうですね。外国にいると日本のことには疎くなります。さては後れをとったかと、素直にニュースを検索しても、中国語が表示される始末。面倒でフォローする気を失います。
36年ぶりですか。
本日は阿蘇の話ではなく、少し前にJALに驚かされたので一話挿入。旅で驚きがあることは良いことなので、以下は肯定的なお話です。少なくともPechedenferには。
JALファーストクラスラウンジの赤ワイン
ブログを読んだり書いたりする人には、何をいまさら感が強い、成田空港第2ターミナル本館3階、JALファーストクラスラウンジ。一方、旅行ライターが書くとか、TV番組が扱うと、一般人には近づけない特別な場所になるから不思議です。紹介する人により、ここまで異なったトーンで語られる場所は少ないだろうと思います。
それでもこのラウンジに採用されたワインは、誰かが一級品のお墨付きを与えたワインということ。少なくとも宣伝で使えます。国際線ファーストクラスというと、高級で上品なイメージが付きまとうのでしょうか。
とにかく、現在(9月~11月)の赤ワインは、びっくり。
ラベルを逐語訳します。
「2012
ブルゴーニュ
尻見せ(あるいは「ケツ見せろ」)
規制呼称ブルゴーニュ
瓶詰めした者
ルネ・ブヴィエ
ジュヴレ・シャンベルタンにて」
ファーストクラスで、尻見せ(または「ケツ見せろ」)ですか?これは、nom de climatなので、このワインのもっとも適当な名称になります。
JALさん、大丈夫?
Toponymie
実はこの「尻見せ」という区画、行政上はDijon市内にあり、La Côte de Nuitsの北限の畑となります。語源の記述は絶対どこかにある、生産者の説明ぐらいはあると、googleってみたら、Wikipediaの記事がありました。
Bourgogne montrecul — Wikipédia
この名前は圧倒的に奇妙、フランス語では「興味深い」ので、書く人がいるのですね。ちなみにフランス語のページしかありません。この区画に特有の内容は少ないので良い記事とは言えませんが、名前の由来はしっかりありました。
傾斜があまりにも激しく、下から畑を望むと、作業している農婦の尻が見えたからだそうです。(中世の農民ですから、簡素な「ワンピース」をかぶっていただけです。下着なんて凝った構造のものを身につけるはずありません。)
と、やっぱりブルゴーニュ的な歴史があるのでした。
ラベルのイラストも、この由来を表現しています。しかしこれは、昔の版画調。農婦というより、得体の知れない獣にも見えます。
それはそうと、「季節のワインセレクション」は現在、9月ー11月のメニュー。ウェブサイトで内容を知ることが出来ます。
Champagneの他は白、赤ともにBourgogneと、フランスワイン好きには、今季はたまらない品揃えとなっています。
JALファーストクラスラウンジのサービス
その夕べは、職員が二人一組でテーブルを周って、Champagneの給仕サービスがありました。白服JAL大姐がトレイに空のフルートグラスを並べ、JAL爺がボトルをもって、客の前で注ぐという趣向です。こんなサービスを行っているとは、知りませんでした。Pechedenferは、もちろん頂きます。
ちょうど握り寿司のカウンターが終了して寂しくなった頃のことです。憎いタイミングですね。赤ワインのグラスを片手に、一人静かに搭乗を待つ淑女がいます。それが絵になる時間です。
JAL爺:シャンパンはいかがですか。(盆の上のグラスに注ぎ、客に渡す)
客淑女:ありがとう。(グラスを受け取る)ずうずうしいようですが、「尻見せ」もお願いして宜しくて?
なんて、会話があったかどうかは知りません。(ラウンジの様子、創作なしです。)
Boillotは期待を裏切らない出来。Montre-Culも上質なワイン。念のため。