PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

レオナルド・ダ・ビンチ空港ローマ

大寒スペシャルは、Alitaliaの本拠地を。

 

ローマにも国際空港が2つあります。ひとつはCampino(CIA)で、1916年というので、第一次世界大戦中に開港している歴史の長い空港。ローマ市内にあります。当然のことながら、その後の拡張が難しくなったため、1961年、市の西南西 30 kmの海沿いに Leonardo Da Vinci Roma Fiumicino(FCO)が開港しました。こちらもすでに55歳。

 FCO開港以来、CIAは長らくチャーター便専用となっていました。2007年にターミナルの拡大を行い、現在はLCC(Ryanair, Wizz Air)が利用しています。
 東京で言うと、成田を立派に整備、羽田をLCC専用にしているようなものです。FCOも都心から遠いわけではないので、こういうことも許されるのでしょう。


同じく大きな国際空港が2つ(MXP, LIN)あるミラノとはまた違った形の運用です。とにかく日本からの便が到着するのは、FCO。CIAの利用経験がある日本人は少ないのではないかと思います。PechedenferもミラノのMXPとLINは利用したことがありますが、CIAはまだです。

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FCOには、ターミナルは4つあります。Terminal 1, 2, 3, 5と名付けられています。Terminal 3には、シャトル列車で連絡されるサテライトがあります。日本を含めた長距離国際便の発着は、Terminal 3のサテライト。乗継時の保安検査は、Terminal 3のメインビルディングで行います。日本から北米やアフリカに乗り継ぐ場合、保安検査のためだけに離れと母屋を往復しなくてはなりません。

 

Terminal 3のメインビルティングとTerminals 1, 2は、実質的に1つの建物。商店、免税店も共通しています。

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Alitaliaは

Terminal 1をSchengen域へのフライト

Terminal 3をSchengen域外へのフライト

に使うようで、分かりやすい運用です。ただし距離にかかわらず、Alitaliaをよく使う人は、頻繁に空港内を往来する印象を持つことになります。

 

LHRやCDGのように救いがないほど肥大化した空港ではなく、欧州の窓口として使いやすい空港です。FRAやMUCに比べても、乗継ぎは容易です。ただFCOをハブに使うには、東京から遠いのですね。6,200 milesもあります。乗継ぎを行うと、欧州のたいていの都市へ行くには、遠回りになります。HEL(4,900 miles)か、SVO, DME(4,700 miles)に分があります。

 慣れればCDGは使いやすく、サービスも充実した空港ですが、初めての個人旅行では問題に出会う可能性が高そうです。

 

Terminal 1、B4ゲート付近のピアノと自動車展示のコーナー。自動車は特定のメーカー専用ではありません。生演奏がある贅沢な空港です。

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ちなみにTerminal 1の一番奥は、Mercedes-Benz Cafeです。そちらではMercedesの実車が展示されています。

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Alitaliaのラウンジは、T3サテライトのCASA ALITALIAが立派ですが、Terminal 1にもあります。

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こじんまりとしたラウンジですが、ソファは立派です。2階があり、不思議なところにもソファーがあります。

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美術館の中の休憩所のようで、さっぱりした空間です。食物の種類は少なくても、まずまずの品が置いてあるのはイタリア。ここも美しいラウンジです。しかし一つだけ経験するなら、CASA ALITALIAの方でしょう。コンセプトから、しっかり考えられていると思います。

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なお、この空港はショッピングが魅力的です。イタリアのブランドはずらずら並び、免税店も充実。特筆すべきは食品で、料理をする人には一見の価値あり。スーパーに行くつもりで、買い物袋を用意すると良いと思います。

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ただし高品質の品が多いので、調子に乗って買っていると、瓶詰だけで簡単に1万円超えになるので、注意は常に必要です。

 

Montegrappaの万年筆なども買えます。全体的にオーソドックスにまとまっていますが、適度に華やかで、それが上質感をもたらします。London Heathrowは、ショッピング欧州一とされますが、そのテーマパーク的要素がしっくりこない人にはFCOの方が良く見えるでしょう。かわいいキャラなんて、あまりイタリアらしくありません。

 キャラの創造に、イタリア人は才能がないという訳ではありません。ピノッキオはイタリア生まれ。

 

ターミナル間の「連絡通路」には、別の自動車展示コーナーがあります。この時は日産リーフが展示されていました。自由に見学できます。ドアを開けて中に入る人を多数見かけました。

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イタリアの空港は実車の展示が好きですね。Bologna空港だと、LamborghiniやFerrariが飾ってあります。ところでヨーロッパは全体として、電気自動車へ舵を切りました。大気汚染が大きな原因です。欧州メーカーが不利にならないようゆっくりと規制が変わると思いますが、リーフへの関心が高いのには理由があります。

 

なおTerminal 3のシャトル列車の発着場は、駅のホームと言うより、ホール。列車があまり長くないためと、外が見えないため。

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走り出すとすぐに視界が外に出ますが、距離は長くありません。ターミナルビルの屋根の形状が特徴的です。

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日本便が出る、したがって日本人客と縁が深いサテライトについては、すでに記事にしました。

AZ784:FCO-NRT ビジネスクラス(その1) - バス代わりの飛行機

FCOターミナル3 ラウンジ Casa Alitalia - バス代わりの飛行機