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バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

アリタリア航空の機材の愛称

船舶は一隻一隻命名されます。それに倣ってか、航空機も昔は命名されることが多かったのですが、現代ではコードのみ。愛称はほとんどなくなっています。

 

飛行機の名前

昔々、日本航空の機体には名前が付いていて、それで呼ばれていたようです。今でも知られているのは「よど号」。有名な理由は、言うまでもないでしょう。保有機材が多くなった今の時代、機材にいちいち愛称をつけるのも面倒になったようで、現在のJALにはコード名以外の名前で呼ぶ習慣はないようです。

 

一方、現在でも各機体に愛称をつける会社もあります。例えばアリタリアがそうです。

 

古い写真を調べてみたら、名前に写っていました。イスキア島号

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Beppe Fenoglio号は、20世紀のピエモンテの作家の名前。

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機体番号や各種データとあわせて、こういう名称はオタク・イタリアーノの格好の餌になっていると思います。乗務時にクルーは、どこまで意識しているのでしょうか。例えば勤務予定、勤務記録に、これらの愛称は記入されるのでしょうか?

 アリタリア機材の愛称にふと関心を持って調べてみたのですが、なかなかイケているのです。イタリア語のなせる技かもしれません。クルーが機材の名前を意識していたら、会話のきっかけになるかもしれません。JAL都道府県バッヂと同じ系統のネタになります。

 

機体番号、納品年月、愛称などのデータは

Airfleets aviation | Airline Fleet, plane, airport : Boeing Airbus Embraer Atr Fokker Dash Beechcraft

で調べることができます。

 

B777-200

まずは、成田-ローマ便(NRT-FCO)でおなじみ、スリーセブンの愛称は次の通りですが、分類できます。

 

・海辺の町、リゾート
Argentario, Tropea, Taormina, Portofino (Pier Paolo Racchetti), Positano, Porto Rotondo

・山間の名所、スキーリゾート

Sestriere, Madonna Di Campiglio, Cortina d'Ampezzo

・歴史的な関心

Ostuni

 

イタリアへのお誘いという感じがします。Venezia, Firenze, Pisaなど、超有名な地名はありません。それらはイタリア人にとっては、旅行だけではなく、ビジネスのイメージが付きまとうのでしょう。極東からの観光客としては、中上級の名前が並ぶことになりますが、それも良いかもしれません。

 Taorminaは、ACQUA DI PARMAのBlu Mediterraneoシリーズの一番新しい製品の名前にも使われています。イタリア地中海の小さな都市というのは、そういうイメージになるのでしょう。ちなみにAlitaliaの機内販売でも扱っていて、かなりお得です。

 

A330

成田-ミラノ便(NRT-MXP)は、この機材です。こっちは、イタリアの芸術家の名前が使われています。

 

Filippo Brunelleschi(建築家・彫刻家・画家・金細工師、14~15世紀)
Gian Lorenzo Bernini(建築家・彫刻家・画家、17世紀)
Artemisia Gentileschi(画家、17世紀)
Francesco Borromini(建築家、17世紀)
Raffaello Sanzio(建築家・画家、16世紀)
Sandro Botticelli(画家、15世紀)
Canaletto(画家、15世紀)
Michelangelo Merisi Da Caravaggio(画家、16世紀)
Giotto(建築家・彫刻家・画家、13~14世紀)
Piero Della Francesca(画家・数学者、15世紀)
Giovanni Battista Tiepolo(画家・彫版師、18世紀)
Il Tintoretto(画家、16世紀)
Tiziano(画家・彫版師、16世紀)
Michelangelo Buonarroti(建築家・彫刻家・画家、16世紀)

 

有名人ばかりのはずですが、全部説明できたらイタリア通。専門家ですか?外国人なら半分の名前が分かるだけでも、イタリア美術に詳し過ぎ。遊び人認定されるでしょう。

 

こんな芸術家たちの話題で会話が出来たら、クルーにもインテリぶりを印象付けられます。ローマのリゾートに対して、ミラノの知性ですか。故意か偶然かわかりませんが、そういう印象を固定させて良いのでしょうか。

 知性と言えば、2016に死んだ人の中でとりわけ大きな存在だったのは、Umberto Ecoでした。この人は世界最古の大学Bologna大学にいました。個人的には、ミラノは生産拠点で、学問、芸術の印象はありません。

 

A321

欧州内路線で用いられる機材です。イタリアの都市(Lecce, Assisi, Catania, Roma, Lucca, Urbino, Orvieto, Gubbio, Noto, Vigevano)の印象的な広場の名称が使われます。歴史的な建築物や街並みがイメージできます。

 

Piazza del Duomo Lecce
Piazza di San Francesco Assisi
Piazza Del Duomo Catania
Carlo Morelli(軍技師、17世紀)
Domenico Colapietro(人名?)
Piazza del Campidoglio Roma
Piazza San Martino Lucca

Piazza Del Rinascimento Urbino
Piazza Del Duomo Orvieto
Piazza Della Signoria Gubbio
Piazza Del Municipio Noto
Piazza Ducale Vigevano 

 

人によっては、迫力のある都市風景が思い浮かぶのでしょう。偉大なるイタリア。これらも話をするきっかけに使えます。

 もっとも命名は徹底していません。2つばかり人名も入ります。こういう機材に当たったら、外れなのか当たりなのか、どっちでしょう。

 

A320

欧州内を飛び交う代表的な機材。アリタリアも数多く運用しています。愛称には人名が多いのですが、気まぐれのように風の名前(Zefiro, Maestrale, Grecale, Scirocco, Libeccio)も入っています。荒々しい風が多いにしろ、歴史上の人名は辛気臭いのに対して、風は爽やかです。

 

Johann Sebastian Bach
Girolamo Frescobaldi
George Bizet
Fryderyk Chopin
Wolfgang Amadeus Mozart
Zefiro
Maestrale
Grecale
Scirocco
Libeccio
Tomasi Di Lampedusa
Lorenzo De Medici
Edmondo De Amicis
Antonio Fogazzaro
Elio Vittorini

Beppe Fenoglio

Trilussa
Aldo Palazzeschi
Ada Negri
Giacomo Leopardi
Alessandro Manzoni
Francesco Petrarca
Giovanni Boccaccio
Ludovico Ariosto
Torquato Tasso
Niccolò Machiavelli
Giovanni Pascoli
Giovanni Verga

 

音楽家には、「イタリアにも関係があった」程度の人が含まれます。BachやChopinを入れるのはどうなんでしょう。

 

Silvio Berlusconiとか、Cicciolinaとかというイタリアらしい政治家もあると面白いのですが、乗りたくない人も大勢出るでしょう。

 

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これはA321、Piazza del Campidoglio Roma(ローマ、カンピドリオ広場)号。

 

他の会社

ルフトハンザも各機体に愛称をつけていますが、B747はドイツの州名、都市名、A330, A321, A320, A319はドイツの都市名、B777は「こんにちは+国名」のようです。ルフトハンザに比べると、アリタリアは遥かに美的、知的です。ルフトハンザにWolfsburg号はあったはずですが、アリタリアでPomigliano d'Arco号なんてありえません。

 

船舶並みに機材に名前をつけるだけでも十分詩的ですが、イタリアはさらに一枚上を行きます。

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