空港ホテル第5弾は、またCDGのホテル。パリ空港ホテルシリーズとなっています。Lutetiaの民にありがちなパリ中心主義者には自然ですが、一般には偏向と言います。Global Elite Executive Premium Travellerの皆様には申し訳ない次第です。しかし本日紹介できるのは、空港ホテルの本命、Terminal 2に併設されるSheraton。ホテルを探したり、英語以外の言語を使う時間がもったいないGlobal Elite Executive Premium Traveller向けのホテルです。
空港の建造物は、低層で面積が広く分かりにくいのですが、写真中央で長方形の窓が並ぶ建物がSheratonホテルです。手前右側がTerminal 2C、左側が連絡通路で、Terminal 2Fが左隅に少し見えます。円筒型の黒い構造物は、Sheratonホテルの煙突ではなく、管制用施設です。
地図で見たTerminal 2の全景。黄色でチェックした場所にあります。まさにTerminal 2の中心となるエリアなのです。
航空写真では、このホテルの左側に2A, 2B, 2C, 2Dが、右側に2E, 2Fが配置します。ホテルの真下がTGV駅。線路は地下にありますが、駅ホームは完全に天然光で照らされる仕組み。ホテルの軸とターミナルの軸は一致、鉄道施設は直行しています。なおターミナル2Gは、さらに右側で写っていません。つくづく大きなターミナルです。
ホテルの部分を拡大すると駐車場が併設されていることが分かりますが、ここは一般客用ではなく、空港関係者用だと思います。
なお道路に天井の一部がせり出すようなつくりですが、ここもバスターミナルになっています。パリへ行くバス、空港周辺の路線バス、空港ホテルのシャトルバスが発着します。
世界有数の国際空港の巨大ターミナルへ徒歩で10分~30分。高速鉄道で西欧中にアクセスできる駅は真下。欧州随一の都市パリへのバス停は足元から出発。交通の便に関しては、世界一のホテルかもしれません。
とはいうものの、このホテルの利用客は空港Terminalから徒歩でアクセスするケースがほとんどでしょう。ホテルのエントランスはシンプル。
この場に立って、後ろを見るとこんな感じです。ホテルはTerminal2の出発階と(ほぼ)同じレベルに入口があります。すぐ下は中間階であり、その下が地上階でSNCFの窓口などがあります。さらに降りるとTGV駅のホームとなります。
東京からCDG乗継でBruxellesへ行く場合、Air France+TGVというチケットを発券されることも多いようです。預入れ手荷物が3つもあるような場合を除くと、それも便利。
ホテルの客室は4階分しかありません。内部は巨大な吹き抜けです。吹き抜け部分の底はガラスになっていますが、これがTGV駅の中間階の天井です。天然光が地下のプラットフォームまで届く仕組みになっています。
ホテルの構造としては、窓1つに部屋1つが基本で、フロアあたり70室程度あります。規模としては中くらいのホテルです。一応設備は完備しており、レストランは内容も価格もしっかりしています。
本日は窓2つ分のスィートでした。建物の先端部分近くにあります。
リビング。隣の部屋(先端部分で、広めの部屋)をコネクティングルームとして利用するためのドアがあります。
キャビネット側から見たリビングルーム。
この机はモノであふれています。変なしつらえ。絵のようなオブジェの中央は、垂直降下するAFコンコルド。
このホテルはAFと提携しているのでしょうか?窓際のソファーの脇に機内誌が置いてありました。
高級どころとの提携が好きなAF。スィートにだけおいてある可能性もあります。イメージ作り、ブランド化に余念のないお国柄ですから、抜かりはありません。窓側の壁は、両側が飾り棚で窓の下がソファ。やや古さを感じさせるものの、フランスらしいシャープなデザイン。
ただしインテリアは本木目ではなく、プリント。
大型の飲料用キャビネット。
気に入らなければ、扉を閉めることができます。
寝室もベッドが窓際にあり、その両側にサイドテーブル。さらに外側にキャビネットがあります。キャビネットのデザインはリビングと共通性があります。
立地を考えると、どの部屋からも飛行機が大きく見えるはず。これはTerminal 2Fです。AlitaliaとAir Franceが見えます。
ターミナル間のシャトルバスや、搭乗・降機のバスがひっきりなしに通ります。しかし寝室もリビングも二重窓になっており、外の音は全く聞こえません。
イギリス人に壁紙の趣味をいろいろ言われるフランスですが、とてもシンプル。
腰掛けが寝室入口近くにある他は、それほど大きくない液晶テレビが部屋の隅にあるだけです。
寝る時は、普通こんな感じになるはずです。
バスルームは向って左から反時計回りに、洗面台、バスタブ、便器、シャワーブースという配置。
コンパクトで使いやすいつくりですが、狭くありません。同時利用が1人なら、ちょうど良いスペース。珍しいからくりがシャワーにありました。洗面台に載っている5色のカプセルですが、これは香料。
このカプセルをシャワーの流路に取り付けます。壁からホースが生えていますが、その生え際に、からくりデバイスが取り付けられています。
簡単にセット。臭いの持続はシャワー1回分。入浴剤のシャワー版です。
ちなみにレインシャワーではなく、大型ヘッドのシャワーでした。
部屋の玄関部分とリビングの間には、壁はありません。部屋の扉は合材で、重々しいものでした。少し高級で安心感につながります。
パリ中心部で購入した10 EUR程度の赤ワインを開けると、いかにもフランス(的な垢抜けない光景)。
このクラスのワインは、パリでは低価格。
最後にこのホテル、セキュリティが非常にしっかりしています。ホテルエントランスには常に人がおり、出入りする人をチェック。夜間にはエントランスが施錠され、内部から有人警戒。夜中に空港をうろうろする用事はないはずですが、エントランス自体はガラスの壁ですので、夜中に到着しても開けてもらえるはずです。
また廊下で迷っていると、すぐに声がかかります。
ホテルで何が一番大切かと言うと、セキュリティなのですね。この点では一流です。
なお料金は、220 EURでした。だいたい常に200 EURを超え、CDGの空港ホテルの中ではもっともお高いホテルですが、立地とハードを考えると仕方ありません。