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航空連合の「終わりの始まり」?(その2)

Alitaliaの過去とAirberlinの将来

Alitalia の経営は長らく悪い状態で、Etihad に支援を受ける前(2014年11月以前)、Air France にべったりでした。Air France は Alitalia に長距離路線を廃止させ、地域航空会社としての役割を担わせ、グループの効率を高めようという青写真を描いていたらしく、それにAlitaliaが不満であったということが伝えられています。

 Airberlin の破たんでは、Lufthansa が吸収するシナリオが取りざたされていますが、もしその通りになったら Airberlin の資産の大部分は Germanwings の路線充実へ使われると思われます。(ブランド名はしばらく健在だったとしても、LCC路線でしょう。さらに言うと、このドイツ分割時代の遺物がその暖簾を維持する価値があるのか、はなはだ疑問です。)この場合、oneworld は Airberlin の路線を失います。Star Alliance は少し充実することになると言っても、Germanwings はLCCです。レガシーキャリアの路線とは整合性が取りにくい点が多々あります。

 

つまりどういう方向に進んでも、航空連合の路線網は全体として縮小へ向かっています。

 

Etihad Airwaysの変質?

Alitalia も Airberlin も Skyteamメンバー、oneworldメンバーとは別の顔を持っています。共に Etihad Airways Partner の重要なメンバーです。Etihad Airways Partnerは大雑把に言って、アブダビの Etihad Airways が資金繰りに問題のある会社に出資、その会社が加盟するというパターンで成立したEtihadの航空連合。Etihadが親分、その他の加盟会社(Air Servia 49%, Air Seychelles 40%, Airberlin 30%, Alitalia 49%, Jetairways 24%, Virgin Australia 24%)が子分という立場ははっきりしています。

 Etihad Airways Partner は、株式の結構な部分を保有する形で加盟会社を増やしたわけですが、50%を天井に踏みとどまっています。切り売りできるわけではないので、Etihadにとってみれば路線網の充実に役立つ程度だったのです。

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しかしながら Etihad はこれらの会社とは別に2013年、スイスの Darwin Airline を買っています。この場合は株式の殆どを手にしており、この会社は2014年より Etihad Regional という名前の下、運航を行うことになりました。これは Etihadの子会社。Etihad Airways Partnerの一員でもあります。

 

Alitalia と Airberlin の破綻の引き金を引いたのは、Etihadの投資の動きです。しかし欧州でのPartnerが過剰になったため、Etihadが手を引いたと考えるのはたぶん間違いです。Etihadは先月下旬に Darwin Airlineの株もほとんど全て手放しています。小規模ながら自分でコントロールできる Darwin Airline も売り、欧州に残るは Air Serbia だけになりました。自分の言うことを聞く航空網を欧州に構築することは中止したようです。

 

ちなみに Darwin Airline の引受け手はルクセンブルグの4Kという投資ファンド。Adria Airwaysの株式の多くも持つ会社です。これを受け、Etihad RegionalAdria Airways Switzerlandに変わりました。

Suisse: Etihad revend Darwin à Adria Airways | Air Journal

 

8月23日の時点のウェブサイトでは、昔の名前で出ています

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Adria Airways は Star Alliance。将来的には Star Alliance 路線網が拡大するのでしょうか。

 

Etihadは最初から「うまくいったら儲けもの」と考えて、欧州への投資を集中的に行っただけなのかもしれません。「やってみたけれど、やっぱりダメだった」ということなら問題は小さいでしょう。しかし Etihad も業績が伸びていないという事実があります。ここに来て大きく戦略を転換した可能性の方が高そうです。Etihad Airways Partnerは、資本関係がなくなっても元通り続くはずというのは、楽観的過ぎるように思われます。ここでも航空連合は退行を始めています。