Business Travellerから拾った話題です。
最初から最後まで何かと話題を提供してきた「ジャンボ」ですが、Qantasもご他聞にもれず保有する全てのB747を引退させます。9月の時点で5機のB747-400が残っていますが、8機のB787-9のデリバリーに合わせて退役となります。
このスキームのトップはVH-OJMという1991年にデリバリーされた機材。すでに今年8月に廃番になっています。この機体は400万人以上運んだということです。
B747-400にはファーストクラスがありましたが、B787-9はそうではありません。世界中の航空会社がファーストクラスを削減、廃止するご時勢。QantasのFleetでもファーストクラスを備えるのは、もはや12機のA380だけとなります。
以上の記事で少し驚いたポイントです。機材の生涯で400万人運んだとすると、乗客一人一搭乗から1万円を減価償却に当てても、400億円にしかなりません。1991年から25年に渡り運航しているので、減価償却されるべき時期でしょう。このB747-400が幾らで購入されたのか知りませんが、航空機の値段はかなりのものです。減価償却はなかなか大変なようです。
さてANAが買ったA380-800の場合、2015年のカタログ価格で、4億2500万USD(=471億円)。
B747-400に比べて少し多く旅客が運べますが、席が埋まらなければ、同じ事。例えば25年で償却できるのでしょうか。
逆にメーカーが機材寿命とその間に運ぶ旅客、貨物の総量予想から、できるだけ高い価格を提示するのだと思います。航空機の価格はメーカーと航空会社間の交渉が全てで、定価なんて概念はないと思ったほうが良さそうです。航空機の価格なんて高い方がメディア受けも良いので、一般人は気をつけた方が良いかもしれません。B747がベストセラーになった理由は、航空会社に大きな利益をもたらしたためで、そこには減価償却の容易さが当然伴います。
本拠地の地理的な条件から、長距離輸送が多くなるQantasは、B747を使い尽くした会社の1つです。運送重量を増大させるため、5つ目のエンジンを追加装着して運航した「実績」すらあります。