誰もいない寂しいANA介助デスクに別れを告げます。実際のサービスが観察できず、残念。ANA便は6時間も後の出発ですから、まだチェックインすら始まっていないでしょう。
どの就航地でも大抵の場合、本拠地公用語による電話サービスは受けられます。この辺がレガシーキャリアの良いところ。ANAとJALはそれに加え、空港で日本人職員が対応していることが多く、かなり手厚い言語サービスです。日系が優れたところです。もっとも搭乗ゲート近くにあるカウンターは奇妙。ANAは何を意図しているのでしょう?特定の戦略がありそうな気がします。
A380の2階席は窓の角度が独特。
この2階最後部のキャビンですが、エンジン音はうるさくありません。その点は意外というか、よくできているというか、いつも感心します。
TGの安全のビデオは世界共通。フランス語字幕が出る点だけが違います。
混雑していない時間帯なので、時間通り出発、かつ順調に離陸。揺れもなく、すぐウエルカムドリンク。袋入りナッツは、cacahuètes。珍しいナッツではなく、単なる落花生=peanuts。
通路に立つ客室乗務員のユニフォームが写ってしまいました。キャビンを仕切るカーテンではありません。念のため。
乗客を黙らせるためには、何はともあれメシ。すぐに機内食へサービスは続きます。
PrésidentのCamembertは、安定した品質。当然すぎてありがたみを感じませんが、フランス国外だと質の大幅低下が避けられず、本当は意識して味わった方がよいのです。ワインはBordeaux。
ホットプレートはジャガイモとトリ。見栄えはよくありません。味は特筆すべきことがありません。普通のTGクォリティ。
ただしニンジンは、熱の通り方がフランス風。
東帝国(Österreich、オーストリア)に掛かる頃には、メインの食事終了。
後は暇になるばかりですが、持ち込んだ新聞でせっせと情報収集。フランス発だとこの点は有利。
ハンガリー上空に到達した頃。
片付けも済んだようで、後方ギャレーにはBourgogne赤のボトルが置いてありました。明らかにビジネスクラス用。2階には前方ファーストクラスとビジネスクラスの間に一箇所、そして中央より後方にも一箇所ギャレーがあります。最後部ギャレーにビジネスクラス用品を持ってくる必要はありません。クルーが自分たちのために持ってきたとか、ビジネスクラスの客が勝手にお代わりするのを防止したとか、そんな理由でしょう。
「これ、ビジネスクラスのワインでしょう?」とクルーに質問した結果が下の写真。
エコひいきされてしまいました。一杯だけですが、やっぱりBourgogne。もちろん「次はビジネスクラスを使ってくださいね。」なんて宣伝されました。クルーは基本的に優秀なタイ航空。
Bourgogne Pinot Noirなどというラベルでしたが、robeは美しく、味わいはやや地味で酸がしっかりしているワイン。気に入りました。
カスピ海上空では、
第2の食事。といってもサンドウィッチ。
Focaccia(フォカッチャ)だそうです。イタリア料理やイタリア名の食品は、全然イケていないフランス。ここでも正常です。Focacciaだと意識しなければ無問題。白ワインをついでに。
11時間強のフライトですが、隣が不在で楽々。4列並びの反対側通路は、イギリス人と思しき老人。しきりにChampagneをねだっていましたが、願いかなわず。成功体験があるのでしょう。過去TGには、甘いクルーがいたことを物語ります。
この便はParis発です。Champagneなんて、Parisで安く売っているのに、しつこくおねだりする訳が分かりません。
あっという間にベンガル湾。
ここまでくると到着前の食事。とりあえずタイ航空の利用では、腹を空かせることはありません。また多すぎたり、もたれたりすることもありません。基本的にヘルシー。
Présidentのバターは良いのですが、パンはcroissant。どうしろというのでしょう?
オムレツ+ソーセージ+ジャガイモは、こんな具合で良好な配置。
特徴のあるトマトソースでした。 味については言うことはありません。コーヒーは今どきのエコノミークラスの容器に。
片づけられるとあとわずか。タイの地名が現れます。
ここで到着空港の案内ビデオを再生。英語/タイ語版。
結構怖いことも言っていますが、いつもと同じ。何となく聞き流し。
A380の着陸と言えば、やはりこれ。垂直尾翼のカメラ。写真にすると素子が荒いのですが、これは全体が暗いためです。実際に見ると十分な解像度。
もちろん外の光に合わせて、キャビンも暗くなっています。当然のことながら、何もなくこのまま着陸。ゲートへ。
搭乗橋が3本待ち構えています。充実した空の旅もおしまい。A380のエコノミーは、「なかなか良い」と感じます。空いていたらなおさら。