バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

JAL/ANAは、ファーストチョイス?ラストチョイス?

そう見えませんが、実は「知らない世界と縁のない世界」の続編。

 

欧州人が航空会社を選択する時

国境を自由に行き来する欧州の民も、それぞれ居住地、出身地、国籍を持ちます。それらが言語、教育、習慣を規定します。そしてその色分けの境界は、相変わらず国境です。Schengen条約が発効しても、国が無くなる、民族が無くなることは期待できません。相変わらず国家の存在が、民を精神面で支配しています。(国家そのものが民を精神面で支配してるのではありません。似ているけれど大きな差があります。)

 

欧州から極東まで旅行する場合、いろいろな選択肢があり、人によって経路が様々。しかし自国の会社を選びたがるか、避けたがるかという嗜好の分裂は、欧州人に共通して見られる傾向です。彼の地の民といろいろ話をしてみると、何故か自国の航空会社を頼るか避けるかの二択が意識されているのです。

 

欧州では複数言語をしゃべる人が多いのですが、母語か、中等~高等教育で用いた言語でニュースに接する人がほとんどです。結局情報は一言語を通じて得ています。この辺に理由がありそうです。

 というのも、自国の航空会社には悪い報道が多く、別の言語ではニュースにならない仔細なことまでよく暴かれます。スキャンダルのネタとしては、汲み尽せない泉です。そして自国の会社を避けるのは、ニュースで熟成された悪い印象が根本の原因であるようです。

 

労働争議で人事部長がシャツをひん剥かれて、上半身裸で逃げ回ったなんてニュースがあると、そんな会社、使いたくなくなります。この乱暴な会社は Air France。

Frédéric Gageyの"le plan B" - バス代わりの飛行機

 小さな虫がシートに巣づくっていることが多く、何箇所も咬まれたという複数旅客の証言がある航空会社(British Airways

SOURCES: The British Airways Bed Bug Problem is Worse Than You Thought - Cabin Crew Slate Cleaning Teams

なんて、近寄りたくないのは無理ありません。

 こういうネガティブな小事件は、どんな航空会社でも起きます。それぞれの言語圏では頻繁に報道されます。一方、別言語ではほとんど扱われません。大したニュースバリューがありませんから、当たり前。自国の航空会社を避ける根本の原因には、自分が使う言語が隠れています。他国の会社のそういうスキャンダルは、知る由もないだけです。

 

一方で、自国の会社を選びがちの従順派。その動機は簡単。慣れた言葉でサービスがなされるから、普通そっちを選ぶだろうとあまり疑いません。こちらが多数派です。

 

こうして自国の会社に関しては、好悪どちらかに傾くという構造ができ上がります。知ることで縁のない会社になり、知らないことで縁が深い会社になるという皮肉な結果になっています。

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大陸の反対側でも

カンが良い人は気づいているはずです。ヤマトの民も事情は同じと。この国もJAL/ANAを第一選択肢とし、他の日本人も皆同じだと無意識に判断する従順派は多いのです。そういう人たちには、頻繁に出るニュース*が理由でJAL/ANAを嫌悪する忌避派なんて、存在自体意識に登りません。

*子会社の社員が犯罪を犯したとか、まずい投資をしたとか、広告がひどいとか、スキャンダルはいくらでもあり、それで嫌になる人が多いように見受けられます。

 

従順派の中には忌避派を意識できる層(従順派高感度層)もいます。航空旅行に関心が高く、ソーシャルメディアを使い、JGCSFCを持つような人たちです。人数は、従順派無関心層>>>従順派高感度層>> 忌避派ですね。

 忌避派は数も微々たるものでしょうが、一般には存在すらあまり知られていないと意識した方が良いと思います。

 

従順派高感度層にとっては、JALANAの話は世界を二分する大事。一方、忌避派はJAL/ANAの悪い話は拾うものの、それ以外については関心が低いので、従順派高感度層は井の中の蛙に見えます。そのため、必ずしも悪ではない JGC/SFC の言動にも批判的になることが度々。そうした発言が多く、従順派高感度層を苛立たせます。

 

こんな構造でしょうか。ソーシャルメディアにおける二元対立。世界観が全く違うので融和は困難でしょう。

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上から目線で

両派を行き来できる器用な方もいますが、Pechedenferはどちらでもない無支持派。ただし従順派に関しては、

自分の周囲の特殊事情が世界中で標準だと誤解する頻度が高い

という印象を持っています。そして価値観がステレオタイプ化しやすい人たちという印象もあります。

 

特にANAに顕著なのですが、機内誌や広告の書き方から判断すると、顧客は以下の言葉で満ちた世界に住んでいるようです。

TOEIC一目おかれる(店、バー、接待 etc.)、〇〇沿線在住、勝ち組、記事 provided by 東洋経済・ダイヤモンド・プレジデント、高学歴、「好きなシャンパンの銘柄」、「好きなビールの銘柄」、取っておきたい資格、〇〇の常連、ビジネスパーソンやっておきたい〇〇のこと、負け組

(以上は50音順)そして、

上の句が

「成功する人」、「年収〇〇万円の人」、「稼ぐ男」、「一流の〇〇」、「仕事ができる人」

のいずれか、下の句が

「(に共通する)考え方」、「(に共通する)習慣」、「〇〇との違い」、「の読んだ本」、「の持ち物」、「の腕時計」

のいずれかで構成されるフレーズ。それらと等価なフレーズ。例えば、「一流のビジネスパーソンが実践する習慣。二流の人との10の違い」みたいな。

 JALは、客層が幅広く価値観の画一化は比較的ぼんやりしています。

 

この世界の外にいる住民にとって、こういう集団は「知る世界なれど、縁遠い世界。」こういう価値感や判断基準が奇妙に見える方だと、この集団は居心地が悪いはず。忌避派の忌避する理由はここにもあります。

JGCSFCが、全てこんな感じでステレオタイプ化できる訳ではありません。例外も大勢います。

 

忌避派は、当然というべきか、個性派ぞろい。ステレオタイプ化しにくく、多かれ少なかれ過激。「穏やかな人」という紹介は、無理な場合が多そうです。上から目線にならなくても、どちらが正しいというものではありません。対立していた方が、面白い情報が生まれる(弁証論的転回ですね)ので、二元対立もこのままで良い気がします。