PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

フライングブルー:提携アメリカンエキスプレスカード

更新が遅れています。以前のようにセールやキャンペーンの話題は、書く時間がとれません。ネタ出現を即記事に、というスタイルは、かなり暇がないと難しいことが良くわかりました。今はネタが被らないように、誰も話題にしそうにないことを書くのが精いっぱい。

 

そんな感じで、フランスで発行されるアメリカンエキスプレスを調べてみました。ブログを見て生活を豊かにしよう(=得な情報を得よう)という方には、役に立ちません。JALANAの提携クレジットカードとの比較ぐらいはできます。航空会社の本拠地で発行されますから、似ている所もあります。

 

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2005年、Flying Blueが発足してほどなく提携アメックスカードが出来ましたが、優待内容が拡充して今日に至っています。今年4月1日、Flying Blue自体が大きく変わり、クレカも応じて変わりました。もっとも核心部分、マイル/利用金額は、変わっていないように思います。搭乗で得られるマイルが減ったので、相対的に有利になったかもしれません。

 

カードは3種あります。まずはシルバーカードの特徴。

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・年会費 65 €(初年度無料)

・入会ボーナス 3,000 miles

・入会記念バウチャー 50 €(AF, KLM用)

・支払い 10 € 毎に 8 miles

Air France, KLM, Hertzへの支払いでは 10 € 毎に 10 miles

・搭乗実績が毎年 15 XP

・無料家族カード 1 枚

 

年会費8,600円はアメックスとしては非常に安く、いかにもこの種の固定費を嫌うヨーロッパ人向けカードという感じがします。銀行でキャッシュカードを作ると自動的についてくるVISAカードの年会費と変わりません。

 特典は地味。一般のクレカ利用では 0.6 mile/円と、得とは言えません。しかし Flying Blue のシルバー会員を維持するためには、15 XPの搭乗実績は少し効果があります。

 会員基準はかなり明確にされており、

・18歳以上

・本人の名前でフランス国内に決済可能な銀行口座を持つ

・年収 20,000 € 以上

ということです。これだけ明確にできているなら、日本在住でも作れそうです。

 

続いてゴールドカードの特徴。

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・年会費 165 €(初年度無料)

・入会ボーナス 6,000 miles

・入会記念バウチャー 50 €(AF, KLM用)

・支払い 10 € 毎に 10 miles

Air France, KLM, Hertzへの支払いでは 10 € 毎に 15 miles

・搭乗実績が毎年 30 XP

・無料家族カード 1 枚

・プロテクション保険。

 

年会費 21,800円はアメックス的価格。ヨーロッパ人なら個人で負担する気にはならないでしょう。このカードを持つ人はぐっと減るはずですが、Pechedenferは時々見かけます。

 機能の多くは、日本人が想像するアメックス。それに加え、毎年 30 XPの搭乗実績。これは Flying Blue シルバー会員を維持するためには相当効果があり、ゴールド会員維持でも頼もしいレベル。日本でこのカードがあったら、かなりの数が発行されそうな気がします。会員基準は、

・18歳以上

・本人の名前でフランス国内に決済可能な銀行口座を持つ

・年収 35,000 € 以上

です。フランスで年収462万円以上は、日本の感覚では700万円台という感じ。裕福ではないけれど、安定した勤め人というレベル。

 

最後にプラチナカードは、

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・年会費 570 €

・入会ボーナス 20,000 miles

・入会記念バウチャー 50 €(AF, KLM用)

・支払い 10 € 毎に 10 miles

Air France, KLM, Hertzへの支払いでは 10 € 毎に 20 miles

・搭乗実績毎年 60 XP

・無料家族カード はプラチナ 1 枚、ゴールド 4 枚

会員が Flying Blue のプラチナ会員だったら、もう一人をプラチナ会員に

 

最後の Platinum for 2 という風変わりな特典は、使えるならとても有利。その他に充実した保険、特定のレストランで会員向けに席のキープなど、アメックス・プラチナらしい機能が付いています。

 年会費 75,000円は、無駄遣いも酔狂の領域。経費で落とせるならともかく、個人で払うのは考えにくいレベル。ただ Flying Blue プラチナ会員を続ける人なら、毎年 60 XPの搭乗実績や、周囲の人間を一人、プラチナ会員扱いにできることなどから、そこそこ価値があります。日本で同じカードがあったら、Flying Blueのプラチナ会員はかなりの確率で使う気がします。会員条件は、

・18歳以上

・本人の名前でフランス国内に決済可能な銀行口座を持つ

・年収 65,000 € 以上

です。年収860万円以上。日本の感覚では、この収入の勤め人のクレカとして問題ない年会費。

 プラチナカードを作り、欧州内エコノミー8発でシルバー会員、24発でゴールド会員。そういう使い方も可能です。

 

もし日本在住でこれらのカードを造ろうと思ったら、第一のハードルは銀行口座開設でしょう。手続きはやや面倒なはずです。またフランス語が普通にできることは前提です。そうでないと様々な困難に出会うでしょう。

 なおこれらのクレジットカードを利用し、フライングブルーのマイル加算が行われると、アカウントにあるマイル全体の寿命がその日から2年先まで延びます。

Flying Blueでは、搭乗実績になる搭乗を行ってマイルを加算しないと、2年経過で全マイルが失効します。残念ながら、三井住友のクレジットカードの利用では、マイル延命はできません。

 

年会費と付帯するXPとの関係を、航空券料金と得られるXPとの関係に比べると、エグイことに気が付きます。年会費を航空券購入に回しても、これらのXPはまず得られません。修行僧には強力なクレカなのでした。

もちろん日本にあるSkyMilesアメックスはゴールド会員資格自動付帯ですから、さらに単純で強力です。しかし利用を促す仕掛けとしては、どうでしょうか。会員資格が近くなるようにMQMやMQDで下駄をはかせ、「エコノミーで北米往復すれば、ゴールド」みたいな感じがベストではないでしょうか。