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マレーシア航空のChef on Call(その2)

Chef on Callは、Kuala Lumpur(マレーシア航空の本拠地)以外の空港から出発しても利用できます。この企画に対する意気込みが感じられます。注文可能な出発地は、

London, Sydney, Melbourne, Adelaide, Auckland, Seoul, Beijing, Shanghai, Tokyo, Osaka

の 10 都市。マレーシア航空が外地で何をするのか、まあだいたい予想できるでしょうが、成田発のMH71便、MH89便などで実際に体験できます。

 

NRT発では、KUL発と全く異なる4種から皿を選びます。まずは Grilled Fillet of Beef with Balsamic Gravy。焼いた牛ヒレ肉にバルサミコを加えたグレービーソース。

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キュウリ系の瓜、ニンジンなどがスライスされ2枚のヒレ肉に挟まれます。ジャガイモのかけらのようなものも見えます。ソースと肉の量のバランスが良くありません。上に載っているハーブは何でしょうか。

 こういう配置にまとめることが、料理として必然性があるのかどうか疑わしいのですが、それは別にしても機内食では無理。ちょっとした揺れで、重ねた肉が崩れます。

 案の定、現物は平置きでした。

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盛り付けは「何もない」に等しいレベル。一方で食材は一致しています。ただしハーブは異なり、こちらはローズマリーのようです。ソースがぼんやりしていて、切れがないのはいつものこと。

 

Sansho Pepper Grilled Chicken。焼いた鶏肉に山椒で味付けしたもの。単語を並べただけになっている料理名に難あり。

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鶏は名古屋のソウルフード、手羽先に見えますが、断定できません。しめじ、白ネギ、しし唐、スライスしたニンジン、米が付け合わせ。ソースは何だか肉料理共通という感じ。料理の企画からして、工夫の余地がありそうです。

 現物は以下の通り。しめじ、白ネギ、しし唐、スライスしたニンジン、炊いた大根、米、焼いた鶏モモ肉と、食材に関しては写真とほぼ一致。野菜が少なく、皿が貧弱に見えます。

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山椒の香りはせず、わかりやすい手抜き料理。ソースは、醤油ベースに米粉でとろみを付けたような香りがするマレーシア航空の和食用定番ソース。パンチがありません。最初から山椒が省略されることが分かっていたら、S&Bの瓶入粉末を持参することも可能です。次回は大丈夫と。

 

Fried Chicken with Grated Radish Sauceは、揚げ鶏にすりおろし大根ソース(大根おろしを和えたトリの唐揚?)

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米、飾り包丁を入れたカボチャ、花から判断して、和食を意図していそうです。ただ写真を見る限り、ソースが化学調味料満載で不必要なとろみがついていそうな代物。やや不気味で身構えてしまいます。

 これに対して現物は全く異なりました。

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ソースは、マレーシア航空では和食用定番。鶏は揚げていません。白ネギ、シメジ、米から和食を意識しているようですが、日本人にはそう感じられないと思います。それより中央に載っている菊のような葉っぱは、おまじないか何かですか?

 この皿に関しては重大な指摘事項があります。リアルな葉っぱを除くと、前項のSansho Pepper Grilled Chicken と全く同じ皿だということです。これは素晴らし過ぎて、言葉を失う手抜き。

 

フラッグキャリアは、国そのものの宣伝を任っています。国に余力があれば、航空会社は消滅しません。奇妙な必然性から国費が投入された一方、その責任をうやむやにできたアリタリアは良い例です。

 一方で事実上国営のマレーシア航空。BoeingとAirbusの双方と取引するとか、ファーストクラスを止めないとか、注文式グルメ機内食を残すとか、これらは全てマレーシアの優位性を全世界に示すためのもの。頑張ります。機内食が「メニューと違う!」といらだつなんて、この航空会社との付き合い方を間違っています。意気込みに能力が追いつかないヘタレぶりを楽しむのが正しいと思います。愛すべきマレーシア。

 

他には Grilled Japanese Bluefish "Nanban-style"(焼いたスズキ、南蛮風)があります。これはまだ未体験。

 

なおNRT発も朝昼晩、選択肢は全く変わりません。機内食は MH89で昼食、MH71で夜食になります。KUL発のMH88と異なり、それほど無理のない時間帯です。しかしNRT発の場合、KUL発に比べて写真と現物の乖離が大きいことは指摘するべきでしょう。カオスぶりがパワーアップしています。

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