東南アジアに行くと、宗教の存在を自然に意識します。現地人の日常生活は、かなりの部分が宗教がらみ。バンコクのMRTやBTSで席を譲る人が多いのは、「極楽浄土」への入場資格がポイント制となっており、現世の善行=ポイント積算だと聞いた時は、ピンときました。宗教は分かりやすく心に届き、どこにいても自分を包むように存在しています。
そんな東南アジアの人々に思いをはせ、ポツリと「天国へ行くにはどうすればいい?」と iPhone に聞いてみました。何でも尋ねられるフレンドリーな Siri。聞き取りの正確さも言うことなし。ところが回答は、想像もできない内容でした。
回答部分の和訳:位置情報サービスをオンにすれば、場所を見つけるお手伝いができます。設定へ行き、位置情報サービスを選択、その後はいろいろ出てくる中から ” Siriと音声入力" を見つけて、あなたの現在位置へのアクセスを許可しましょう。
あまりに斜め上からのご神託に、純真な Pechedenfer は呆然自失。我に返った時には、ジョークができていました。
16世紀初頭
「神父様、天国に行くにはどうしたら良いでしょうか?」
「マーチン、今すぐに汝の免罪符を買いなさい。汝の罪は許されよう。」
21世紀初頭
「Siri、天国に行くにはどうしたらいい?」
「マーチン、今すぐに汝の位置情報をオンになさい。汝の求める道は示めされよう。」
大規模集金の今昔。デバイスは大掛かりになったものの、トリックと搾取の基本構造には進化が見られません。
フランス語だったら、
Collecte d’argent
au 16ème siècle
“Mon père, comment puis-je être certain que j’irai au paradis?”
“Martin, verse ta fortune à l’église et bénéficie de l’indulgence plénière.”
au 21ème siècle
“Siri, comment fait-on pour aller au paradis?”
“Martin, je peux vous aider à trouver un lieu si vous activez le Service de localisation. Allez dans les réglages de confidentialité, sélectionnez Service de localisation, faites ensuite défiler jusqu’á “Siri et Dictée” et autorisez l’accès à votre position.”
ぐらいでしょうか。
思いがけず Siri の裏の顔が現れたため、脱線しました。本来はマレーシア航空のお話でした。
MH88便は KLIA 23:30発、成田が7:40着という「無駄がない」フライト。機内サービスは0時を過ぎて開始するので、KLIAで夕食を済ませ、機内では寝るのも一手。
今回はそのパターンにします。サテライトターミナルのラウンジに直行。ダイニングはいつもの通り、日本人で混んでいます。MH88の40分前にJALの成田行(JL724、22:50発)があるためです。東京圏には JGP、JMBダイヤ、JGCダイヤが集中していますから...。
JMB会員の良いところは、みんな早めにゲートに行く点。22:00頃には、ダイニングは空きます。ゆったり夕食をとっても、MH88には十分間に合います。
久しぶりにパスタを取りましたが、写真はこちら優先で。スイーツの写真をアップする人の方が、幸せそうに見えるので。
ケーキ、タルト類は、成田線のビジネスクラスから消えてずいぶん経ちました。このチョコレートタルトでは、sauce framboiseが特徴的でした。
デザートをのんびり食べても、A350-900へ搭乗は余裕。ウェルカムドリンクはノンアルコールのマレーシア。
ドアクローズは定刻どおり23:30。こんな時間にもかかわらず、「空港混雑のため、離陸はちょうど0:00になります。」との機長アナウンス。暇に任せて、珍しく音楽鑑賞。活字に行く気がしなかったためです。
マレーシア管弦楽団による Antonín Dvořák Symphony No.9。もしも出発までに交響曲が一曲終わったら、待ち時間長すぎで皮肉に使えます。期待していたのですが、終楽章のコーダが始まったところであえなく離陸。残念。
あっという間に夜景。曲はもう終わっています。
事前計画通り、サテもナッツも軽食も飛ばして就寝。ふと起きたら、到着が迫っていました。
離陸の遅れは、ほとんどそのまま。30分いつもより遅いだけで、体調は随分違うことに気が付きました。朝食には好都合。
定番のカットフルーツとヨーグルト。それに加え、オプションのパンはペストリーにしました。
そしてメインは、もちろんChef on Call。マレーシア航空が誇る秀逸なブログネタ。しかし本日の皿は、過去の経験から予告とのズレが小さいことが予想されるこれ。
出てきたものは、1ポンド超の堂々たる骨付き牛肉。知っていましたけれど。
骨付きリブで、どっしりした塊なので、マンガ肉に近づきます。
Chef on Call の中では一押しの皿です。写真とほとんど同じものが出て来る点も、Chef on Call 初心者には好都合でしょう。
細かいことを言うと、リンゴはホースラディッシュのような野菜に変わっているし、ハーブが省略されていますが、対照しない限り気が付かないレベル。MH88では朝食になるため、こんな「格闘するような」牛肉を頼むことは躊躇しますが、MH70なら問題なさそうです。赤ワインが欲しくなります。
KUL行の夜便、MH71と違って到着は社会が活動している平凡な時間帯。着陸を待っている間、気分が日常生活になったので、これ以上の写真はなし。入国や税関は混んでいました。