PECHEDENFERのブログ

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タイ航空の新しいキャビン:A330-300 33R

タイ国際航空は 15 機のA330を運用していますが、一年ほど前から一部を新しいキャビンに改装しています。型番が A330-300 33R となっている機材です。現在 3機ということです。

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データの上では他の A330-300 と比べ、ビジネスクラスの席数が 36 席から 31 席へ減っています。 

Airbus 330-300 | Our Aircraft | Thai Airways

 

最近たまたまこの機材に遭遇しました。ビジネスクラスが変わったと言いつつ、搭乗したのはエコノミークラスです。

 ちなみにビジネスクラスは、マレーシア航空 A330 の(シートによる個人空間の差が激しいと言われる)新型スタッガード型と基本的に同じです。Youtubeにキャビンの様子がアップされていました。ビジネスクラスの様子はそこから知ることができます。

Trying out THAI's Brand New Throne Seat | รีวิวการบินไทย 33R | Airbus A330-300 | Bangkok - Krabi - YouTube

 

エコノミークラスで目立った変化は、

・個人用モニターが格段の進歩をした

・シートとオーバーヘッドロッカーの改装、刷新らしい

・ソフトウェアも使い勝手が大変良くなっている一方、タイ航空らしさが残る

など。これらの点はビジネスクラスと共通していると思います。「どうせ、エコノミーだろ」などと言う方にこそ、タイ航空が世界で優位を保っているのはエコノミークラスであることを思い出して頂きたいところ。

 

この会社の最近のシートデザインに沿った落ち着いた色使いです。

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まだ新しいためか、シートはしっかりしており、座面、背もたれは固め。この会社のことですから、1、2年もすればヘタリが感じられる(しかし不快と言うわけではない)状態になると思います。シートの間と通路側の肘掛は跳ね上げられます。トレイテーブルを広げたままで通路に出られるので、これはポイント。ガラガラに空いていてエコフラットベッドにする時も有利。

 クッションや毛布には変化はありません。個人用モニターは、現代では平均的サイズ。新しく導入するものとしては、控えめな大きさです。多機能へは向かっていません。何もかも使いやすく、たっぷりとしており、シンプルです。メンテナンスコストを考えたのでしょう。

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キャビンの間仕切りにも大型モニターがあり、これは個人用モニターとは全く別に機能していました。

 

オーバーヘッドロッカーも新しくなりました。マレーシア航空の新型 A330 キャビンと同じ、波打う曲線がアクセント。ロッカー下部に空気の吹き出し口はなく、読書灯やらシートベルトのサインなども新しいA330では共通しているようです。機内セクションの間仕切りカーテンは変わっていません。たぶんお古を使いまわしています。

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一番大きな変化は、シートのリモコンがなくなったことでしょう。個人モニターの様々な設定、読書灯ON/OFF、乗務員呼び出しはモニター上で行います。

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画面右上にボタンが並んでいます。インターフェースは良くできていて、初めての人でも迷うことなく必要な機能に到達できるはずです。タッチパネルの応答は秀逸。

 

コンテンツは今までと変わりません。様々な言語の映画が66種。独仏の映画もあり、個人的にはカタール航空より遥かに高レベル。フライト状況や地図は、一種類だけ。

 

今では標準となっているUSBコンセントが各個人用モニターに付属しています。それとは別にシート下部に電源アウトレットがあります。2シートに一つです。

 

エコノミーのシート配置は 2-4-2 で変わっていません。シート数も変更なしですから、ピッチも同じようです。190 cm以上身長があると少々狭いかもしれないというレベル。

 

機内 Wi-Fi も完備。

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価格は、

30 MB 9.99 USD

50 MB 14.99 USD

100 MB 19.99 USD

フライト中無制限 39.99 USD

でした。プロモーションコードの入力オプションもあり、ビジネスクラスの客やVIPにはタダと言うサービスも可能です。

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さてタイ航空らしい緩さは、キャビンを新装しても健在です。まずは間仕切り壁のモニター。

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降機時なら平凡な画面ですが、搭乗時からずっとこの画面なのは異常。客を迎える時、接客中に Look forward to seeing you againですから。提携する日本の某キャリアとは一味違った間抜けぶりが、Royal Orchid Service の面目躍如と言ったところ。

 

トイレは改装対象になっていないようでした。要は古いままで、シートが新しくなった分、経年劣化が目立ちます。この混合水栓はセンサー式ではなく、ボタンを押すと一定時間、水か湯が流れるタイプ。青が湯、赤が水でした。

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湯水の配管の取り違えから、タイ航空に搭乗している実感が湧きます。浴びる水が人工的に加温されているどうかについては、関心が低いだろうタイ人たち。

 一方エコノミークラスのトイレにも、カスタムブレンドのオーデコロンを装備しているのは立派。これは他の航空会社では真似が難しいところ。

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タイ航空に限りませんが、キャビンが新しいとクルーもきびきび働くように見えます。慣れが無いためだろうと思います。

 

安全のビデオは、仮想ジャングル空間バージョンから変更なし。ブログに載せるため改めて写真をチェックすると、仏教色が色濃く反映されていると感じられました。表現されている空間はジャングルではなく、ひょっとしたら極楽だったのかもしれません。

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大げさな表情がとても印象的なビデオ、個人的にはとても気に入っています。

 

安全のしおりは当然新しく作ったはずですが、印象は従来の冊子と換わりません。

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初めて経験する機材にあたると、退屈しないので幸運です。そのつもりは全く無かったのですが、映画を2本も見てしまいました。