タイ航空の人気
書くと反響が多いタイ航空。確かに日本の就航都市数、輸送容量は大きいのですが、世の中であまり話題にならないので、不思議な現象。ソーシャルメディアで発信する方が少ないからでしょうか。目立たない多数のファンを擁している感じです。
地味な人気に支えられるタイ国際航空。なぜタイ航空が好かれるのでしょう?「よく使うから」は理由になりますが、「なぜ良く使う?」という疑問を誘起します。Royal Orchid Service が SQ, CX, MH よりも優れていると、説得力をもって語れる人はほとんどいないと思います。
結局のところ、タイによく行く、タイ料理は素晴らしい、タイ女は素敵だ、タイ男は優しいとかそんなところでしょう。
タイ航空を前面に出したブログやツイッターアカウントが数多く立ち上がるといろいろと情報が入るのですが、残念ながらそういう社会現象は起きていません。弱いタイ航空。個人的には、「サービスに感心することは稀だけれど、東南アジアではデフォールトの選択肢」という位置づけ。こういう人が多いのかもしれません。
本日のテーマはTG661。東京(羽田)深夜発、バンコク早朝着です。これは、
・羽田発0:20は便利、バンコク着4:50は早過ぎ
・B747という古い大型機材
・FCYというクラス構成(FはB747以外にはA380に設定があるのみ)
という特色があります。退役前の機材に、有効に働ける路線を見つけてやったような感じがします。
こういう一癖も二癖もある定期便なら、自分の都合の良いようにどう利用するかが問われます。実際のところ、この便は
・ファーストクラスの特典航空券が開放されやすい
・ビジネスクラスの特典航空券がとりやすい
・エコノミーキャビンが空いている
などの特長があります。
バンコクでの接続
東京でお勤めの方なら仕事の後、身支度をして羽田に行っても間に合う0:20発。これは心強いのですが、バンコクが目的地だと、到着の4:50は早すぎます。乗り継ぎで使う場合、
SIN (TG403), CGK (TG433), HAN (TG560), SGN (TG550)
MEL (TG461), PER (TG481), SYD (TG471)
DEL (TG323)
HKG(TG201), CNX (TG102), KBV (TG241)
が概ね3時間程度の接続時間で乗り継げます。コードシェア便になりますが、PNH, RGN, USMへも接続は良好です。
目的地到着はアジアなら昼前、豪州なら午後~宵入。まずまず便利な時間帯に到着します。例えばシンガポールに行く場合、SQの夜便利用だと羽田22:55頃発はともかく、SIN 4:55着は早すぎます。TG661から乗り継ぐ TG403 (8:00発) は、SIN着が11:15。この方が都合よくなる場合が多いでしょう。
PERへは東京からの直行便がない*ため、必ず乗継が必要ですが、TGだと手頃な時間帯に到着します。
*: ANA は NRT-PER 路線を開設。9月1日より毎日運航。日本の霊感、なかなかやります。
東京の出発時刻を重視して旅程を組む場合、TG661の深夜発は光ります。また大容量のせいか、機内が空いていることが多いのもポイント。深夜便で混むのは疲れます。
実際使ってみてわかる長短
羽田国際線ターミナルからの出発。23:00などと早く着いた場合、スターアライアンス会員が使うラウンジは ANA 一択です。「ANA=混雑」の等式を確認することになると思います。羽田の国際線ターミナルは一般の待合スペースも貧弱で混んでいるので、ラウンジ利用に関らず少しの間我慢するしかありません。
増粘多糖類によるものか、奇妙なとろみが特徴的なカレー。
普段の生活ではあまり出会う事のない人たちを間近で観察できると、前向きに評価するのがよいと思います。もちろんANAラウンジの「魅力」はそれだけではありません。クマのぬいぐるみと並ぶ FLY NG ホヌの模型
とか、徒費(とひ)の証ならぬ、時(とき)の証の陳列
とか、他所では見られないセンスがそこかしこで光っています。
羽田ANAラウンジは、工場の付設食堂の昼食時のようです。大人数の利用を短時間で処理する場所に特有の雰囲気があります。今回、隣がフランス女・ビジネス客でしたが、ケータイで家族に電話(2箇所)してどうでも良いことをしゃべることしゃべること。(bisou多過ぎ!)異質な空間に心細くなった様子がうかがわれましたが、周囲に引き摺られ、マナーが一段低いレベルに下がったようでもあります。適度に空いていることと、客層は大切だと再認識しました。
エコノミークラス機内サービス
離陸後安定飛行になったら、早速配られるサンドイッチ。東京時間で1:00を過ぎています。
エコノミークラスでは、アルコールは出ません。無理に頼む必要もないでしょう。サンドイッチは無視して寝るのも良いアイディア。どうせ3時間ぐらいで朝食が出ます。
朝食はしっかりしています。ケチャップが欲しければ、頼めばHeinzの小袋入りがもらえると思います。味は悪くありません。タイ航空ですから、機内食で破綻は考えにくいことです。この朝食、BKK時刻で 3:30頃。完全無視して寝るのも一手です。
一番前の席で並びを一人で占領ということもあります。こういう場合は、睡眠継続を少し助けてくれると思います。
これらの「上級会員席」、肘掛が跳ね上がらないので、寝るのに適したシートではありません。後部座席だとエコフラットできた可能性も高いのでした。ただしこの区画、前と横がカーテンなので、プライベート感は味わえます。
乗り継ぎの実際
到着が早着で4:30頃となることがよくあるようです。早朝便=早着傾向は、法則のようなものです。乗り継ぎの場合でも、ラウンジは開いていません。どこもかしこも閉まっており、ゴーストタウンのような感じです。
TG利用者にとって、一番早く開くのはタイ航空の Royal Silk Loungeでしょう。5:00 開店です。多くのラウンジは 5:30 開店。中には 6:00 開店のところもあります。ただしセキュリティ通過後の一般エリアにはシートは数多くあり、電源を使っている人は少ないため、休憩には問題ありません。
個人的に TG661 の残念なところは、欧州便への乗継ぎに適していないことです。BKK発の欧州便は殆どが 0:00 頃の出発です。FRA便だけは1日2便あり、1便は 12:00 台の出発ですが、それでも相当な接続時間があります。東京から欧州へ行きたい場合、少し航空券が高くなっても、昼便で成田を出るのが良さそうです。
元気な人なら、長い接続時間を利用してバンコク観光も可能です。常にパスポートの空きページを2頁以上とっておくのと、タイバーツを財布に入れておくのが良ろしいようで。