OAG自身が作るランキング
儲かる路線のランキングというものが、OAGにより毎年集計されています。輸送密度、混雑状況、売り上げなどなら、ありふれていますが、輸送密度xプレミアム料金でランキングづくり。これは利用者のために作成したのかもしれません。と言うのも、「儲かっているのだから、値下げしろよ」と航空会社に文句をいうための根拠になるからです。
それは冗談として、2018年度(2018年4月 - 2019年3月)実績は、以下の記事に見ることができます。
Billion Dollar Route - Jewels in The Network
結果は以下の通り、
1位はわれらが British Airways のイコニックな路線、London LHR - New York JFK。何とビリオン越え。無茶苦茶儲かっています。2位はオーストラリアの国内線、Qantas の Melbourne - Sydney。オーストラリアも都市間移動が大きいようですが、都市と都市が離れているので大変です。
3位は元気な中東から、Emirates の Dobai - London LHR。中東のいわゆるME3からは、その他 7位に Qatar Airways の Doha - London LHR がランキング入り。
人が多いアジアでは、高密度路線はかなりありますが、利潤という上ではうまみはないのか、ランキングに現れません。航空券が全般的に安いのですね。安心しました。ベストテン入りしたのは、Singapore Airlines のカンガルー・ルートを構成する2路線、 London LHR - Singapore (4位), Singapore - Syndey (9位) の他は、Cathay Pacific の Hong Kong - London LHR だけです。Singapore Airlines のチケットは高いので、カンガルー・ルートは想像に難くありませんが、Cathay もLondon線でずいぶん儲けているのでした。
北米はまずまずの値段で売っているはずですが、ベストテンでは 5位、6位、10位に現れます。大して元気がないようでも、やはり航空大国。
ちなみに2017年度(2017年4月-2018年3月)実績。
2018年と比べると、少し順位の交代はあるものの、トップ10の顔触れは完全に同じです。伸び率では、QR の DOH - LHR (16%)、BA の LHR - JFK (12%) が目立っています。
ちょっと分析
非常に驚いたことは、トップ10路線の中、半分が London Heathrow の長距離線である点。Heathrow 線は、トップブランドなのでした。皮製品における Hermès、清涼飲料水における Coca-Cola のようなもの。利益を産み出す空港として、他を圧倒して世界一。やれやれ。
このランキングを航空会社の連合や属性で分けてみると、
oneworld 5社 5路線
Star Alliance 3社 4路線
SkyTeam 0社 0路線
ME3 2社 2路線
であることがわかります。収益を上げる路線(=プレミアム路線、割高路線)は、oneworld に多いのでした。一方で SkyTeam は、何とゼロ。日頃ぼんやりと皆さんが抱いている oneworld、SkyTeam の高級感と一致しているのではないでしょうか。
地域別ランキング
ちなみに OAG の発表した記事には、北米とアジアのランキングも記載されています。アジアランキングでは、日本の航空会社から 2路線がトップ10入りしています。それは、
JAL OKA-HND 447,224,346 $ (6位)
JAL FUK-HND 431,457,369 $ (8位)
です。もう少し頑張れば、世界ランキング入りも狙えます。利用者が増えて利益総額を押し上げるなら賛成できますが、客単価を値上げして利益が大きくなることには賛成できません。したがってラインキング入りなど目指さなくても結構、と応援する気になれないのは当然です。