PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

フライングブルーの改悪?改良?

通知はなかった気がしますが、フライングブルーがいつの間にか変わっていました。搭乗実績 xp の積算期間に関する部分です。結論を言えば、ずるがしこい顧客には改悪。前向きに評価すると、より公正なプログラムになりました*。

*:もしかすると xp の導入後、すぐに追加されていたかもしれません。当初は旧来の期間設定のまま、スタートしたと記憶しています。

 

近年の動き

フライングブルーと言えば、昨年の航空券購入価格基準の導入が一大改悪として記憶に残っています。しかし搭乗実績の算出法にも、以下のように手を入れました。

 

・搭乗実績はマイルから xp に。

・一年間の搭乗実績だけが問題で、エントリーから最上会員にもなれるシステムから、レベルの上下動は一度に一段階で、一段階ごとに搭乗実績はリセットに。

 

会員レベルの上下動を段階的にしたことは改悪ですが、マイルから xp になって搭乗量はかなり少なくて済むようになりました。

 この時点では、搭乗実績の積算期間は毎年1月から12月、会員資格期間は翌年1月から翌々年3月まで。期間の設定については、2005年にフライングブルー開始以来同じやり方を踏襲していました。期間の長さは変わらず、開始点・終了点が変動するシステムになったことが、表向きの変更点。

 

小さな変化の大きな効果

今、フライングブルーのサイトに書かれている説明をまとめると、

 

(1) 12か月の期間内に、一つ上の xp 基準に達したら、会員資格は一つ昇進。

(2) (1)でない場合、12か月の期間終了日に、現在の会員資格の xp 基準を超えていたら、会員資格は維持。

(3) (1), (2)でない場合、会員資格は1つ格落。

(4) (1) ~ (3)で会員レベルが決まった次の日から、新しい xp の積算年度が開始。

(5) 会員資格の有効期間は、前 xp 積算期間が終了した次の日から15か月間。

(6) xp 積算値は昇進、維持の場合、会員資格の xp 基準値を減算。格落ちの場合、ゼロに。

 

となっています。例えば、あなたが 2019年 1月からゴールド会員であったとします。すると

 

・今年中に 300 xpに達したら、次の日から15か月間プラチナ会員。貯めた xpは300減。

・今年の実績が 180 ≦ xp < 300 なら、2021年3月末までゴールド会員。貯めた xpは180減。

・今年の実績が xp < 180 なら、2021年3月末までシルバー会員。xpはゼロに。

・会員レベルが決まった次の日から新しい xp の積算期間(12か月)が開始。

 

搭乗実績の積算期間が暦年、会員資格期間がそれに+3か月という旧システムから変わり、会員レベルが上がった時だけ、翌日が次の積算期間の開始日に変わります。特に改悪ではなかろうと思う人が多いと思います。しかしこの変更により、隔年修行は完全に封じられました。隔年修行については、以下に記事にしました。

隔年修行(その1) - バス代わりの飛行機

隔年修行(その2) - バス代わりの飛行機

これは

 

・積算期間の途中で、搭乗実績が上位会員レベルに達したら、即会員レベルを上げ、残りの積算期間中もこのレベルで過ごしてもらおうというプログラム側の配慮

・毎年会員レベルの有効期間は、搭乗実績の積算期間から後ろへずれること

 

を利用しています。ここでは、最初の条件が消えています。

 

「会員レベルを保ちたいなら、2年に一度と言わず、毎年修行に励んでください。」というメッセージかどうかは別にして、制度の欠陥を正したことには間違いありません。そこはプロ。よく検討していはずなので、欠陥が多くの会員に影響を与えるものであれば手を入れてきます*。そういうことなのですね。

 

*: ごく一部の人にしか利用できない抜け穴だと、改訂のコストを考え運用側は放置します。こういう点を利用するのが、海外のFFPを利用するコツ。

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会員資格の (見せかけの) 連続維持のために隔年修行の考え方で挑んでも、人が5回更新する間に4回の更新で済むのが精一杯。最大で2割の節約。


結局これは Marco Polo Clubと同じシステム?それはともかく、今回の変更では誠実な会員には何も影響しないところが鍵です。

 

大きなメリット? 

記載忘れの可能性も少しありますが、今まであった制限が見つかりません。もし廃止されたとしたら大きな改良です。その制限とは、

 

・年度の移行時における残存 xp の上限

 

です。従来、プラチナ会員が次年度に持ち越せる xp は、最大で 300でした。この下駄で xp 積算年度をスタートします。これは全然搭乗しないのに、何年も会員レベルを保つことを防止したかったためでしょう。この制限が今見つかりません。

 

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もしその通りになるなら、生涯プラチナ会員資格の継続が比較的楽になります。例えば、プラチナ会員になってから集中して搭乗、2,700 xp たたき出してしまえば、後は全く搭乗しなくても10年後には生涯プラチナです。大雑把に言って、かかる総費用は280万円ぐらい、搭乗回数は 220 ぐらいで済みます。10年連続でプラチナ会員を続けて生涯会員という条件は、2005年から変わっていませんが、これまでは年度が替わるごとに資格マイルは 70,000 減 and 70,000以下に、xp は 300 減 and 300 以下になりました。

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払う金が一時期に集中するか、10年に分散するかの差ではないかと考えた方は、過去のフライングブルーの来歴を無視しています。xp が導入される以前、効率よい搭乗方法は、1、2年で見直す必要がありました。「わずかな変更が楽な方法を根絶する」、この繰り返しがフライングブルーの歩んできた道。今回もその片鱗がうかがわれます。オランダ商人を甘く見てもらっては困ります。一つの切り方でまとめて稼げるなんて、滅多にないチャンス。

 

記載すべき場所で、落ちただけかもしれません。また Ultimate Platnium 会員との関係は全くわかりません。繰越 xp 上限なしが10年間続く保証もありません。短期集中で生涯プラチナ修行をするなら、事前に確認すべきことはいくつかあります。