バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

2020夏到来

突然の梅雨明け。しっかり降った後の晴れ間と同じ。 f:id:PECHEDENFER:20200803115457j:plain いつも生える場所が決まっています。微妙な環境が重要なのでしょう。


この花に季節を感じる人もいるに違いありません。 f:id:PECHEDENFER:20200803115727j:plain この蓮池ではウシガエルが鳴いていました。ハスとウシガエル。文化的なしがらみはないものの、相性は良さそうです。


そして空港では f:id:PECHEDENFER:20200803115835j:plain ということです。明後日。夏の再オープンは予告通り。某国首都空港とは大違い。


引越し中。 f:id:PECHEDENFER:20200803120011j:plain


国内線の運航はだいぶ戻ってきました。 f:id:PECHEDENFER:20200803121849j:plain

キャンペーン

なかなか海外には出られませんが、国内には本格的な夏が到来しそうです。気象庁によると関西の梅雨開けは昨日。関東もすぐ開けましょう。例年だと、夏の旅行需要を狙ったキャンペーンは終わりで、秋冬の地味な商戦に移る時期ですが、今年は状況が違いすぎます。キャンペーン情報はそろそろと届きます。

 

(1) 平常心をとりもどすカタール航空

成田便が変わらずに飛ぶ中東勢。どこにそんな余裕があるのかわかりませんが、キャンペーンもコロナはどこ吹く風といった様子。一時期確かに音沙汰が無くなっていましたが、その期間はわずか。最近届いたメールでは以前の調子がもどっています。

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5万円だとか、6万円だとかいう価格は、当然エコノミークラスのフライトです。季節を考えると、昨年より安いかもしれません。アテネにこの価格で飛べれば、なかなか魅力的。

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より詳しく書いてあるキャンペーンサイトを見ると、ビジネスクラスの割引もありました。近年の日本発の価格と比べると、明らかに安いと言える設定です。

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バルセロナは再度ロックダウンするような話が出ていましたが、あれはどうなったのでしょうか。

Pré-reconfinement à Barcelone : « C’est notre dernière chance », prévient le gouvernement catalan

こういう航空券を買う時は、客の責任で入国が可能かどうか、困難かどうかを購入前に調べる必要があります。現地語も英語も苦手な人だと、乗り越えるのが大変なハードルです。ウェブサイトから直接買う時の責任は、政情不安や疫病流行が起きた場合に顕著になりますね。旅行代理店だと、その辺のアドバイスは前提になっているので、面倒がありません。

 

(2) ブリティッシュ・エアウェイズの double Avios

BAは獲得 Avios が2倍になるキャンペーンを行っています。8月31日までに事前登録が必要で、8月31日までに行った予約が対象になります。旅行は12月31日までに済ませなければなりません。最大で10フライトまでです。

www.britishairways.com

EU圏内は原則として自由に旅行可能になったようですから、他社との競争を意識したのでしょう。BA の東京便も欠航中のようですが、長距離便はほとんど飛ばしていないはず。ということは、Avios を2倍にするキャンペーンを行っても、BAは大して痛くありません。

 

ちなみに 7月31日、羽田空港の国際線出発便はわずか10便でした。なかなか悲惨ですね。

NH203 FRA, JL49 SVO, NH869 MNL, NH847 BKK, JL43 LHR, GA875 CGK, AA170 LAX, DL276 DTW, NH116 YVR, NH879 SYD

ANAがフランクフルト、JALがロンドンへ飛んでいるので、ヨーロッパに行って、このキャンペーンを享受することも一応可能です。COVID-19にまつわる問題は厄介ですが。

 

(3) Flying Blue のプロモ特典

特典航空券の月替りのプロモーションは、Flying Blue の伝統。武漢における肺炎流行が世界中で恐れられるようになった頃、月途中にもかかわらず武漢へのプロモーションは取り消されました。これは大変異例のことでしたが、同月中に全プロモが削除されるという前代未聞の事態がそれに続きました。この月替わりの特典航空券プロモーションは、おそらくその後実施されていません。今月も皆無。

 

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そして毎月表示される point d'exclamation ( ! のこと) は何を意味するのでしょうか。

 欧州のフライトは復活するはずなので、ヨーロッパ域内のフライトに関してはプロモアワードを復活してもよいはずです。そこまで考える余裕がないのでしょうか。

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(4) 2泊で上級会員は8月末まで

ドイツではかなり高級、東南アジアでは決してそうではなく、日本には一つもないKempinski Hotels。広大な森を持つ Kempinski Frankfurt Gravenbruch とか、由緒正しさ臭がプンプンする Hotel Adlon Kempinski Berlin とか、一度は滞在したい物件が数多くあります。このホテルブランドは Global Hotel Alliance というグローバルチェーンの一角を成します。どうでもよいことですが、命名に全く知恵を絞った気配がありませんね。

Luxury Hotels & Resorts | DISCOVERY Loyalty - GHA Loyalty Program

このチェーンは 37 ブランドを擁し、共通の会員プログラムは Discovery と言います。こちらも十分検討した名前には思えません。

 

日本での展開は、渋谷の桜丘町にあるセルリアンタワー東急ホテルが Pan Pacific Hotels & Resorts のパートナーホテルになっているだけ。このチェーンが、日本でほとんど知られていないのは当然です。

 

この Discovery ですが、5月からグループホテルに2泊するだけで、プラチナ会員になれるキャンペーンを行なっています。8月31日までに予約、宿泊しなければなりません。

2 Nights to Elevated Travel - GHA

プラチナ会員になると、ルームアップブレード、レートチェックアウト、アーリーチェックイン、到着 48 時間以前の部屋確約などの特典があります。通常は暦年で10泊以上必要な資格。Discovery には Black, Platinum, Gold しか一般の会員種別がなく、Gold は入会時のレベルですから、Platinum はそこそこ扱いが良いはずです。

 プロモーションにはパートナーホテルに関する除外が書いてなかったので、おそらく渋谷のセルリアンタワーも対象になっているはず。(要確認)

Doch das war leider nur ein schöner Traum

先週末の特殊な4連休は、自粛解除後初の連休。夏の消費を占う上で重要でした。官製プロモ Go To トラベルも加えて、やるだけのことはやった日本政府ですが、結果はどうも今一つ。人出に増加は見られましたが、例年の水準にはほど遠い所ばかりでした。それに先立つこと数週間、街の飲食、風俗、エンターテイメント再始動に端を発して感染が拡大基調になり、旅心にブレーキがかかったのでしょうか。新宿歌舞伎町という知名度が高い地区がメディアで騒がれたのも痛かったようです。経済活動の回復は旅行業界だけではなく、街の水商売でも必要。負の影響を受けても仕方がない面もあります。

 一方、Go To トラベルの混乱はいただけません。今の世の中、感染防止に都道府県の区別はほとんど意味がなく、個人の活動・行動を基準にした方がはるかに効果的です。非合理的な個人の束縛や職業差別にならないよう注意が必要ですが、東京都民が外に、外から東京都に出かけることの自粛要請と、会食、風俗そして人の密度が高くなるエンターテイメント(劇場、カラオケ、スポーツ観戦等)の自粛要請では、前者の方が問題が大きいと思います。感染拡大阻止のため、高リスク集団をそれ以外から隔離する政策です。後者に比べると前者は科学的な根拠がないと断じてもよいぐらいです。

 

un rêve éphémère

夏休みに海外旅行を予定していた方は大勢いると思います。その頃には疫病も収まっているかもしれないと楽観的な判断をした人たちですね。しかし、皆さん中止になっているでしょう。入国時と帰国時の面倒が許容できないという人もいるかもしれませんが、そもそもフライトがキャンセルになっているのではありませんか。Pechedenferも総崩れです。はかない夢でしたね。

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À l'aéroport en fait

さて国際線が今どれだけ飛んでいるのか知りたくなり、本日の成田空港の出発便を調べてみました。結果は以下の通り。合計23便が出発、他は欠航です。

 

NH897  HAN                    B788

JL29       HKG                    B789

JL711     SIN                      B772

LO80     WAW                   B788

JL407     FRA                     B789

AI307    DEL-MAA           B788

OZ101   ICN                      A321

BR197   TPE                     B789

NZ90     AKL                     B789

UA838   LAX                     B789

NH10    JFK                      B77W

NH180  MEX                    B788

NH6      LAX                     B77W

UA78     EWR                    B789

NH12    ORD                    B77W

KE704   ICN                      A333

JL58       SFO                     B789

NQ801  SIN                      B789

CI105    TPE                     A333

AA60     DFW                    B77W

JL18       YVR                     B767

EY871    AUH                    B789

QR807   DOH                   B77W

 

規模が小さな発展途上国の首都空港のような感じですね。欧州は2都市(ワルシャワとフランクフルト)で LOT と JAL が運航します。意外なことに感染が深刻なアメリカが多く、ロサンジェルス、ニューヨーク、ニューアーク、シカゴ、サンフランシスコ、ダラスと飛んでいます。ロスはUAとNHが飛んでいます。アジアは台北とソウルが2便ずつ。この辺は想像できる範囲内ですが、シンガポールJAL と NQ で仲良く1便ずつ飛びます。香港が1便、バンコクとハワイはゼロです。アウトバウンドもインバウンドも観光輸送は壊滅しています。

 全く変わらず飛ぶ中東勢は別の世界のようだというか、頼もしい限りです。個人的には、ニュージーランド航空オークランド便が意外でした。

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なお各社、意外と大型の機材を飛ばしています。航続距離の問題がない近中距離でも以前と同じ機材を飛ばしているケースが多くみられます。客は減っても、パイロット・機材繰りがつかないのでしょう。

 

新型感染症の流行は、空港をドラスティックに変えてしまいます。もちろん悪い方向にです。

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昨年の夏ごろのようす

 

 

ヒースロー空港:JALもターミナル5に移動

この記事を出してから数日して、だいぶ情報がまとまったので、改めて一つの記事にまとめました。

ヒースロー Terminal 5 でのサービス向上 - バス代わりの飛行機

この方が包括的です。

 

世界の極、ロンドン・ヒースロー空港では、ブリティッシュ・エアウェイズ BA が「お友達」の集約を進めています。ワンワールドの雄、アメリカン航空 AA が利用ターミナルを3から5に移すというニュースがあったのは今月上旬です。

ロンドンの状況 - バス代わりの飛行機

ターミナル5は竣工以来 BA 専用だったので、ちょっとした驚き。ついでの JAL 再配置は勘弁して欲しい旨も書きましたが、祈りは届かず。日本の翼もターミナル5が根城になります。

Qatar moves to Heathrow Terminal 5

7月29日より新ターミナルで営業を始めるとのこと。

 カタール航空 QR はターミナル4が定位置ですが、コロナ禍による閉鎖につき、ターミナル2にて仮営業中。そして 7月27日にターミナル5に移動します。むしろその話が主たるニュースで JAL の引越しはオマケ。悔しいことですがそれが世界の情勢です。

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ターミナル5を使う BA 便が減便され、空いた枠でこれらの航空会社が発着するのでしょう。しかし JALQR も上級会員が多いので、Galleries ラウンジはこれまで以上に混雑しそうです。AA と JAL が消え去るターミナル3には、キャセイ・パシフィック CX とカンタス QF が残り、それぞれラウンジを持っています。現在は閉鎖中ですが、コロナ終息後どうなるのか見当もつきません。

 QR は独自ラウンジの開設に熱心な会社。自社のビジネスクラスとファーストクラスの搭乗客のみが使える(QR 上級会員資格では入室不可の)ラウンジをあちこちに持っていますが、ヒースローのターミナル4にもそんなラウンジがあります。ターミナル5に新ラウンジを設営するかどうかはわかりません。

 ロンドンで特製カレーの調達が難しいはずないと思いますが、JAL はヒースローにサクララウンジを持ちません。JAL 利用客の間では CX ラウンジが人気でした。ところが JL42便、JL44便で日本に帰る時にヌードルバーは使えなくなります。残念ですね。ターミナル3出発の BA 便では CX ラウンジも使えます。LHR 接続でヨーロッパに行く JAL の航空券を購入、乗継ぎが BA になる場合に期待しましょう。

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これらの引越しで、BA 会員にも関心事が生まれました。AA、JALQR の利用時にコンコルドルームカードが使えるか否かという問題です。また JAL ファーストクラス利用時にコンコルドルームが使えるか否かは、JAL会員の関心事になるかもしれません。これらの問題に対する答は、そのうちわかります。

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あなたがいないターミナル3なんて、辛子を入れない納豆、„Wie zwei Magneten ziehen wir uns an. Und kleben aneinander fest...“と、マッチョなAA にしおらしく JAL がついていったというシナリオは面白いのですが、たぶん的外れです。移動劇の背後には、BAが行う大西洋、太平洋の共同事業の効率化があることは間違いありません。近い将来、同じ共同事業のパートナーであるフィンエア AY も引越することでしょう。なおイベリア IB はもともとターミナル5を使っています。

 

コロナ禍で航空輸送が激減し、世界中で多くの空港ターミナルが閉鎖中ですが、空港利用の再編成のよい機会になっているようです。ヒースローでは、ワンワールドの残りのメンバー(AT, MH, RJ, S7, UL と CX, QF)、IAG傘下の会社(エア・リンガス EI、エア・ヨーロッパ UX)についても動きがあるかもしれません。逆に言うとこれらの会社で変化がないようなら、ヒースローに就航はするものの、影が薄い、あるいは世の変化に追従できないということなのかもしれません。この空港への就航はステータスですから、会社によりそういう濃淡はどうしても生じます。「あいついちびっとるし、いらんことばかりしよる。はみごにして欲しいんやろか。」と BA が親分提案する可能性はないはず。

高揚感皆無の夏

コロナ禍ですっかり縮こまった日本経済。体勢を立て直さないと国が崩壊します。政府は全国津々浦々に指示した自粛を解除、自信満々に経済活動を再開しました。するととたんに感染が再拡大。新規感染件数は感染最盛期と並ぶ水準に戻りました。欧州でも移動制限を解除したのですが、新規感染は低レベルで落ち着いています。それでも日本並みかそれ以上の発生頻度なので、うらやむ状態ではありません。

 

さてこのブログの主な舞台は国際便。ところが国境を越える移動では、有効な検疫スキームが世界的に未確立です。こんな状況で長距離フライトの航空券を買う人間がいるわけありません。欠航により、日程変更が行われた便がさらに欠航になる始末。これでは方違えも不可能です。

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Mir erkoren, mir verloren, hehr und heil, kühn und feig!

こんな感じで各社、予約の後処理が底なしになっているようです。航空券が売れないことによる損失処理に加え、人員整理を行う理由も作らなくてはならないし、航空会社は滅多に見ない苦境に陥っていると想像されます。

日本の会社は国内輸送があるため、まだましとはいうものの、気楽に構えていられる状態ではありません。

 

矢継ぎ早に事業を拡張し、すっかり「望月のかけたることもなしと思えば」気分になっていた ANA。その分コロナショックは激烈だった模様です。JAL 最後の牙城ホノルルの攻略を画策、富嶽を凌ぐ積載量を誇る A380 を補充する予定でしたが、ホヌ航空隊の配備を目前にして疫病が襲来。「新高山登レ 二〇二〇」は発信できず、進攻計画はすっかり頓挫。ホノルルはおろか玉山にだって行けません。巨大な機材は成田に留置され、巨大な経費がかかるだけ。幸いグループ全体の借入金がとんでもなく多いので、A380の2機や3機が無駄になっても、株価への影響は限定的です。

 

という状況で FlyNG ホヌ A380 が日々垂れ流す赤字を少しでも軽くしようと遊覧飛行を企画する ANA。メールでご案内。

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成田空港発、同着で 90分のフライト。抽選受付が前提になる一方、強気の料金設定となっています。これで 500人も 600 人も応募があるのでしょうか?子供連れを歓迎し、機内オフ会を排除するため、需要予想に関係なく抽選としたのですか。しかしこういうイベントにはお祭り気分が欲しいところ。例えば ANA の機内を想起させるいでたち

https://www.ttrinity.jp/shop/cx902/collection/21568

で多くの人が集まると、騒ぐことなくお祭りらしくなり感染防止にも有効。ANAだからと、スターウォーズ装束での参加を考える方もいらっしゃるかもしれません。

Déguisements Star Wars et accessoires Star Wars pour enfants et adulte

Déguisements Star Wars pour hommes et femmes - Deguisetoi

fêtard(=お祭り男、お祭り女、パーティ好き)としてのセンスは良いのですが、保安検査で一悶着起きないように注意が必要です。いずれにしても特別企画ですので、盛り上がりが欲しいところ。このフライトを核に(安全と衛生に影響がない範囲で)オフ会でも開いてもらう方が良いと思います。

 マイレージクラブ会員は 380 マイル獲得できる一方、PP はゼロのようです。座席の事前指定はできず、空港ラウンジや優先搭乗サービスは利用できないと明記されます。すると当日はごねる、すねる、さけぶ会員が出そうです。しかし成田空港は今ガラガラ。係員があり余っているので、お客様ひとりひとりに十分な対応が可能です。10人ものタヌキ顔に取り囲まれたら、どんな問題児、どんな問題 JJI も大人しくなることでしょう。ご心配は無用。安心してお出かけください。

 

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せっかくのアイデアに対してこんなことを言うのも何ですが、遊覧飛行なら A380 より俺たちのボンQ、Bombardier DHC8-Q400 の方が楽しいのではないでしょうか。プロペラ機は低空をゆっくり飛ぶのが得意です。47D-1 に始まり、YS11を経て今日に至る日本の霊感。プロペラ機にこそこだわりを見せて欲しいものです。

 

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かくして日本の空でも飛行機は飛ぶものの、国内便に限られます。国のかけ声は Go To トラベルと奇妙。全く高揚しない 2020 年の夏です。コロナさえなければ五輪が始まっており、今頃はお祭りだったのにと Konjunktiv。Go To Travel は標語だから奇妙でも良いし、平凡な表現となる go on a trip では標語にならないし、そんなことをわざわざネタに取り上げるメディアは英語が苦手なようですが、確かに日本語で「再始動、再発見、ニッポン」ぐらいにした方がよかっただろうと Konjunktiv。とにかく政治や行政の発信は、わかりやすいことを旨として欲しいものです。

愛知ではなく尾張と三河

清浄の地

旅好きの方は、夏休みはそれぞれ工夫して国内旅行をされることでしょう。しかし行くには相当の覚悟が必要な場所があります。

 

それはご存知、岩手県

 

いまだにコロナウイルス感染が起きていない県です。自分が感染第1号の原因になるなんて事態を想像してみてください。その不名誉は一生ついて回りそうです。やはりここは神に祝福された地のままであって欲しいところ。

 

都道府県単位ではコロナフリーは岩手県だけですが、細かく見ていくと清浄の地は他にも見つかります。例えば会津地方。

福島県内の新型コロナウイルス発生状況 - 福島県ホームページ

この広大な地域でも、発生はまだゼロのようです。もっとも会津で感染第1号の原因になっても、騒ぎにはならないでしょう。都道府県単位での集計が一般的だからか、県で初めてにはインパクトがありますが、他の単位ではニュースバリューがほとんどありません。

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農業の単位

岩手と会津の比較でも明らかですが、ある土地をどう呼ぶかによって、出来事の社会的な影響力が変わります。格好の例が福島原発事故です。あれは浜通りの海岸で起きた事故であり、山を隔てた中通りでは放射性物質降下の影響は極めて限定的だったのです。会津に至っては全く影響ないと言ってよい状態でした。しかしこれらの地域名は弱く、すべて福島県として認識され、農作物は福島産という名で流通していたため、農業が甚大な影響を受けました。中通りは果実栽培が盛んで「福島」はブランドとして育っていたのですが、この事故のため膨大な努力が水の泡。あれから10年近くたちますが、復活の兆しは見えません。

 福島第一原発が双葉原発大野原発という名前で、福島県の農作物が会津、中通、浜通の名で知られていたら、これほどの被害はなかったのです。また今後は「ふくしま」を再興するより、「あいづ」、「なかどおり」、「はまどおり」に切り替えた方が有利でしょう。

 実は福島第一、第二以外の原子力発電所には、とてもローカルな地名がついています。またどこにでもある地名が好まれるようです。これは原発事故が起きても*、影響力のある地名に傷をつけないためだと誰しも考えます。不幸なことにその例外であるフクシマが歴史に残る大事故を起こしました。フクシマに東電がこだわり続けたのか、県がこだわり続けたのかは知りません。しかし育成したブランドを完全破壊された福島県の農業関係者が、「原発名に福島の呼称を放置し続けた」という不作為の責任を問う訴訟を起こした様子はありません。地方ではブランド価値の理解が低いレベルにとどまるようです。

*:一般に原子力発電所は監視が厳しく、小さな異常でも報道されます。これは健全なことなのですが、同じ土地でとれた食物にネガティブな印象が生まれるのは避けられません。つまり農作物・海産物と原発は同じ地名をシェアしてはならないのです。このことはよくわかっていたはずなのに、何故かフクシマはそのまま放置されていました。

 

最近一部の県では、和牛を県名で売りこむことにしたようです。例えば米沢牛ではなく山形牛をよく見かけるようになりました。他にも長崎牛などが目立ちます。想像するに、これはJA全中が旗を振って、各地のJA中央会が仕掛けているのではないでしょうか。

 和牛は呼称に関する制度を早くから整備しており、日本では知的財産の保護が進んだ食品です。

 フランスワインの成功でよく知られますが、ブランドを階層構造にすると、全体の価格が押し上がり、トップブランドの価値はそれ以上に上がります。つまり平戸牛壱岐牛、雲仙牛、五島牛の高いイメージで長崎牛ブランドを引っ張り、県全体の畜産を底上げします。すると従来のブランド牛はさらに高価になります。収入が増えれば、品質向上への投資も可能になります。長崎牛ブランドの下で新しい上位ブランド(佐世保牛とか諫早牛とか)を育てることもできます。県単位のブランドを持っていると、JAの影響力も保てます。一石何鳥もの効果があります。

 

一方、平戸牛壱岐牛、雲仙牛、五島牛などのブランドを廃止して、長崎牛として一本化、他の地域にも名声の産む富を分配しようという農協的発想なら、地盤沈下を起こすだけです。これは評判が悪い 1971年のドイツのワイン法で実証されています。Grosslage の呼称制度(とブドウの糖分による格付け)により、ドイツワインの質は低下し、価格は低迷しました**。EU 共通の制度を視野に、2009年にドイツワインの呼称は再び変更されたのですが、その後(高級ワインの中心クラスで)価格はだいたい2倍に上がりました。

 **:量を売ることはできたはずなので、世に嗜好の変化を起こすことには成功したかもしれません。対ビールとか、対コルンという観点では、ワイン生産に役立ったかもしれません。

 

JAの戦略が古臭い農協の発想ではなく、ブランド強化であることを祈ります。

 

災害の単位

今年の梅雨は、熊本県大分県、福岡県、宮崎県、岡山県島根県岐阜県などで河川氾濫を起こしました。これが観光や農業へどう影響するか見えにくいのが日本の現状。都道府県名が強すぎるのです。もちろん被害を受けたのはこれらの県の一部の地域だけ。(コロナのことを除くと、)他の地域では人間社会は平常通り動いているはずですが、県全体に障害があると何となく感じる人が多いと思います。

 1991年の雲仙普賢岳火砕流発生では、長崎県全体への旅行が下火になりました。長崎市に深刻な影響が出るほどの火山活動が雲仙で見られたら、九州は形が変わります。福島の原発事故における会津もそうですが、ほとんど影響がないのに深刻な被害を受けそうだと思い込んでしまうのは、都道府県名で認識する傾向が強いためです。ただしこれを風評被害と呼ぶのは間違っています。消費者のリスク管理です。そういうリスク管理になってしまう原因は、なんでもかんでも都道府県を前面に押し出す政策にあります。福島県産農作物の忌避に関しては、消費者には全く責任がありません。

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都道府県の下のレベルの地域名が広く認識されるようになると、これらの問題は起きにくくなります。産地ブランド化、階層化にも効果的に働くでしょう。当然、明治維新以前の公式地名が数多く復活することになります。大政奉還の後、中央集権的な国家を建設する上で旧地名が邪魔だったことは間違いないし、廃藩置県は日本史で他に例を見ないほどうまくいったのですが、人、モノの移動が桁違いになった今日、何でも都道府県で区別をする発想は、多くの弊害を及ぼすようになっています。

 

例えば山形県よりも庄内、最上、村山、置賜で、愛知県よりも尾張、西三河東三河で認識されるようになると、多くの問題がすっきり解決しそうです。政治・行政は都道府県単位のままで、生産、消費、文化、情報発信は地域を核にするのが良いと思うのです。それによって会津人のアイディンティティが強化されても、彼らが鶴ヶ城に籠城し、政府に刃向うことはありえません。そろそろ維新の軛(くびき)から自由になり、古くからの地名も活用した方が多方面で良い結果が得られるだろうと、国外に出られない旅フリークは思うのでした。

 

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アメリカでは中国共産党員入国禁止を検討、イギリスではB747に引導

日本では意外な農作物を栽培しています。ふらりと入った JA の直売所で mûres (Brombeeren, ブラックベリー?) を売っていたのには驚きました。もちろん冷凍品ではないので、朝摘んだものだと思われます。

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この種の果実は、自重で潰れていくので鮮度が重要。もっとも mûre の場合、潰れると(酵素反応で) 断然甘くなるので、食べ方に工夫が必要です。ヨーロッパでは自生する植物ですが、栽培した作物も市場で販売されています。フランスやドイツの市場(マルシェだとか、マルクトと言った方が通りが良いかもしれません。)での買い物は、飾らない農民の言葉が聞けるので割とおすすめ。JAの販売所もそういう気配はありますが、観光案内所のようにバリバリ方言を使うことは稀。

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日本で生の mûre を見たのは初めて。これで 300 円なら納得価格。どっきり生食であっという間になくなりました。

 

混乱の極みとなっている Go To キャンペーンを利用するかどうかはわかりませんが、国内旅行でも農作物直売所は興味深いところ。都心では見かけないローカル野菜もあるし、珍しい形をした馴染みの野菜や、規格外になった巨大な野菜があったりと、日常的に料理する人にはワンダーランド。

 

中国共産党員のアメリカ入国禁止

日本ではあまり話題になっていませんが、トランプ政権が中国共産党員の米国入国禁止を検討しています。全党員とその家族が対象になるようです。

Les USA vont interdire la délivrance de visa pour les Chinois ! -

共産党員の数は 9000万人。家族を含めると2億7000万人とされます。かの国では社会で成功したければ入党が必要なので、これらの人々は大多数を占める地方農民より海外に移動する頻度は高いはずです。もしこの政策が厳格に実施されると、米中間の移動は大部分消えます。米中対立の激化とは異なる次元で、大きなインパクトがあります。JALANA も乗継ぎ需要がなくなり、痛手を負うことになります。

 実施されれば興味深いことになりますが、アメリカ経済に及ぼす影響が大きすぎ。ビジネスマンのトランプなので、いつものブラフでしょう。

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関係あるような無いような話ですが、トランプが 2017 年 11月に来日した時、晩餐会で出された日本酒を最近手に入れました。この名をつけた酒は3種ありますが、五百万石で醸すこの純米大吟醸が供されたようです。

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西川恵著「ワインと外交」(新潮社)に詳しいのですが、首脳クラスの晩餐会ではワインは Médoc の格付け2級が目安になります。(国家元首を招く宮廷晩餐会で1級。) Médoc の2級でも、価格はこの日本酒の10倍ぐらいになります。今の時代、日本酒は手が届きやすい存在です。こういう良い時代にできるだけ経験を積んでおくのが肝要ですね。国産ウイスキーの値上がり具合を見ていると、本当にそう思います。

 

退役がニュースになるB747

British Airwaysボーイング 747 を退役させます。これはあちこちで大きなニュースになっています。

British Airways retire le mythique Boeing 747 de sa flotte

この記事でも COVID-19 の蔓延が終焉を速めたと言っていますが、そもそも1970年から利用されている機材で、すでに50歳。そのものずばりの後継機はなくても、B777A380 も安定して運用されているわけで、とっくの昔に無くなっていても不思議なかった B747。それがだらだら使われ続け、航空会社が利用停止するのがいちいちニュースになるというのは、尋常ではない人気です。

 個人のレベルでは British AirwaysB747 には、World Traveller Plus と Club World のキャビンを初めて体験したという思い出があります。Club World といっても旧型のシートで、隣席間の可動仕切は手動の扇でした。このブログ(のスマホ版)では当初からアイコンに British Airways垂直尾翼を使っていますが、これがまさにその時搭乗した B747 の写真です。

 

ボーイング社が軍用に開発したものの、売り込みに失敗し、苦し紛れに民用転換した機材。これが全く予想もしなかった大成功をおさめます。長らくその愛称は歴史的に有名な象 Jumbo でしたが、B747-8が出てからは「空の女王」(Reine des cieux)などと呼ばれることが増えています。Virgin Atlantic も退役を速める旨の発表をすでに行っており、女王の命も風前の灯火。

Virgin Atlantic retires Boeing 747s early: 'Pretty Woman' 'wing waves' its way into retirement