北米横断は2,500マイル前後、5時間程度のフライトですが、エコノミークラスは食事無しです。私の便ではドリンクが3度出ました。ビジネスクラスはウェルカムドリンクに始まり、飲み物、食事、到着前にも飲み物+αと、日本-東南アジア便のようなテンポです。AAの737では機内ビデオの上映がありました。
oneworld上級会員がエコノミークラスを予約すると、シートピッチが大きいメインキャビンエキストラを選べます。幅は普通のエコノミーと同じです。私の場合、運悪く往復とも隣席に普通サイズのアメリカ人が座っていました。彼らの中では「普通」に見えるのですが、隣に座られると断然横に大きいことが実感できます。こんな国では胴囲85 cmなどというメタボ基準は意味をなしません。ほとんど全ての人が85 cmを超えるでしょうから。
メインキャビンエキストラとビジネスクラスの間のカーテンは半透明で、復路は前者の最前列通路側だったため、ビジネスのサービスを見ながら過ごすことになりました。ビジネスのキャビンは60歳ぐらいの女性と40歳ぐらいの男性のチームでしたが、この女性は膝上10cmぐらいのミニスカート。AAのクルーはスカーフの色だけでなく、スカート丈も選べるようです。
70年代の5代目制服の時にキャリアをスタートしたのでしょうか。結構な歳でもミニスカートを堂々と履くのはアメリカらしいとしても、客にワインを注ぐ時、客と逆側の膝を他方に添えるような形で内側に曲げ、かかとが少し上がります。アメリカ流のコケティッシュなサービスですが、お婆さんです。
一方でこのお方、大柄で金髪、体型は良く保たれていて、良く節制している往年の美女です。プロ意識の高い人と見ました。コケティッシュな点はともかく、流れるようにスムーズな給仕でした。一方で相棒の中年男性はひどいもので、ワイングラスのボールの部分をわしづかみにし、腰高でおどおどとワインを注ぎ、客に渡していました。こうして注がれるとワインもまずそうに見えます。
こうしたショーが前方で繰り広げられている間、エコノミーのキャビンは静かなものでした。私の所を回っていたクルーは上品で洗練された給仕でした。ユーモアも忘れていません。アメリカ流と言うよりイギリス風でしたが。
とても快適なフライトでした。AAもQFも日本便では機内サービスに見るところが無いのですが、国内便はとても良く感じます。良い意味でクルーは肩の力が脱けており、客もリラックスしているけれどマナーが良く、国際便とは別物です。航空旅行版世界七不思議の一つです。