PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

CX500:HKG-NRT ビジネス(その2)

さてA330(A33Z Special)。中身は新々リージョナルです。

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前回の成田便は8月。今日と同じCX500便で、機材はB772(B-HNL)。何とか生き長らえているようなキャビンでした。実際、老朽化が原因と思われる小さな騒ぎがありました。

CX500:HKG-NRTエコノミー 転じてビジネス(その1) - バス代わりの飛行機

CX500:HKG-NRTエコノミー 転じてビジネス(その2) - バス代わりの飛行機

最近、B-HNLは鬼籍に入ったようです。「ご老体、夏は越せなんだか」と感慨に耽っていたら、突然、首のあたりに生暖かい風が。顔を上げると8月のCX500便のattendantの姿が目の前に。私には幽霊船の残像のようなものです。驚きました。

 

「お前はCX500の地縛霊か」と言いたいのを抑えて、「またお会いしましたね。8月にもお世話になった。ええと、大阪の...XXさん(仮名)。」と東京風に挨拶。このB-HNLの忘れ形見のXXさん、幸か不幸か、私の事はすっぽり忘れています。混乱した様子で姿を消しました。

 

しかしすぐ思い出したようで、再び現れ、今度は膝をついての挨拶。

 足はありました。「鬼籍」や「地縛霊」から始めるから良くないので、最初から「哀惜」と「再会」と言っておけばよかったのですね。

 

態度の変化が露骨なのですが、若いので無理もありません。こういう経験は初めてかもしれませんし。アジアだったらそれほど違和感ないし。

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クルーとの再会は今年2度目。他は2月と5月のHKG‐CGKで、インドネシア人ISM。physionomisteではない私は、顔を覚えるのが苦手。今年の搭乗数はたった14回。これらを総合すると、「キャセイは客室乗務員が少な過ぎる」と帰結されますが、合っていますか?國泰航空公司殿。

 

XXさん、再会情報をISMに上げたようで、降機時に出口で、「私たちを良く覚えていて恐縮している。あなたのような良い客にはまた使ってほしい。ぞいぎん。」という旨のISM挨拶を受けました。テイラーメードの挨拶は、ISMの得意とするところ。
 明らかにキャセイはpersonaliseされたサービスを重視しています。キャビン内で、客の情報の共有はシステマティックに行われるようです。また、客に覚えてもらうのは、クルーには悪いことではありません。客もポイントアップですかね。今後会うことは無いだろうから、メリットはありませんが。

 

セーフティビデオを上映しようとしたところで、IFEシステムが不具合を起こし、再起動。遅延を避けるため、直ちにクルーの実演が開始。

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この時点でXXさん、私の列の担当から外れて、もう一方の列の担当となりました。これは予想通り。変に気を使う必要が無いので、私も助かります。さらに若い香港女性が担当となりました。JAL便として搭乗している客には、良かったのかどうか。私の右隣のJGC殿にはどうだったしょうか。

 

粤語話者のISMは内気な方と見ましたが、時々現場仕事を手伝う一方、話しやすい相手には積極的にコミュニケーションをとっていました。感じの良い女性でしたが、結局、私とは波長が合いませんでした。周波数を合わせるのが難しく、時間切れという感じ。

 

ちなみにXXさん、元気をもらえるような小気味よさです。仕事に体当たりで向かうような感じが好印象。CX500の乗務は多いとのことですが、英語は上手、大阪語は話しません。こんなバッチf:id:PECHEDENFER:20141126133926p:plainを付けて、しっかりした大阪語でサービスを行うと良いと思います。

 

このISMの流儀なのか、食事のテンポはかなり早めでした。まずはナッツ。これはお手ずから配っていました。

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ナッツ名を間違え、すぐに言い直していました。可愛らしい「おばさん」です。こういうキャラの女性は一生通じて得ですね。このワインはSaint-Véranだったと思います。すぐに雑誌を置くスペースは無くなり、こういう感じになります。

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左上の2つの鉢は往路NRT-HKGと同じものです。成田からの積載を暗示します。刻んだトマトとケッパーが添えてある茹で海老のl'éntreeは普通と言うか、微妙と言うか、あまり工夫が感じられませんでした。皿の開いているスペースにソースで絵が描いてあれば最高ですが、いくらCXでもそれは無理です。

 

メインの中華には、Louis JadotのMorgon 2010を選びましたが、画像なしということでチーズへ。イギリスのブルーにCamembertです。今回の旅行では、Portは全てDowの定番の2009です。

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皿のアレンジは、若い香港人のattendantによるもの。チーズとフルーツは、盛付けに性格が出ます。手作り感がでて、良い印象。

 

しばらくキャセイには乗らないことを口実に、アイスクリームまで貪欲にいただきます。あまりうるさい注文はせずに、コーヒーをもらいます。

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大隅半島では片付けが済んで、キャビンは暗くなっていました。

 

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フライト自体はとても順調で、ほぼ定刻に成田到着。このA330は成田で夜を明かし、翌朝CX509としてHKGへ向かうのでしょう。

 

今年のCX搭乗はこれで終了。全部で14回。その程度の回数で何か語るのはおこがましいのですが、強く感じたのは、この会社は退屈と無縁なことです。アップグレード、乗客に起きた不幸、アンケートに伴う諸事、再会時のクルーの反応、乗客の行動などで、ほとんどのフライトが印象に残っています。褒めていいのか悪いのか判断できない事柄が多いのですが、退屈させないことは非常に大切。特にビジネスではIFEが必要ありません。さすがSkytrax世界一、大したものです。