PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

MH71D:NRT-KUL ビジネス

機材整備不良でパーツ待ちとなったMH71便。翌朝着のMH88便で航送してくるのは間違いなく、出発は12時に。乗客は成田エクセルホテル東急で夜を明かします。

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延々と正月を続けるホテルを予定どおり出発。皆、朝から疲れた顔をしています。整備不良による遅延は精神的な負担になります。もちろん事故を起こすよりずっとましなので、理解が必要です。

 

チェックインは請負会社の場合、受付開始時間が決まっています。予告では、MH89便の受付終了の30分後が我々の受付開始でしたが、確かにその時間より始まります。母港ではないし、MHの社員がMHのシステムを使うわけではありません。余裕が無いというか、融通が利かないのは仕方ありません。

 

面白いことに、セキュリティも出入国管理も、イレギュラーについて承知しているようでした。職業柄、いつどの便が出るかだいたい頭に入っているのですね。悪いことを考えれば、すぐばれそうです。

 新しい出国印をもらった後は、QFラウンジです。必要なメール連絡を行うついでにワインをチェック。このriesling、気に入りました。

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ちなみにこのラウンジ、放送で出発案内やゲート変更の案内があります。しかもQF便に限りません。その時にラウンジにいる客の搭乗する便について放送を行っているようでした。

 

搭乗時間には出発ゲートに行きます。前夜すでに告知されていましたが、MH71が改名してMH71D。家電製品の改良モデルのようです。このDはどこから来たのでしょうか。Delay? Derivative?

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さて出発時間はさらに遅れます。今度はキャビン整備の遅れと説明されます。結局、今日は40分の遅れを加え、合計15時間遅れで出発。

 

シートです。

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少し古いタイプのライフラットシートですが、ピッチは窓4個分近くあります。ただしB777-200に2-3-2の配置ですから、幅は大きくありません。ヘッドレスト後方に見えるのは舟形光背ではなく、マットレス。椅子の上に載っているのは、クッション、布団、ベッドパッド。Tumiのミニバッグに入ったアメニティと使い捨てスリッパが配られます。長距離便なみのサービスですが、昼便なので何も使いませんでした。

 

パーソナルモニターは10インチぐらいで、肘掛に収納されています。ヘッドホンは持参したものを使いましたが、音質は次に乗ったB737-800のIFEの方が優れていました。

 今の時代、のびやかな空間よりヘリンボーンスタッガード、マットレスよりフルフラットの方が、商品力があります。ただし、この古いキャビンには独自の工夫が随所に見られ、完成型の雰囲気が出ています。この調子だと新しいキャビンにも期待が持てます。

 

出発後、ずっと揺れていますが、遠州灘にはいるとSatayが出てきます。牛2本と鳥3本、生野菜の串刺し2本です。

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この味噌だれBBQ、変にワインに合います。脂が少ないので白でもOK。写真はPouilly-Fuméです。Viré-Clesséがあればなお良かったと思いましたが、十分可でした。ナッツも出てきます。

 

オードブルは別にあります。

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メニューにはそばとありましたが、これは小麦では?えび、ネギ、油揚げが入っています。軽くスモークしたカジキ(?)は赤く着色したカブや菜っ葉の上に載せてあり、エビなどをクリームで和え、cercleで形を整えたものは、Kiwiの薄切りでふたをしてあります。ミントの葉が添えてあります。盛り付けはかなり立派です。一方、日系某社ほどではないものの、化学調味料が少し目立ちます。

 

メインはfilet de boeufにしました。切り身2枚からなります。ここでも盛り付けが一工夫されています。

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escalopeと言ってよい厚さなので、焼き方はbien-cuitです。

 

見栄えが重要なデザートでも、頑張っています。

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オレンジとチョコレートという典型的な組合せ。とても良いのではないでしょうか。もう少し大きな皿に盛り、何かが添えてあって、フルサイズのナイフとフォークを出せば、他社との差を広げられます。

 

磁器は機内なのに重量級です。マグもオリジナルの形です。食器へのこだわりが感じられます。

 

これらの食事が全部終了したのは、九州の南方海上を通過中のことでした。桜島が山体膨張を起こしていて、噴火の可能性が取りざたされているので、少し心配していましたが、上空通過は避けているようです。

 

さて昼間のフライトですが、暗くなると昼行性動物はおとなしくなるという習性を利用するため、照明は落とされます。乗客の体が活動モードだと、騒いだり迷惑をかけることは無くても、クルーへの注文が増えるので、それが正解です。

 

到着2時間前、夕方になる頃、軽食が出ます。相変わらず機内は暗いままにしておきたいのか、照明は戻りません。緑色の間接照明の下で食事をすることになります。

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着陸が近づくとIFEは、マレーシア観光のビデオに変わります。

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東南アジアの航空会社は、宣伝で少年少女を使うのが好きですね。C26ゲートに到着したのは19:50頃。長いフライトでした。予定では7時間30分程度のはずが、8時間かかっています。冬はタダでさえ風が強いのですが、特に影響を受けたものと思われます。出発は15時間遅れ、フライトも30分遅れで、まさに踏んだり、蹴ったりでした。

 航空機の大幅な遅れは常に起こりうるものとして、心の準備が必要だというレッスンが残りました。最低一泊分の用意は、機内手荷物に入れるべきということも思い出しました。

 

KULが目的地だとこれで話はおしまいなのですが、私には乗継ぎ便があったので、面倒はまだ続きます。それは次の記事で。