PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

エーゲ航空の4搭乗

1月15日付のニュースによると、Miles+Bonusがステータスマッチを受付けています。対象はElite Sunmiles会員です。SunmilesというFFP、初耳だったので調べてみたところ、1月9日に営業停止、会社清算を始めたキプロス航空のFFPでした。6機のA320で13か所へ寄港していた小さな会社です。

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このステータスマッチは顧客の引き抜きではなく、路頭に迷う優良顧客の取込みなので、文句なく「良い事業」でしょう。この文章を読んで、この機会を利用する人はいないでしょうが、ここで注目したいことは別にあります。エーゲ航空がやる気満々だ(=できれば事業拡大を行いたい)ということです。

 さらに1月19日には、キプロス便で獲得マイル50%増しというキャンペーンも立てる波状攻撃。これでもかと秋風を送るエーゲ航空です。

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FFPとの関係で言うと、事業拡大へ邁進できる会社は、とにかく自社会員を増やそうとします。一方、利益を確保しなくてはならない会社では、利益に直結する会員を優遇、金を落とさない会員はそれなりにという方向へ舵を切ります。例えば破綻してバランスシートが軽くなったJALは、JMB会員を増やそうとあの手この手です。少し前にはJGCのバラマキすらやりました。一方、有利子負債が大きくなったANAは、明らかに後者のタイプの改革を進めています。

 エーゲ航空は赤字でもやる気十分。これはいいことです。まずは無理のない範囲で事業拡大、利益も出して欲しいところです。

 もっとも破綻しても上級会員だったらキプロス航空の場合のように救う神が現れるので、深刻に考えていません。エーゲ航空の場合、マイル・インフレを起こしているわけでもないので、貯めたマイルも温存できるかもしれません。ただEUの規制により、国家が管理して再建することはないでしょう。

 

そういうわけでMiles+Bonusの会員の未来には、特段の懸案事項はないと考えられます。ちなみに2015年1月の時点で、エーゲ航空の職員は"Miles and Bonus"と呼んでいました。”Miles plus Bonus”ではありません。

 

ギリシャに行ったのは、Miles+Bonusの読み方を知るためではありません。せっかく会員になったのに、全然搭乗しないで消えることに抵抗を感じたためです。こういうことも、何かの縁ですから。

 

とても陰気なBUD空港からの遠征します。これで朝10時過ぎですが、こんな日は珍しくないのが中欧の冬。雲が地表に届いています。

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BUD-ATH-SKG往復でエーゲ航空に4回乗って、何となく情が移った点は差し引いても、悪い体験ではありませんでした。弱小会社感に満ちていますが、価格に見合うサービスをしています。機材の利用効率を上げるべく、空港での駐機時間が短いことも観察できました。機体にURLが書かれています。LCCのやり方も取り入れているのでした。最近はLHですらこれをやっていますが...。

 

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国際線では軽食が出ます。アメリカの子供用のボックスランチのような感じです。飲み物は、冷たい物、熱い物と2回周ってきます。赤白ワインも選択できます。

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一方、ギリシャ国内線ではビスケットに飲み物が1回です。

 

機内販売もあります。これは国際線と国内線に差が無いようでした。機内誌Blueは立派な装丁で、かなり分厚い雑誌でした。

 

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Gold会員だからと言って、個別挨拶があるとか、職員の表情が親しげになるとかいう現象は確認できません。BAよりもさらにさっぱりしています。

 

その他pros

・着陸が丁寧。

・キャビンが新しい。

・提携によりギリシャ観光の全ての扉になりつつある。

ギリシャはイタリア以上に観光客本位。国是のよう。

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その他cons

・ATHもSKGも空港の構造が現代的とは言えない。

免税等の商業施設の前に搭乗券のチェックがあり、その後セキュリティがある構造で、ラウンジもセキュリティ前だったり、どこにあるかわからなかったり、力が入っているとは言えません。

・空港使用税だか何だか知らないが、税金が高い。(240€の航空券に90€の税金)

・(個人の問題で、普遍性はないが)ギリシャ語がわからない。

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言葉がわからないので、サービスの特徴がピンとこないという歯がゆさはあります。それを除くと普通の会社でした。運航も問題なく正確です。4つ乗って一番遅れたのが、5分でした。

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袖なしの制服では、ムダ毛処理の大まかさが目立ちました。前腕は処理していないし、体毛と毛髪とで色が違うしと、おおらかな人たちですね。ギリシャの女性は。タトゥは無いし、欧州にしては自然志向が強いかもしれません。日系の航空会社でもCAの化粧は「見もの」ですが、今回の搭乗では、両眼ともつけまつげが半分外れたままサービスを行っていた方がおりました。凄みがありました。

 

冬の天気は比較的良好。海から見る雪化粧した山には、日本の雪山とは異なる美しさがあります。

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Thessalonikiは普通に寒いのですが、海も望める穏やかな光景が印象的でした。田舎のようですが、万事整っていていい感じです。出発地のBudapestとは大違いの空の青さ。

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このホテル(Royal Hotel Thessaloniki)は、朝飯を食べずに出発すると伝えたら、弁当を持たせてくれました。少し感激しました。冬はギリシャと言えども観光客が減るので、どこへ行っても大切にされることは間違いありません。

 

エーゲ航空が縁で、定期的にギリシャに行くのも悪くない話だと考えるようになりました。

 

ちなみにこの4搭乗、2014年の同月同日の搭乗としてマイルが記録されました。どうもシステムエラーのようです。

・電子メールで訂正を申し入れたところ無反応(5日待ち)

・Webサイトで未登録マイルを請求したところ無反応(5日待ち)

・搭乗券4枚のスキャンと予約確認メールをFax(2日で訂正)

と、記録が正しくなるには手間がかかりました。アップグレードクーポンもいつの間にか印刷可能になっているし、tier milesの購入条件ははっきりしないし、Miles+Bonusの安定には少し時間が必要かもしれません。

 

さて昨年からの課題だったエーゲ航空の搭乗は果たしました。A3*Gの資格延長も楽になりましたが、これはどうなることやら、わかりません。