年明けに初めて会う知人へは、「あけましておめでとう」と言うのが普通です。この挨拶を何月何日まで使うかは、人により、所により違うでしょう。1月中旬に会ったフランス人が「1月31日までならOKだろ。人によってはmardi gras(今年は2月17日)まで言っているよ。」などと言っていましたが、私は1月4日(l'Épiphanie, Heilige Drei Könige)が限界だと思っていました。人によって感覚がずいぶん違うものです。
さてなぜそんなことを思い出したかというと、ここで報告するのが正月フライトだからです。こういう時期は、空港職員や客室乗務員への挨拶も、新年向けにした方が良いと思います。絶対喜ばれます。
朝5時過ぎなのにチェックインカウンターには列ができています。
日本でも正月気分というのは死語になりつつありますが、搭乗前にはそんな気分は存在しません。
この便は、
AF1449, KQ3049, MU8636, UX3249, AM6009, CZ7062, 9W6767, DL8445, VN3675
という9会社のコードシェア便です。一つの体に名前が9つ。太閤秀吉並みです。
A321。3-3のシート配置。席は6A。普通のエコノミーですが、中央席の6Bは空き。6CはJTBの添乗員で、私に英語で話しかけてきました。「何で英語?」と思いつつも、根がサービス精神旺盛なので、英語で返答しました。
添乗員の方は、日本の一般的な休日期間が大忙し。逆に閑散日に休暇がとりやすいという仕事ですから、自らも旅行好きだと金には換算できないメリットがあります。
前方キャビンの担当クルーは男性でしたが、仏語の中に結構な量の日本語を交えます。6D~6Fが日本人女性のグループだったのですが、そちらでは盛んに日本語を使っていました。私の名前を憶えてくれて、降機時に名前付きで挨拶してくれました。日本語では名前と挨拶の関係が難しいのか、仏語での挨拶でしたが...。
この便はスペインとフランスを結ぶ便。日本語の必然性はありません。この方、おそらく日本文化に関心があり、言葉も勉強しているのでしょう。その成果を仕事でも活かしているのですから言うことありません。AFの場合、こういうマニュアルを超えたサービスによく遭遇します。社風ですね。
もっと極端な例ですが、フランス国内線で仏英日で順次アナウンスを行ったクルーがいました。確かに外国語は勉強したら使いたくなるし、理解できる人間がいなくても害はないし、言語の能力は会社の利益に貢献することは間違いないしと、AFの機内では何語のアナウンスを行っても良いようです。一方でCDG-TXL便では、半分以上の便で録音を流すだけで、ドイツ語をしゃべるクルーが不足しています。会社として積極的に各言語に対応する気はないが、クルーが使うのは咎めないという方針のようです。
サービスの質を向上させていくと、ある閾値から必ずpersonaliseを進めることになります。名前で呼んでサービスを行うことや、言語を客に合わせることはその基本です。実力のある人材を多く抱え、質の高いサービスを提供している一つの証拠と評価しても良いと思います。
Croissant, café noirにLe Mondeなんて、卵かけ白米、番茶に日経みたいなものでしょうか。
ここは地下鉄駅や大きな交差点周辺のカフェではなく、狭いエコノミー席。どっちもどっちですが。
空からLBG(Paris Bourget空港)、
続いてCDGが見えてきます。
この高度は通り過ぎてから180度旋回、引き返すパターンです。その距離で着陸時刻を調整します。海風ですね。
右舷(F列)では夜明け前のパリが見えたはず。こういうのは運ですが、CDGの全体像も悪くありません。
CDGに到着。Terminal 2F。ー2℃です。朝だけあって、搭乗橋が外気温と同じ。空港内もまだあまり人がいないためか、所によって寒いのでした。冬の欧州は、下手すると昼間でもこの空港全景の写真のように暗いから、ヨーロッパ人が出不精になり、その結果太るのも無理ありません。